200314日。川崎CLUB CITTAにて。4人の男たちが歌を放つ。

 

 なんか安物のキャッチコピーみたいですが。私はコピーライターでもなんでもないのであしからず。ただコピーみたいなものを書いて始めたかっただけです。

 

 今年のライブ初めとして、VOICEに参加して、それぞれタイプの違った4人のボーカリストたちの、『歌』と言う名の生の叫びを聴いてきました。

 行く前にもあちこちで言っていたんですけど、倫以外の3人のライブは行ったことなかったし、千綿さんと宮本さんに至っては、歌を聴くこと自体初めてだったんで、正直期待と不安がいっぱいでした。

 

 開場も開演も少し遅れたみたいですけど(時計見てなかったんでよくわかりません)わりと時間通りに始まった方だと思います。

 なお今回は初めて歌を聴く人もいて、名前を知らない曲がほとんどです。ですので一曲一曲のレポを書くのではなく、一人一人の歌を全体通して聴いてみて、私自身がどう感じたか、レビューのような形を取らせていただくことをご了承下さい。

 

 最初に登場したのは、染谷さんです。

 

1.染谷俊さん

 黒のランニングに、Gパンと言うすごくカジュアルで、とても舞台衣装とは思えない(失礼!) 衣装で登場した染谷さん。突然現れてトップバッターと言うこともあってか、新年のご挨拶をしきりにしていました。

 染谷さんは5(+インストっぽいのが1曲。でも今考えてみれば、あれは次の曲のイントロだったのでしょうか。にしては長かったな)歌ったんですが、すべて染谷さん一人のピアノ弾き語り形式でした。他の方はみなサポートミュージシャンがいたんですけど、染谷さんにはいませんでした。すべてが染谷さんのピアノ一本で綴られる。染谷さん一人で作り上げられる(演出効果は除きますが)ステージングは、圧巻でした。

 歌自体は、噂に聴いていた通り、痛い歌が多かったです。でも、単に痛いという言葉だけでは片付けられるものではありません。決してとげとげしていて、諸刃の刃みたいで、触るだけで傷つけられてしまうような痛さではないんです。直に心に届き、包み込んで護っていた殻を壊してしまうような歌。心がむき出しにされることでしみ込んでいくような、そんな歌です。

 だからこそなのかもしれません。歌を聴いて久しぶりに泣きました。痛いけど、心に染み入って、何かを感じさせてくれる歌。それが今日の染谷さんの歌だと私は思いました。

2.千綿ヒデノリさん

 今日初めて千綿さんの歌を聴きました。初聴きが生って、すごく幸せなことですよね。直にミュージシャンの声に触れることが出来るんですから。

 今日の衣装は、上が白いブラウスに(遠くてよく見えませんでした。そのためデザインよくわかりません)下が黒の革パン。千綿さんって、結構こういう衣装着られるのでしょうか?革パンには正直おどろきました。

 

 実を言うと私、歌を知らなかったせいか、ライブ中はほとんど乗れていませんでした。どうしたらいいのかわからない。本当、そんな感じでした。(ファンの方や、千綿さんご本人には誠に申し訳ないのですが)そのせいか、あまり印象に残らなかったんです。1曲目とか、3曲目、4曲目あたりとか。2曲目はかなり気に入って今でも気になっているんですが。

 でも、それがかえってよかったんでしょうね。すべてライブが終わって、会場を出て、改めて今日のライブを振り返ってレポを書いている今、すごく千綿さんの曲が気になっています。聴きたくてしょうがなくなっているんですよ。聴きたい衝動に駆られています。

 染谷さんほど痛くはないにしろ、少しの痛さが甘さの中に共存しているような歌。私が千綿さんの歌にそんな要素を感じたからでしょうか。

 何はともあれ、千綿さんはこの日何度か、初めて出すオリジナルアルバムの宣伝をしていました。でも、まったく鼻につくこともなかったんです。それどころか、ぜひとも購入させていただきたい!そして、もっと千綿さんの歌に触れてみたい!そんな風に思える歌でした。

 

3.宮本浩二さん

 浩ちゃんですね()。はっきり言って、面白い方です。歌とMCのギャップが!だって、なぜかトークに笑えてしまうんですよ。宮本さんって。なんでなんでしょうね?

