ブライアン・デ・パルマの映画世界


私と、デ・パルマ監督作品との最初の出会いは、私が思春期の、まだデ・パルマ監督の名前すら知らなかった頃、深夜テレビで「ミッドナイトクロス」の放送を観たことによる。あのクライマックスの、花火が上がる街の美しさと、女性が死に行く切なさが、妙にマッチして脳裏に焼き付いてしまった。でも、ここではまだ、監督の名前は記憶しておらず、その後も同じ監督作品とは露知らず「ボデイ・ダブル」「殺しのドレス」を観て感銘を受ける。

そして運命の出会いは起こった!!ある日の深夜、偶然テレビをつけた私の目に、突然、妙な衣装を身に纏った男が飛び込んで来た。その男は、音楽スタジオの様な密室で、やけに切ないメロディを、自らのピアノ伴奏に合わせて熱唱していた。その悲しい歌声には、妙におかしなフィルターが掛かっている。…そう、その時私が観た映像は、あの「ファントム・オブ・パラダイス」の一場面であった。そのあまりの衝撃に、映画の前半を見逃した私には、ストーリーがよく理解出来なかったにも関わらず、最後までテレビに釘付けに成ってしまった。その翌日、早速私はレンタルビデオ店に走り、当ビデオをレンタル、更成る衝撃を受けることと成る。

その後も「レイジング・ケイン」「ミッション:インポッシブル」「スネーク・アイズ」etc…素晴らしい作品を作り続けておられることは皆様も承知のことであるが、私の中ではやはり、今も尚「ファントム・オブ・パラダイス」がベスト作品である。