どれぐらいの時間が経っただろうか。
ベッドが止まり、指令室から出てきた彼女が管を抜いた。
「お疲れ様でした。全部終わりましたので
着替えて下さい」
ふらふらと立ち上がり、ステンレスの流しの前へ行く。
カーテンを閉めてケツを拭き、着替える。生きている
感じがしない。恐らく真っ青な顔をしているだろう。
着替えを終えて出てきた俺に、彼女がデカい茶封筒と
レントゲン写真数枚を手渡す。
「これを、外科の窓口に提出して下さい。
お疲れ様でした。薬は便と一緒に出ますので、トイレに
行きたくなったらそのまま出しちゃって下さい。」
拷問部屋からの脱出。
おぼつかない足取りで外科窓口へ行き、茶封筒と写真を
提出してソファに腰を下ろす。
頭の中は、未だにモヤがかかったような状態だ。
数分後、便意に襲われトイレへ。完全な液体だ。
さらに数分後、もう一度トイレへ行くが、またも液体。
相変わらず気分は優れないが、それでも多少は
落ち着いた。
安堵の息を漏らしたところで、俺の名前が呼ばれる。
今度は肺活量の検査だそうだ。
盲腸なんだろ?肺活量がどう関係あるんだ?
やや投げやりな気持ちで検査を受ける。
「これで精いっぱいですか?これだと
平均ギリギリですよ?」
下っ腹に力が入らんのだ!無理もないだろうが!
アンタもあの検査の後にやってみろってんだ!
再度やるように言われ、クソを漏らす覚悟でかます。
何がOKなんだかわからんが、とにかくOKが出た。
また外科窓口へ戻される。
このソファに座るのは何度めだろうか。
そして名前が呼ばれる。何回呼ばれただろうか。
もうどうでもいい。早く盲腸を切ってくれ。
外科診療室に入ると、コージーがレントゲン写真を
睨んでいた。
「ここに盲腸があるんですが、炎症を起こして大きく
腫れてしまっています。早急な手術が必要になりますが
よろしいですね?」
いいっつってんだろうが!!!
手術を承諾する書類にサインをし、拇印を押す。
やっとここまで来た。長かった。これで楽になれる。
最後に、隣の部屋で採血と点滴を受けるよう言われる。
またもや試験管5本分の血液が抜かれ、左腕に点滴が
セットされる。
手術着に着替え、点滴をぶら下げ、看護婦に付き添われて
俺は手術室へと歩いていった。
〜続く〜
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