盲腸日記:第1話



第1話
5/26(金)

イントロが静かに、しかしそれとわかるように
流れ始めた日。
それが26日だ。

いつものように仕事。
昼食後、胃の辺りがチクチクと痛みだす。
たまに発生する胃炎か何かだろうと思い放っておくが、
どうにも痛みが引かない。

金をケチられ時間を削られ、欲しい物も買えずにいた
先月と先々月。
今月になってようやっと残業が入り、来月からは
マシな暮らしが出来ると思っていたのに。
多少無理してでも、残業だけはしていこうと思ったが、
どうにも嫌な予感がする為、諦めて定時で帰る事にする。

こういう時に限って、だ。全く。
帰りの電車が、ことごとくトラブっている。
K急線で人身事故。山手線も時間調整。座れず。
最後、地元の線に乗り換えるが、結局座れず。
バカそうなOLやら学生、だらしないだけの
サラリーマン共が、とりつかれた様にケータイを
凝視・操作している。
なんなんだテメェらは。カルトか。

とりあえず空いている吊り皮を探す。遠い。
不安定な姿勢にならざるを得ないが、無いよりはマシだ。
このまま地元まで、なんとか持つかと思ったが、思わぬ
トラップがあった。

後ろのオヤジがヒジを背中に当ててきやがった。
丁度、脇腹のやや上辺りにヒット。鈍い痛みが走る。
繰り返しヒジが来る。だんだんと、攻撃の意志を
露にしながら。

息が荒くなり、姿勢が崩れる。そしてヒジ。
「なぜ攻撃するんだ。勘弁してくれ」と思い振り返る。
オヤジも気配を感じたか、顔をこちらに向ける。

眉間に、シワを寄せていやがる!!!!!
自分が被害者だ、と言わんばかりのツラだ!!!!!

思いきり突き飛ばす。尻で。焦るオヤジ。いいザマだ。

痛みが酷くなる。前傾姿勢になる。息がさらに荒くなる。
だが、誰も俺を見ない。これが日本だ。くそったれ。

小雨の降る地元駅に到着。オンボロチャリで
まっすぐ家へ。

買い置きのカップ麺を流し込み、胃薬を飲んで寝る。
朝になれば、スッキリしているだろう。

〜続く〜


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