宮本さんのステージが始まったとたんに今まで以上の人が、ほとんど会場中の人たちが立ち上がって彼の歌を聴いていました。

 ちなみにこの日の宮本さんの衣装は、上はチラッとしか見えないんですが、中に白いブラウスでしょうか?白いシャツのようなものを着て、(ほんと少ししか見えなくて判別つかなかったんですよ。) その上に、くすんだような色をしたグリーンのジャケットを着ていました。下はジャケットよりもダークな色の、どちらかと言うと黒っぽい色のダークグリーン系のパンツです。

 

 ちなみに宮本さん曰く、去年はほとんどライブをすることなく、どちらかと言うと製作にかかりきりになっていたそうで。そのせいで、ライブ自体がすごく久しぶりだったそうです。でも、そんなこと微塵も感じさせないくらい素晴らしいステージを見せてくれました。千綿さん同様、この方の歌も今日初めて聴きました。

 歌のほうはほとんど痛みはなく、染谷さんから順に来て、徐々に痛みがなくなっていく、そんな印象を受けました。宮本さんの歌い方に対する私の感じ方が、そうさせたのかもしれません。すごくソフトなんですよ。撫でるように優しく、やわらかいんです。ふわりと包み込むようなイメージです。

 歌詞はあまりよく知らないし、その上、いつも歌詞を知らない曲を聴くときみたいに、歌詞を吟味するようにじっくりと聴くことができなかったのがとても残念です。もしかしたら、歌詞はわりと痛いのかもしれませんね。あんまりそんなこと感じませんでしたが。それも歌い方でカバーされているのかもしれません。でも、歌詞を知っていて、余計な概念がない状態で聴けたことはすごく幸せなことかもしれませんね。聴くということだけで、いろんな解釈ができますから。

 

4.黒田倫弘さん

 えっと、まず一言。宮本さんが面白いって言いましたよね、私。それを上まっています、この人(笑)。年末年始のライブでテンションがいい感じに壊れていたという話を聴いてはいたんですが、予想以上でした。どうしちゃったの、倫?と聴きたくなるほどでした。

 

 すでに恒例となりました!ミーコの衣装チェック!本日の倫のお召し物。上は白で去年のツアーの時に来ていた黒いブラウスの白バージョンみたいな、少し胸元にビラビラがついた感じのブラウスで、下は遠くて生地がよく見えなかったんですが、なんかベルベットっぽい素材の赤いパンツでした。(赤ってどないなんでしょう。)

 

 今まで倫のライブはワンマンしか行ったことなく、イベントと言う形で、複数の人と対バン形式で行われるライブで歌を聴いたのは初めてでした。くわえて、バンド形式ではなく、アコースティックバージョンで聴いたのも初めてで、初めて尽くしのライブでした。

 それで前に3人の人の歌を聴いていたせいか、倫の歌も、いつも聴くのと違った印象を持ちました。もしかしたら、BABIちゃんのギターだけだったり、それにBABIちゃんの弟さんのチェロが加わったり、はたまた染谷さんのピアノが加わったりと、いつもの音ではなかったからなのかもしれません。

 そして、ステージングの方も、定位置に座ってしっとりと歌い上げる歌あり、ステージ上を所狭しと歌いまわった上に踊りまくって動きまくっていた歌にと、いろんなタイプの歌を短い時間の間に精一杯歌っていました。

 倫のステージについては、また別枠を設けて、11曲レポしようと思いますので、詳しくはそちらをご覧下さい。

 

 最後に、今日のVOICEと言うイベントをすべて見終えて。

 

 アンケートにも書いたことなんですけど、ここまで個性がはっきりしていて、まったくタイプの違う歌を歌う4人のボーカリストの歌を一度に聴けるといういい経験をさせてもらいました。 

 曲だけは聴いたことがあったけど、生歌は聴いたことのなかった人。フライヤーで見て以来、一度歌を聴いてみたいと思っていた人。まったく知識がなく、どんな歌を歌うのかもわからない、未知の領域に足を踏み入れるような気持ちで、まっさらな状態で歌を聴いた人。歌を聴いたこともあったし、ライブも何度も行っているけど、初めて聴くスタイルに、新たな期待を抱いた人。

 こんな風に、聞く人ごとに、聴いてきた状況も、持っている知識もまったく違う中で、いろんな人の歌を聴く。とても面白いことです。ワンマンライブを見たことのない人がほとんどでしたけど、こうして対バンのライブで初めて歌を聴いて、その人の歌を知り、改めてCDを聴いてみたり、ワンマンのライブに行ってみたりしてその人のことを少しずつ知っていくのも面白いかもしれない。そんなことを感じたライブでした。ワンマンもいいけど、イベントや対バンも、捨てたもんじゃないです。なんせ、一度にたくさんの人の歌を聴けるんですから。いろんな音楽を知ることのできるチャンスです。ぜひ皆さんもVOICEに参加してみてください。楽しいこと間違いなしですよ。

 VOICE最高!


