2001/06/21 LIVE@ FAB

千綿ヒデノリCD発売記念イベント「唄会 第十一幕 "伝える"」

 

SET LIST

1-no more noise 2-金の星 3-宇宙

4- sympathy 5- アイタイ/キモチ 6- のち晴れ
 

 FABは細長い小ホールでライトが落ちると客席とステージはほとんど闇。こんなこと考えるのはおかしいのかもしれないが、客席にいるとなんだか映画に出てくるオーディション・シーンみたいに見えてくる。ぴんと張った空気の中、ステージの歌声とギターがものすごくストレートに客席に響く感じがね。this icのアコースティック・ライブは、私はLIVE&PARTYでしかほとんど見たことがないのだが、今夜はどんな感じ?ギターをやさしく鳴らしながら、じっくり歌声を聴かせてくれるに違いない、そう予想していた私。「じっくり聴かせてくれる」というのは当たっていました、確かに。これ以上無いというほどに。でも想像していたのとは全然違っていましたよ。どんな風にって?

大興奮のライヴでした!

アコースティック・ライブでこんなに興奮するとは思わなかった。

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 1曲目『no more noise』のイントロ・アレンジ、めちゃくちゃかっこいいなぁ。鮮やかな音の重なりがシャワーか虹みたいに降り注いでくる。また低音が気持ち良く体に響いてくるのだ。歯切れいいカッティングがオーディエンスのハートもかきならすぜベイベ、って感じ。そしてワイルドに輝きわたるイラミンの歌声。本日も絶好調、うっとりせずにはいられない素晴らしい声が、ラフなニュアンスで聴くものの肩や心を一気にほぐしてくれる。口パーカッションはじめとするヴォーカル・アドリブも炸裂〜。

 2曲目は『金の星』。アコギのプレイが心持ちいつもより明るい雰囲気である。からっとリズミカルにJAZZなテンポを刻む知念輝行君。この歌を歌う時最も甘いヴォイスとなる伊良皆誠君。今宵も一層スウィート&セクシー。ちょっとだけハスキーな語尾が残す余韻がホールいっぱい響き渡る。2つの個性が絶妙にミックスされてキラリと光る星一つ。 間奏で聴かせてくれた裏声アドリブ(なんと表現すればいいんですかね?)がまた、ぴたっ!とはまってギターと気持ち良く呼吸がからみあう。 そして1度目の間奏はさんで以降、知念ギターがどんどんノリのテンションを上げていく!ざわざわと気持ち良い波を感じる。ラスト深くしみる「今週末海へ行こう」の歌声と、とギターのしめがまたぴたり。1枚の美しい絵のごとく決まっていた。

 『宇宙』のイントロから激しく力強い知念ギター。っかっこいいっー!なんて言葉じゃ申し訳ない位だ。リズムの強弱、長短、ラテンな(?そんな感じがしちゃうんだけどどうなのかな)熱さをたたえた激しいギターの響きと共に、大きく大きく広がる力強い歌声。今まで聴いた『宇宙』の中で、最も印象に残る演奏の1つとなるだろう。この伊良皆ヴォーカルの迫力は、今日演奏された曲の中でもこの曲が最高だったと思う。「歌」というものの壮大さを感じさせてくれたのだ。後はもう、多彩なギターの波に飲み込まれて…。

 やさしく静かなアルペジオを一息はさんだだけで、続けて『sympathy』。かきならすギターの響きと、澄み渡る歌声。この曲でこの感じも新鮮。あぁ、どう表現すればいいんだろう? 透明感があるのだ。リキみなく、それでいて非常に強くて美しく、まっすぐだ。かきならされるギターは激しく、深く、音の重なりは鮮烈としか言いようがない。わきあがる高揚感に息が詰まりそう。知念輝行、ものすごいギタリストです。アコースティックライブでこんな興奮を感じたことはありません。鳥肌というより感動に心が震えている…と感じていた所、ラストのサビで弦(多分4弦?)が切れた。そういえば去年11月23日のライヴでてるぼーが弦を切った時も、こんな感じを受けるワイルドなプレイだった気がする。ご本人は否定しそうだけれど、弦を切っちゃう時の演奏の持つ「越えちゃった感じ」ってあると思う。(ま、なんでもない時も弦は切れるけどね)

 激しい2曲の後は、普段ラスト・ソングとして歌われる『アイタイ/キモチ』だが、MCの感じからして今日はまだラストではなさそう。そのせいか、この曲までもがいつものあたたかいやさしい雰囲気とは少し違って、すがすがしく毅然として聞こえる。ますます澄んでくるイラミンの歌声。てるぼーのプレイも、未だいさぎよく明るい。雨に降りこめられた街だからこそ、それを吹き飛ばそうと体内から沸き上がってくるパワーなのかな。 間奏のギターなんてまるで梅雨の晴れ間の太陽みたいだ。やさしく囁くような合唱で歌い終わると、間髪入れず『のち晴れ』のラテンなイントロのカッティング。そうだ、考えてみれば今日のエンディングに持ってくるとしたらこの曲以外に無いよね。熱くて優しい歌声は、すでに梅雨明けしたらしい石垣島と体内でシンクロしているみたいだね。気持ち良くおおらかに進め!と背中を押されているような気分にさせられる。…と、勝手に色々なものを受取ってしまう訳です。素晴らしい音楽というものは、心身を活性化させて色々なものをひきだしてくれるんですね。

 それにしても、てるぼーギターのダイナミックなメリハリ、厚みあるプレイはとにかくすごい!あのリズム感、即興的センス、すごすぎます!そして完ぺきな歌い手伊良皆誠。this ic、とてつもないユニットです。これほどまでのライヴを間近で聴ける私たちは、ものすごく幸運な贅沢者だと思います。嗚呼!来月はワンマン!!待ち遠し〜いっ!!!

 


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