転生
気がついたら俺は、TAKEOの部屋の前に立っていた。
何故この場所へ来たのか、記憶が無かった。
なんとなく・・・ココへ来てしまっていた。
ドアが開く。
中からTAKEOが驚いた様子で俺を見ている。
TAKEOは顔を綻ばせ、言った。
「どうした?まぁ、とりあえず上がって・・・」
「お邪魔します・・・」
ちょうど良い温度と湿度に設定された部屋。
アイジは部屋に足を踏み入れると同時に泣き出した。
大きな涙をボロボロと流している。
突然訪問してきて、その上何も言わず泣き始めたアイジ。
TAKEOはどうする事もできず、ただ焦るばかりだ。
「たけおぉ・・・っ・・・ふぇ・・・・」
アイジが号泣しながら、TAKEOの胸に飛び込んだ。
「えっ!?何泣いてるの!?」
驚いた顔をしながらも、アイジの背中を優しく撫でるTAKEO。
涙を流し真っ赤になった目で、アイジが見上げる。
「だってさぁ・・・・・・・」
最近、色々な事が起こり、アイジの精神はかなり衰弱していた。
知らないうちに、アイジの精神力は限界を超えていたのだろう。
そして・・・一気に爆発してしまった。
「・・・アイジ?」
TAKEOは、そんなアイジを更にきつく抱き寄せ、額にキスをした。
「あぁ・・・もぅっ・・・・なんでっ・・・・・」
アイジが少しずつ口を開き始めた。
更にきつくTAKEOに抱きつく。
「・・・強い人間なんかいないんだよ?」
「んっ・・・わかってる・・・・」
自分の胸で泣きじゃくるアイジの髪を、ゆっくり撫でながらTAKEOが言う。
「それでも、いつもより弱くなってしまったら甘えればいいんだよ・・・」
「あ・・・ありがとっ・・・・ごめっ・・・なんか泣きそ・・・」
TAKEOの言葉から溢れる優しさが、痛い程に伝わってきた。
「泣きたいときは泣く。泣けるだけ泣いたらスッキリするし。ね?」
「っ・・・たけお・・・・・」
「ん・・・・・」
「なんでっ・・・・俺、泣きたくっ・・・ないのに・・・・どうしよっ・・・・」
自分が見えなくなってしまったかのように、泣きわめく。
そんなアイジの様子を、TAKEOは冷静に受け止める。
「・・・我慢することないよ?」
「わかんないっ・・・俺・・・・どうしてっ・・・・・」
身体と身体を密着させ、きつく抱きしめる。
「・・なんでっ・・・俺泣いてるの?・・・もぉ・・・わかんないっ・・・」
どこか遠くを見つめながらTAKEOが呟く。
「疲れてるんじゃない?・・・心が」
「・・・こ・・・ころ・・・が?」
ゆっくりと顔を上げ、アイジが尋ねた。
「
うん・・・長年つみかさなったのが溢れたんじゃない?俺もあったもん。わけわかんなくなって泣いてたコトが。」優しく、語り掛けるようにアイジの目を見て話をする。
「そぅ・・・・なのかなぁ・・・・っ・・おれ・・・だいじょうぶかな・・・」
涙で言葉を詰まらせながら、すがるような目でアイジがTAKEOを見つめる。
「大丈夫・・・俺が居るから・・・ね?」
「んっ・・・・絶対・・・側に居て・・・?」
「うん・・・アイジが俺を必要としなくなるまで・・・ずっと側に居るよ・・・」
「だったらっ・・・俺が死んで、生まれ変わって・・・で・・・また・・・・」
「何回、生まれ変わっても、顔も声も変わっても・・・俺はずっとアイジの側に居る」
「よかったぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
HIROの目から、大粒の涙が零れた。
さっきまでの不安でいっぱいの涙ではなく、安心でいっぱいの涙だった。
TAKEOの言葉が嬉しくて・・・凄く嬉しくて、ぎゅっとTAKEOに抱きついた。
“
ありがとう”という感謝の気持ちを込めて。アイジの体温を感じながら、TAKEOは更に言葉を続けた。
「
きっと、俺ら・・・前にもこうやって抱きあってたんだよ・・・だから、また出会えた・・・・」「そう・・・かなぁ?・・・・・記憶ないのが悔しいな・・・」
冗談混じりにアイジが言う。
「記憶があったら、面白味がナイだろ・・・」
つられてTAKEOも顔が緩む。
やっとアイジから笑顔が見れた。
「それも・・そうだけど、ちょっと気にならない?」
くすくすと笑いながらアイジが言う。
頬に伝った涙は既に乾いている。
「う〜ん・・・・・・・」
「ちゃんと・・・ハッピーエンドだったのかな?」
「さぁ・・・それはわかんないね。前世で結ばれないままだったのかもしれないし・・・」
「ん〜今世はどうなるんだろ?このままいったら・・・」
「どうだろう・・・」
抱き合ったまま、二人は考え込んでしまった。
ゆっくりとアイジが口を開く。
「ハッピーエンドは無理っぽいから・・・次は・・・」
二人を取り巻く運命は、あまりにも過酷で、一般的に幸せになるのは無理だった。
お互いの恋人の存在や、性別など・・・あらゆるモノが障害となっていた。
「そうだね・・・次は・・・」
「ちゃんと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
今までの様々な思いが、アイジの胸いっぱいに広がって、再び涙だ頬を伝った。
TAKEOも、アイジと同じように、今までの様々な想いが心に甦っていた。
TAKEOは、ありったけの言葉を振り絞って、言った。
「型にハマったハッピーエンドなんかじゃなくてもさ・・・二人で、ずっと幸せで居よう?それで、いいじゃん・・・」
「うん・・・・・・・・・・・・」
Fin
…
****作者のコメント*****
激甘TAKEO×アイジです。実はコレは私の実体験だったりします(爆)えぇ。私は役でいうとアイジ役になるんですけ
ど…ちょっと精神状態が不安定だった時に、起こった出来事を小説風にアレンジさせてみました。恥かしいっすね(笑)
ちなみに、台詞はほとんど弄っておりません…
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