++コラム++
続 レコーディングのあれこれ 


前回のコラムにてレコーディングをした所まで書きました。今回は、その完結
編を書きたいと思います。
図Qは各パートのチャンネル配置です。MTRに8ch分入っています。
さて、これをどのようにミックスダウンするか・・・・。まずは一つのチャンネル毎
に反省点も含めて書いていってみましょう。

図Q
TEACのハイエイト デジタルマルチトラックレコーダー

 1.バスドラ
ドラマーの彼が持ち込んだ26インチのバスドラが良かったのか、マイクの距離が
良かったのか、とても気持ちのいい音で録れました。
ここで彼が言っていた理想の音の表現がとても印象に残ったので、書いておきます。
「バスケットボールに空気をキンキンに入れてボールを突くんですよ。その時の音
っていうのは低い音と高域の鋭い、正にキンキンとした音が一緒に鳴るんですよ。
そんな音です。理想の音っていうのは・・・。」

 2.スネア
チャンネル数の関係でハイハットの音もこのマイクで拾う様なセッティングとなりまし
たが、やはりハイハットとスネアは区別するべきですね。ミックスダウンの時には
ハイハットを若干奥に定位させ、スネアを前面に出そうというモクロミが簡単にやれ
なくて、イコライザーで調整するのに苦労しました。
(ハイハットを遠くに、スネアを近くに定位させる場合。 個々の音量を別々に操作で
きるのであれば、その通りに音量的に差をつけてやれば良いのですが、一つのチャ
ンネルに二つの音が混じっている場合、ハイハットは結構高い音域でスネアは中音
の高い方だから今回はイコライザーで努力してみました。という意味です。)

 3.左サイド
AKGのダイナミックマイクで録りましたが、やっぱりコンデンサーマイクのもんですよ
ね。次回チャンスがあれば、コンデンサーを使います。

 4.右サイド
こちらは前述のハイハットも拾えるようなセッティングにしたので、奥行き感を出すに
はダイナミックマイクでも都合は良かったです。
しかし、やはりコンデンサーですね・・・。
今回は、ドラムに関しては4chしか割り当てられなかったのですが、やはり6chは必
要ですね。 そうすると8chのレコーダーでは全然足りなくて、そうなると最低16ch
は要ります。・・・・16chは高いんですよねー!

 5.エレキベース
録音する時にdbxとEQにて既にかけ録りしてありました。再生時にもEQで心地よい
音に調整しました。
アンペグの歪んだ音も良かったんですが、クリーンなハイファイな音もgoodでした。

 6.エレキ・アコースティックギター
このチャンネルは何も加工しなくても、そのままでOKでした。
SM57で録ったのが良かったのか、マイキングが良かったのか?
EQもリバーブも沢山必要な単独使用でしたから、助かったです。

 7.リードギター
デジタルディレイ、リバーブ、EQ等、多用して惚れ惚れするような音に録れましたが、
残念なのは若干のオーバーレベルになってしまい、最後まで苦労しました。
手前味噌ですが・・いい音ですよ。ホント。
勿論ギターリストのナチュラルビブラートも綺麗なんです。

 8.ボーカル
やっぱりポップガードは必要ですね。反省点です。
チャンネルの関係上、二人のハモりをも、この1chに纏めて入れましたが・・やはり
別々のチャンネルにしたかったです。
掛け合いみたいな曲は1:1で、普通にハモる曲は6:4位にしたかったのですが、全
てに於いて1:1となってしまいました。
そしてマイクの距離も、その人その人によって違っていたりしてますから、レベルを
いじる前にどんな風に歌っているかをもっとよく観察していれば、もっとクリアーに録
れていたのに・・・と。 ここも反省点です。

さて、この8ケの音をいい具合に混ぜ合わせるのですが、前回のコラムの画像を見て
くださればお分かりの通り、あのシンプルなミキサーですので音色をいじってやろうと
すると、EQが要るのです。それも一つのch毎にひとつ。
そしてリバーブをかけてやろうとすると、同じくch数のリバーブがこれまた必要となる
のです。 その時、思いました。普通のミキサーであれば、各chの総てにトーンコント
ロールが付いていて、リバーブもセンドリターンが付いているから一台で済むんだよ
なー!と。 ・・ 苦労するなぁ〜  私。・・
そんな訳でEQは五台、リバーブは三台、リミッターは四台。
どうやれば上手く使えるかを何時も寝る前に考えながら、時にはなかなか寝付けなく
て目をしょぼつかせながら無い知恵を絞り出していたのでした。
今回のミックスダウンで大活躍をしたのは、図Rのソニーのマルチプロセッサーで、こ
れは 4IN 4OUT なんで助かりました。

図R
ソニー マルチプロセッサー

つまり、内部に四系統のプロセッサーが入っていて並列にも二台直列にも出来るという
優れものでして、並列の場合はリバーブが四台在るのと同じな訳です。
それと何よりも良かったのは音が良いということで、プリセットにも使えるのが沢山あり、
これまた私の宝物になってしまいました。

 アウトボード使用機材について
dbxリミッター、レキシコン マルチプロセッサー、BBE ソニックマキシマイザー、ベリン
ガー リミッター、ボス デジタルリバーブ、ソニー マルチプロセッサー、コルグ デジタ
ルディレイ、ローランド EQ、ベリンガー マイクプリアンプ(チューブ)←DIにも代用可
ボス デジタルリバーブディレイ
以上のアウトボード機材にて音質を加工してミックスダウンしたのですが、バックの演奏
と歌が馴染んでなかった部分やスネアの音色が最初に録った音より軽くなってしまった
部分を馴染ませる。または心地よくさせる等、苦労した処もありました。
ですが、楽しいものでした。
当初のコンセプト通り、クリヤーで分離のよい各楽器共、生き生きとした音に仕上がった
のではないかと思います。 勢いも良くなりました。

 **感想**
 
レコーディングが思いのほかスピーディーにやれたのは、ひとえに今回のメンバー三人の
演奏力の高さに拠るところが大きいと思います。
ほとんどTAKE3以内でやれたです。後で被せたリードギター、ボーカルにしても鮮やかな
もんでした。やっぱり上手い人は一発でキメますね。

私、長年オーディオのリペアーをやっているものですから、結構音には拘りがあったりする
んですが、今回使用したデジタルマルチは確かに音もよかったです。
しかし・・・何か音のしなやかさというものが足りないような気もしました。24bitでなかった
からでしょうか?確かにものすごくいい音なんですが・・・・。
もう一度、昔のオープンの16chマルチトラッカーなど手にするチャンスがあれば、是非
使ってみたいと思っています。

ファイナライズの時に3バンドEQとリバーブとリミッターを少しかけました。これも良かった
です。
それと実は、CD−Rは二枚ずつ 計(三人×各二枚)六枚焼きました。
音が良い元気なCD−Rと、アラが目立たない比較的大人しい感じのCD−Rです。
これにて、まずまず・・満足して頂けたことと思います。今後も今回の反省点を踏まえつつ
ハイファイなレコーディングをしていこうと思っています。

三人組の 上手いロック野朗の皆さん。 ありがとうございました。


戻ります