□□□RECOMMENDS MUSIC ON JUNE 2003□□□
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Syrup16g -HELL-SEE- (album)
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前回の「delayed」のレヴューは、正直熱弁しすぎて、我ながら痛いです(笑)
ってなわけで、今回はもう少し冷静に行こうかなと。
まぁ、こう言ったところで、どうなるか知ったこっちゃねえけど。
今作もかなりキてる。ヤバすぎ。
ってか、分裂っぷり、破綻っぷりが半端ねえ。
語弊を恐れず言えば、曲の志向性は、
前作(超攻撃的)、前々作(アシッドフォーク的)の中間地点にあり、
美しい曲はより美しく、破壊的な曲はより破壊的にと、
華麗にヴァージョンアップを図っておられます。
そんでもって、相変わらず全ての曲に鬱々、もしくは殺伐、
さらには諦念を湛えた空気が通底しております。
で、やっぱり今回も歌詞の世界観がヤバすぎるわけで。
Voの五十嵐曰く、今回は言葉の自己検閲を排除したらしく、
より現実感を増した言葉が、どうしようもない日常を打ちぬいている。
で、それは曲タイトルにも、実も蓋も無い形で反映されてるわけで。
例えば「不眠症」「末期症状」「I'm劣性」
「ex.人間(元・人間の意)」「もったいない」「吐く血」
・・・そんじゃそこいらの神経持った奴なら、こんな言葉出てこねえよ。
「吐く血」なんて、モロに白痴とのダブルミーニングだし。
五十嵐は世界をどんな視線で感じているんだろう。
音楽やってる身として、その狂った感性が羨ましくもありつつ、
正直生きててキッツイだろうなぁとも思いつつ・・・
シロップの音楽は、鬱々としてはいつつも、
そこに決して、安易な悲しみは入り込んでいないと俺は思う。
そして、何より強調しておきたいのが、曲とメロディー自体は至極真っ当、
シンプルなロックで、それこそポップミュージックのエヴァーグリーンな存在として成立し得るものであること。
インスタントな感情を排除して、人に届ける為の音楽的クオリティーを達成しているからこそ、
余計にシロップの持つ、ある種キチガイ的な世界観は際立つし、
俺らリスナーへ、より実感を伴った作品として届くわけで。
しかしシロップさん、実は何気にこの1年間で3枚のアルバム発表してるんですよ。
っていうか、単純に唄っている内容のことを考えると、このペース、ヤバすぎねえか?
生き急ぎ過ぎてるんじゃねえか?と思ってしまうこともあるんですよ。
でも逆説的に考えると、感じた事があるから曲作って、唄って、
すぐ作品にして世に出して、そんな必然性がもしかしたら、このバンドに今あるのかもしれない。
正常を美徳とする世の中だけど、
じゃあ正常の定義とは何か?
世間的にはシロップの持つ感性はまともじゃないって感じだろう。
けど、人間なんてそもそも破綻してるし、分裂してる存在なんじゃねえかとも思う。
それを考えたら、右ならえで没個性がオールオッケー的な奴らの方がよっぽど狂ってるよなぁ。
ちょっとこりゃ詭弁じみてるかも。ちと論点ずれたな。
まぁ、早い話が、今んとこ俺の中ではシロップさんの音楽が一番信用できる音楽ってことです。
決してこのバンドは時代に対してのカウンターでも、時代の生んだ徒花でもなく、
必然性を持って世に出てきたバンドだと俺は確信してる。
あ、そーだ。
もう一つとんでもねえセールスポイントあったわ。
なんと!!
このアルバム、15曲入りで1500円!!ありえねー!!(笑)
インディーならともかく、メジャーでこの価格って有り得ねえ(笑)
この際、値段が値段だし、聴いて見てもいいんじゃないすか?
