シングル・編集盤等にしか入っていない曲

  1. Loving You Is Another Word for Lonely If You Let Me Stay (12")に収録
  2. Elevators and Hearts Wishing Well (12")に収録
  3. Wonderful World Wishing Well (12")に収録
  4. Sunday Jam (One Woman Man) Dance Little Sister (12")に収録 (CD Maxiには未収録)
  5. Heartbreak Hotel Dance Little Sister (CD Maxi)に収録 (12"には未収録)
  6. Greasy Chicken (live) Sign Your Name (CD Maxi)に収録
  7. Under My Thumb (live) Sign Your Name (12")に収録 (CD Maxi には未収録)
  8. Jumpin' Jack Flash (live) Sign Your Name (12")に収録 (CD Maxi には未収録)
  9. A Change Is Gonna Come (with Booker T and the MG's) サントラ Promised Landに収録
  10. Sad Song for Sister Sarah This Side of Love (CD Maxi)に収録
  11. Loose Variatios on a Dead Man's Vibe in C#m To Know Deeply(CD Maxi)に収録
  12. Perfumed Pavillion (The Motion of My Memories) Do You Love Me(CD Maxi)に収録
  13. She's My Baby Delicate (CD Maxi)に収録
  14. Survivor Delicate (CD Maxi)に収録
  15. Epilogue Neon Messiah (日本盤CD Maxi)に収録 (英米盤ならHolding On To Youに収録)
  16. Come To Me Neon Messiah (日本盤CD Maxi)に収録
  17. Right Thing, Wrong Way サントラ Beverly Hills Cop 3 に収録
  18. Angels Fly Because Holding On To You (CD Maxi)に収録
  19. Your Love is Indecipherable Holding On To You (CD Maxi)に収録
  20. I Really Want You Vibrator (CD Maxi)に収録
  21. Attracted to You Vibrator (CD Maxi)に収録
  22. ● ヴァージョン違い

  23. If You Let Me Stay (The Shep Pettibone Mix) 同名の12"Promoに収録
  24. If You Let Me Stay (Dub) 同名の12"Promoに収録
  25. If You Let Me Stay (Voice Version) 同名の12"Promoに収録
  26. If You Let Me Stay (live at Grammy Award 1988) グラミー賞でのパフォーマンスだけを集めたコンピレーションアルバムGrammy's Greatest Moments Volume II に収録
  27. Wishing Well (Three Coins In A Fountain Mix) 同名の12"に収録
  28. Wishing Well (The Cool In The Shade Mix)* 同名の12"に収録
  29. Dance Little Sister (Part 1+2) * Dance Little Sister (CD Maxi)に収録
  30. Dance Little Sister (Shep Pettibine 12" Remix) Delicate(日本盤CD Maxi)に収録
  31. Dance Little Sister (Live) Sign Your Name(ドイツ盤CD Maxi)に収録
  32. Sign Your Name (Live) This Side of Love (12")に収録 (CD Maxiには未収録)
  33. Sign Your Name (LSP remix) 同名のオーストラリア盤CD Maxiに収録
  34. If We All Get To Heaven (LSP Remix) 同名のオーストラリア盤CD Maxiに収録
  35. Rain (LSP Remix) 同名のオーストラリア盤CD Maxiに収録
  36. I Want To Know (International Lady) (Club Mix) (as Touch) 同名のCD Maxiに収録
  37. This Side Of Love (Extended Version) * 同名のCD Maxiに収録
  38. To Know Someone Deeply Is To Know Someone Softly (Upsetter Mix) 同名の12"に収録
  39. To Know Someone Deeply Is To Know Someone Softly (Dance Mix) 同名の12"に収録
  40. To Know Someone Deeply Is To Know Someone Softly (Samba Mix) 同名の12"に収録
  41. Rain (Live) To Know (CD Maxi)に収録
  42. Do You Love Me Like You Say? (Original Rude Boy Mix) 同名のCD Maxiに収録
  43. Do You Love Me Like You Say? (Phat Single Mix (Urban)) 同名のCD Maxiに収録
  44. Do You Love Me Like You Say? (Version Excursion Mix (Euro Mix)) 同名のCD Maxiに収録
  45. Do You Love Me Like You Say? (12" Mix (Masters At Work)) 同名のCD Maxiに収録
  46. Do You Love Me Like You Say? (Dallas Austin Master Mix (R&B Mix)) 同名のCD Maxiに収録
  47. Do You Love Me Like You Say? (Dope Beats) 同名のCD Maxiに収録
  48. Do You Love Me Like You Say? (Masters At Work Dub Mix) 同名のCD Maxiに収録
  49. Do You Love Me Like You Say? (Rude Boy Dub (Euro Club Mix)) 同名のCD Maxiに収録
  50. Surrender (MK Mix) 同名の12" Promoに収録
  51. Surrender (Brooklyn Mix) 同名の12" Promoに収録
  52. Surrender (Brooklyn Instrumental) 同名の12" Promoに収録
  53. Holding On To You (live in studio version from Modern Rock Live show, 1995)プロモのみリリースのライブオムニバズ盤Modern Rock Liveに収録

