BLESS

 

 

 

あ、黒田です。すいません、ちょっと頼みがあるんですけど。

あの、BLITZのLIVEビデオ、もう一本ダビングしてもらえませんか?

あれって、普通のビデオだと後ろ、時間空きますよね?

それで、夏野さん、もう一つ借りたいものがあるんですけど…。俺でも使えるビデオカメラってあります?

え?夏野さんが使ってるようなヤツじゃなくて、ホームビデオみたいなの。

ん…、ちょっと撮りたいものがあって。え?いいっすよ、自分で撮りたいから。

違う違う!!別に変なものとかじゃないですよ!

ちょっと…なんていうか、記録みたいなもの、かな

俺の、スタートラインだったから。だから、あのLIVEは、観てほしかったから…。

な、夏野さん!!なんで…?!。

…ん…。うん…。そう…。知ってたんだ…。そうだよな…。付き合い長いもんな…俺達とも。

そう、あいつに。

観にも来てくれなかった薄情な奴に。

分かってるんだけどね。自分の思う通りになんてできる事の方が少ないもんな。

うん。でも、だからちょっと意地悪してもイイかなって思って。

specialなオマケをね、付けたいんだ。

でも、ちゃんとLIVE観てほしいから。

あははは。そう!うん!

スパルタ?師匠ほどじゃないじゃん。きっと、俺達にはこんな関係が良いんだと思う。

…でも、ほんとうはコワイのかも…。

ああ、やだな。なんで夏野さんにこんな事話してんだよ、俺…。

…うん。そんな事言ってくれるから、俺、甘えちゃうんじゃない?

そう、怖いよ…あいつ、観てくれるかな…って。最後まであいつが観てくれるようなステージが作れたかな…って。

終わってfanの子達の声援も戸惑いも受けとめて、やっと自分の足でスタートラインに立てたと思ってるけど、満足のいく出来なんかじゃなかったし…。

分かってる。全部これからだから。次はもっとやってやるって、思ってるし。

うん。でも、今まで一番近くで見ていてくれた奴だから。俺の一番弱いところもバカなところもみんな知ってるから。

ん…。だからきっと、観てほしいんだ。今もバカなままだけど、あいつに恥ずかしくないシンガーでありたいから。

…夏野さんが撮ってくれた今までのLIVEビデオ。俺は、あいつの隣りでカッコ良かったかな?あいつに負けていなかったかな?あいつは…。

…うん。うん。…ありがとう…。

え?ほんとうに、いいですよ。カメラだけ借りれれば…。

ええ?ダメなの?直接普通のビデオテープには撮れないの?…そうですよ!…俺、歌以外はバカなんです!

どうしよう…。

…ばれてるなら、もういいかな…。誰にも言わないでもらえます?

じゃあ、お願いしてもいいですか?

あの…。歌ってるところを…。

曲?タイトル付いてないんです。できたばかり。…最近こんなのばっかですね。

うん。思いつかなくて。でも、そのままかな…。

タイトルは、《happy biathday》…

 

 

END