小沢健二「毎日の環境学」(リライト)




最新作。


いやあ…、これはまた評価が分かれそうなアルバムですなあ。とっちらかって混沌とした音のあつまりをスーラの点描画のようなアートと受け取るか、単に居心地悪く受け取るか。


「eclectic」の音源を意識的に使いまわしてる遊びも、なんか肯定派と否定派にはっきり分かれそう。だって、意味あんのかどうか良くわかんないもん。ていうかああも露骨にやられるのは、ちょっと行き過ぎの気もするし。新しい命、というよりは「eclectic」の毒性ばかりが再びフィーチャーされて浮き立っているような気がして…。


でも、下手にいろんなことを考えて望むと、視野も心も狭くなってしまって、受け止められるものが受け止められなくなるような不安と憂鬱に駆られます。


まるで優秀な大学教授の論文を読んでいるよう。「わかんなきゃわかんないでいいよ」みたいな。むしろ「わかられてたまるか」的な。


HMVのレビューで「小沢は小山田になりたいのか」という戯けた記事が在りましたが、それは全くの見当違い。


小山田は音を集めてひとつのアートとして成立させますが、小沢は違った。


安定なんてものを乗り越えて、あやふやで曖昧な音の世界に成立したこの作品で、科学も世界も全ては壊れ物、っていうどうしようもない真理を僕たちに突きつけているような気がする。


とにかくこのアルバムは「冷酷」ですよ。ファンを甘やかさない厳しい一枚。


このアルバムで小沢健二のことが嫌いになる人もいるかも知れない。ついていけなくなるかも知れない。


それだけの火薬を詰め込んだアルバムだと思う。


…しかしどうでもいいけど、久しぶりにこういうレビューもののテキスト書いてんだけど、なんか妙に「成立」させようとしてる自分がいるね(笑)。もっと伸び伸びやってたと思うんだけどね、昔は。


それでも、まあいいや。レビューは真剣にやってなんぼだと思うし。


知らんけど。


追記

小山田と比べてどうするんだ。



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