不滅

 

生活感など微塵も感じさせない部屋…彼は壁にもたれていた。

出窓からレースのカーテンを通して、頼りない月光が注がれていた。

 

京は、部屋に足を踏み入れることができなかった。

彼の指先から漏れる、ギターの音色に、ただ魅せられていた。

 

何秒、何分、何時間…。

時間の感覚を綺麗に忘れさせてくれる旋律…。

 

僅かに香ってくる、彼の香水が心地よかった。

優しく寛大な香りが、彼をより一層美しくさせている気がした。

 

彼の視線は、京に気付くことなく、フレットを見据えたまま。

音に合わせ、黒く大きな瞳が微かに動く。

 

風の音、鳥の声すら聞こえない、静かな明け方だった。

耳を澄ませば、彼の息遣いさえ聞こえてきそうだった。

 

彼の肩を、菫色の髪の毛が滑り落ちる。

京は、息を殺すようにして、じっと見つめつづけた。

 

指が弦を擦る音が響く。

白い壁には、黒い影と淡黄の月光が揺れている。

 

柔らかな光が、彼の髪の毛に反射して鮮やかに色付いた。

どこか懐かしさを感じる旋律は、清流のように流れ続けた。

 

京は、この情景を忘れたくないと強く想った。

 

 

Fin...

 

 

 

 

 

*****作者のコメント*****

久し振りのDirモノでございます。薫様×京君って設定になってしまいましたね。

なんとなーく、デス。よく、、、わからん。。。

 

 

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