ブホブホ・セレクション


第7回
Eddie "Cleanhead" Vinson



Eddie Cleanhead Vinson/Old Maid Boogie  むらです。今日はこなさんが棚卸しで多忙のため、独りでブホブホセレクションをお送りすることになりました。今回御紹介するアーティストは偉大なるブルースシャウター、エディー・クリーンヘッド・ヴィンスンさんです! 艶っぽい正統派のアルトサックススタイルと、しゃくり上げるように歌う唱法がトレードマークのクリーンヘッドさん、日本ではあまり知名度は高くありませんが、40年代から50年代にかけて、ジャズとジャンプブルースの二つの魅力を兼ね備えた音楽で人気を博したグレイトなアーティストなのです。それではCDのライナーノーツや雑誌の記事をパクってバーチャルインタビュー形式でお送りしようと思います!

MULA「まずはプロフィールからお願いします」

Vinson「1917年12月18日テキサス州ヒューストン生まれだ。父親も母親もピアノがひけたからまあ音楽には理解があった家庭かな。」

MULA「サックスを始められたきっかけはなんだったんでしょう?」

Vinson「17歳のときにサックスを買ってもらったんだ。誕生日のプレゼントだったかな? すぐに先生についてレッスンを受けはじめた。だけど教則本をあっというまにやり終えてしまってね。あとは自己流だ。」

MULA「プロとして音楽活動をはじめられたのは?」

Vinson「1930年代後半から、地元ヒューストンのミルト・ラーキンのオーケストラに参加したんだ。メンバーにはイリノイ・ジャケーやアーネット・コブみたいな君の好きなブホブホなサックス吹きがたくさん在籍してたよ(笑)。そこで修行したあと、42年にラーキン楽団からジャケーらと共にクーティー・ウィリアムスのバンドに参加した」

MULA「デュークエリントン楽団やベニーグッドマン楽団に在籍していたトランペッターですね。」

Vinson「クーティーは僕をとても買ってくれていたね。シンガーとしてフィーチャーしてくれたし、アルトサックスでもソロをとらせてくれた。」 MULA「あなたの得意とする曲「チェリー・レッド」が生まれたのもその頃ですね?」

Vinson 「そうだ。あの曲は僕の好きなタイプの女について歌ったブルースだ。お前の大きな真ちゅうのベッドの上で俺を弾ませてくれ。俺をロックしてくれ、俺の顔がチェリーのように赤くなるまで。ってね(笑)。ブルースを唱う上で最も影響を受けたのはビッグ・ビル・ブルーンジーだ。クーティー楽団が彼と巡業に出た時仲良くなってね。」

MULA「クリーンヘッド(はげ頭)というニックネームはいつごろついたんですか?」

Vinson「当時若い黒人の間では、薬をつかって縮れた髪の毛をまっすぐのばすプロセスカットが流行していたんだ。だけどその薬の力がとても強くてね。使いすぎちゃって髪の毛を溶かしまったんだ。しかたないから残った髪も切って丸坊主にした。みんなおもしろがってくれたよ。「Hey Mr.Cleanhead!」ってね。」

MULA「45年頃独立して自分のビッグバンドを結成。マーキュリーやキングに録音を残しています」

Vinson「「キドニー・ステュー」や「クリーンヘッド・ブルース」なんかはその頃吹き込んだ曲だ。当時としてはけっこうヒットしたほうだと思うよ。だけどキングはワイノリーハリスやロイブラウンの売り出しに力を入れててね。結局いろいろなレコード会社を転々とすることになってしまった。」

MULA「50年代はジャズミュージシャンとの交流も盛んになりましたね。」

Vinson「僕のグループにジョン・コルトレーンがいたこともあったしね。マイルス・デイヴィスに曲を提供したこともある。「Four」「Tune Up」の2曲だ。キャノンボール・アダレイのリバーサイド録音にも参加したかな」

MULA「その後レコードを契約するチャンスがなかなかなかったようですが……。」

Vinson「でも活動は続けていたよ。67年にブルースヴィルから「Cherry Red」で再デビューしてからは、またいろいろな所で演奏できるようになった。70年にはジョニー・オーティスと一緒にモンタレー・ジャズ・フェスティバルに出演したりね。アメリカだけじゃなくヨーロッパにもツアーに出たしレコードも吹き込んだ。83年にはピーウィー・クレイトンと一緒に日本にも来たんだよ。」

MULA「見に行きたかったッス!」

 そしてヴィンスンさんは88年に心臓発作でお亡くなりになるのでした……。この独特のブルース・スタイルをもったアーティストのCDなのですが……手に入りにくいです。日本盤はほとんどありません。僕がもっているのは輸入CDで、57年録音の「Cleanhead's Back in Town」(Bethlehem)、44年から47年の録音を集めた「Old Maid Boogie」(CulturePress)「Mr.Cleanhead Steps Out」(Zircon blue)の3枚だけ。なんとも寒いリイシュー状況です。大手輸入CDショップでぜひ探してみてください! その際はブルースとジャズのコーナー両方をチェック!



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