どっぷり65分、シロップ漬けになっちまえ(笑)
そして、やっぱり熱弁しちまった。痛いなぁ(笑)
まぁ、あれだ。それだけ俺的にシロップさんが重要なバンドだと言うことで。
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氣志團 -BOY'S
COLOR- (album)
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ごめんなさい、氣志團ちょっとナメてました。
なんでこんなに泣ける作品なんだろ。
団長・綾小路翔の抱える悲しいほどの業が、
この作品の中には、痛いほど詰まってる。
某音楽誌などで知ったのだが、
彼は自分がホンモノじゃない、別に音楽やロックに選ばれていない事を、
なにもそこまでと言いたくなるほど自覚してる男だ。
胸が張り裂けそうになるほど憧れている存在があるのに、
自分自身にそれになるための資格が備わっていないことを知った時の絶望感、
それを知っているからこその、裏打ちされた業だらけだ。このアルバム。
ホンモノに近づこうとしているけど、ホンモノにはなれやしない。
結局俺らはまがいものなんだという諦念。
だけどそのまがいものが、上質のエンターテインメントをこの日本に生み出している。
よくよく考えてみりゃ、こんな痛快な事もねえよなぁ。
氣志團は何故ヤンキーファッションなのか。
なぜ80年代、90年代初頭の音楽から、歌詞・フレーズなどを引用するのか。
しかも何でそこまで天才的なまでの引用なのか。
なぜそこまで、10代の甘酸っぱい気持ちを蘇らせるのか。
それはやはり、綾小路が音楽・ロックの洗礼を受けたその時代の風景を、
2003年になった今でも、強烈に心象風景として感じつづけているからだろう。
早い話が、前述の業だ。
まぁ、ヤンキーファッションに関しては多少なりとも戦略的な部分はあるだろうけど。
そしてまがいものであるという自覚、ここから氣志團の音楽が始まっているのではないか。
男なら誰でも持ってる「10代の青春の風景」
綾小路はとっくに過ぎ去ったあの日々の風景の中に生きている。
綾小路にとっては、あの時代が今になっても、リアルなものとして根付いている。
だからこそ、唄うことも「あの日の気持ち」「あの日の風景」になってしまうのも必然だし、
20代以上のリスナーには、曲によって甘酸っぱい気持ちと共に、失われた時間が郷愁となって蘇ってくるのだろう。
ある人は勉強だったり、部活や恋愛だったり、悶々としたセックスへの憧れだったり、不良という立ち位置だったり。
それぞれの「10代の男の子の青春群像」があった。
まさに「BOY'S COLOR」なのである。
この作品、少年性という忘れていた生理を猛烈に蘇らせてくれる、とても切ない1枚だ。
笑えるけど、そんなことを忘れるくらい哀しくて切なくて、素敵な1枚ですよ、これ。
まぁ、それでも笑えるとこは思いっきり笑えるんですけどねー(笑)
単純にエンターテインメントとしてもすっげえ上質だと思うし。
というわけで、色んな意味で今までちょっとなめてました、ごめんちゃい(笑)
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SADS
-Masquarade- (maxi-single)
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さ、今回最後はサッズであります。
まぁ、ゴタク並べるのもあれなんで、一言。
ラヴ・サッズ。
ホントねえ、俺があれこれ言うより、聴いてもらった方が早いわ。この曲。
簡単に説明するなら・・・・
・サッズ屈指の名曲誕生
・最近のメロディー重視の志向性を如実に反映
・マイナーキーのメロディーが、異常にワビサビ効いてる。俺やっぱこういうの好きだ。
・カップリング曲の2曲も同じくメロ重視。新境地的部分もでかい。
・全体的に日本の心を感じるわけで(かなり主観的感想だけど)
・こういう曲をカッコ良く鳴らせるバンドは強いと思う。
・清春、やっぱり屈指のメロディーメイカーですわ。
・That's「日本のうた」(勿論いい意味で)
・英二(Dr)、早く復帰してくれー!!
こんな感じ。
聴くべし。
否。
必聴。
☆このCDも必聴リスト☆
・SADS「13」(レビュー書くタイミング逃しちまった・・・後悔。激オススメ必聴盤)
・Syrup16g「COPY」(名曲、「生活」を収録)
・ART-SCHOOL「シャーロットe.p.」(「I HATE MYSELF」って曲がスゲエカッコいいし、グッとくる)