アンコール OF VOICE

 

 ステージが終り、一度はそでにはけた倫。しかしほんの5分くらいじゃないでしょうか。私が帰りの時間を気にしながらアンコールまで見ていくかどうか迷っているうちに再び倫がステージに姿を現しました。聴いていた話では、アンコールはスペシャルセッションなはず?あれ?アンコールはとりだった倫だけなの?と思っていたら、ステージ上で軽くMCを始めました。そしてそのまま一人ずつ他のメンバーをステージ上に呼び込んでいきます。

 メンバー編成としては、それぞれ歌以外に演奏していた楽器を担当していたので、P:染谷俊、G.:千綿ヒデノリ、同じくG.:宮本浩二、そしてVo.:黒田倫弘と言う感じです。(注:倫のところを一応Vo.としておきましたが、倫は歌しかやっていなかったのでこう書いただけです。皆さんそれぞれ歌っていましたよ。もちろんソロパートもあったし。)

 4人揃ったところで、真ん中を陣取っていた倫が,さらに代表してしゃべっていきます。「俺なんかが仕切っちゃっていいんですか?」と何度も言いながら(苦笑)

 しばらく他の3人に今日の感想を聴き、宮本さんが、親知らずのせいで顔が腫れていた時に、倫が宮本さんに会ってまさにその腫れた顔を見たと言う話やらしているうちに、話題はこのアンコールの場でやる曲の話に。

「リーダー、話してくださいよ。」

と言って宮本さんに主導権を手渡す倫。それまで何度倫が自分のところに主導権があることを疑問視するような発言をしていても、無視し続けていた宮本さんも、今度こそはすんなりと受け入れました。それには理由があるんですけど。どうやらここで歌う『新曲』は宮本さんが決めたらしいです。決めたと言うのはすごくポイントなんですけどね。『新曲』なのに作ったのではなく、決めたと言うのがね。

 宮本さんは『新曲』の楽譜を他の3人にメールで送ったらしいんですけど、誰からも返事が来なかったといってたいそう哀しんでおりました。

「普通さあ、そうやってメールが着たらなんか返してこない?」

 と言う宮本さんに他の3人も負けていません。まず千綿さんは、

「だってね、僕携帯で受信したんですけど、あれすごい量じゃありませんでしたか?10何ページも来ちゃって、送るのが大変で、途中で見るの止めちゃいました。」と主張。

 それに対して宮本さんも少し納得したらしく

「そっか、携帯で受信するとそんなになるんだ。」と軽く受け流していました。

 それに対して倫は、

「言い訳するわけじゃないですけど、僕、そのメール昨日見たんですよ。」

 な、なんですと!しかしこの後もう少し続きます。

「会社に来ていてね、昨日まで見られなかったんです。」

 するとすかさず後ろの方から染谷さんが、

「でも僕昨日だったかメール返しましたよ。」

と一言。

「そうそう。染谷くんからはメール返ってきた。」

 という宮本さんからも証言が出て、倫のせっかくの言い分も認められませんでした。しかし、みんなこんな状況で、その『新曲』とやらをしっかり演奏できるんでしょうか。自分が演奏するわけでもないのになんだか不安になってきていました。私。

 そしてついにはじまってしまった『新曲』。いったいどんな1曲なのだろうとドキドキしながら待っていると、出だしを担当した倫の第一声は、なんと!

「ナイナイナイ!恋じゃない!」

  え!えええええ!これって、あのシブガキ隊の『NAI NAI 16』じゃないですか!まさかこの曲が来るとは思いませんでしたよ。
 
しかも倫ってば、手が空いていることをいいことに、フリまでつけて歌うし。
2度目3度目の時は「ミヤサコです!」ってやリ出す始末。もうやりたい放題です。

 しかもこれだけじゃないんです。「ジタバタするなよ」っていう部分があるじゃないですか。あの部分で染谷さんが素敵な振りを見せてくれたんです。
というのは、「ジタバタ」のところで普通に指で十字を切って、そして「するなよ」のところで客席に向かって指を指すというものです。実際にシブガキ隊のメンバーがこういう振りをしていたのか知りませんが(苦笑)
 こうやって文字で書くとわかりにくいんですけど、またそのフリがはまっていて、もうメロメロです。ほんとそのフリをしてお見せしたいくらいです。

 2曲目は、去年も披露したというあの『ランナウェイ』がまた今回も歌われました。ここでもやっぱり倫のフリは変でした。あまりに変すぎて、自分の歌うところじゃないのに、振りで話題を掻っ攫っていきました。今日の振りキング(?)は文句なくこの人でしょう。
 ちなみにこの曲の時に、全員でターンする場面が
2度あったんですけど、このときも一人だけ勢いつきすぎたのか、2回転してしまって危うく歌の入りに遅れそうになったのも何を隠そう倫です。本当に面白い人です。これからも目が離せません。

 

 こんな感じで無事にアンコールも終え、VOICEは幕を下ろしました。
 しかしまだ
4人の男たちの旅は終わってはいません。今度はツアーと言う全国行脚の旅に出ることが決定しています。時は20032月末〜3月初め。今度はどんな物語を見せてくれるのか。きっとオーディエンスの期待を裏切らないステージを見せてくれることでしょう。今は男たちへの感謝の気持ちを胸に、新たな旅を待つことにしましょう。

 

written by Mikoto Kurosaki

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