 

*注意 !! If You Let Me Stay (Hardline Mix)はアルバムヴァージョンと全く同じ!!

 

 Terence Trent D'arby(以下、TTDと略)のデビューは鮮烈だった。「PrinceのファンクネスにMicheal Jacksonの容姿」TTDはそういった売り出し方でデビュー当時にプロモートされた。実際、TTD自身も両者を意識した発言を繰り返した。さらには、TTDのデビューがアメリカ人であるにもかかわらず、イギリスであったことも鮮烈さを増すことにもなった。そういったプロモーション戦略のせいか、デビュー翌年の'88年から母国アメリカでもTTDはチャートを圧巻する。直接的には、'88年2月のグラミー賞授賞式でのパフォーマンスが火をつけた形になったのであるが、前記のような発言が人気急上昇の牽引役となったことは疑いのない事実であろう。
 このように、15年前のデビュー時のTTDは今のAlicia Keysばりの活躍をしていた。もしかしたら、インパクトはもっと大きいものだったかもしれない。しかし、今ではどうだろうか?TTDの名前は知る人ぞ知るというものになってしまっている。2ndアルバムの失敗後、それなりに持ち直した時期もあったが、デビュー時とは比べることは到底できないまま、95年の『Vibrator』後は沈黙期に入ってしまった。TTDを取り巻く状況のこういった変化は、決してTTDの音楽の変化によるものではない。ただ、TTDに対するマスメディアの持つイメージが変わっただけのことである。そう、もはやマスな存在ではなくなったのだ。この原因はどこにあるのか?様々なことが言われてきたように思える。デビュー時のプロモーションでPrinceやMichael Jacksonと比較しすぎたため、その後TTD自身がそのギャップに苦しんで空回りしてしまった、元々TTDには才能は大してなかった、現在のポップ・ミュージックがあまりに産業化・形骸化したためにTTDの音楽を理解できなくなってしまった、TTDは先を行きすぎた
などなど。
 いずれも当たっているようでいて当たっていない。ただいずれにも共通して言えるのは、そのどれもがデビュー時の売りだし文句から派生されるイメージの域を出ない指摘であるということだ。そのデビュー時の売りだし文句の中でもイギリスからのデビューという点がTTDを「アメリカの形骸化したブラック・ミュージシャンに対するまっとうな解答」というイメージにしていくのに大きかったのではないか?つまり、TTDは絶対善で'80年代のアメリカのブラックミュージックは形骸化した絶対悪であると。2nd以降のTTDを悪く言う人も絶対善と考えたものが間違っていたとの失望を露にしているだけで、TTDのミュージシャンとしての性質を見ようとはしていなかったように思う。そのまま、よく理解されない存在として消えてしまうのかと心配して何年も経った。しかし、つい最近、ニューアルバムが本当に久しぶりに届けられた。これを機にTTDのミュージシャンとしての性質が理解されることを期待したい。確かに、以前のアルバム、特に2nd以降ではTTDは多少なりとも自分のイメージを混同していた部分があった。しかし、このアルバムではTTD自身もそういったイメージにもはや混乱はしていない。だから、我々リスナーにとっても、もはや、デビュー時の売りだし文句は賞味期限の切れているといってもいいのではないか?
 前置きが長くなったが、TTDのミュージシャンとしての性質を見る上で、アルバム未収録曲は何らかのヒントになるといってもいいだろう。まだアルバムを5作しか発表していない割にはオフィシャル化されてる未収録音源は多いと言っていいだろう。さすがにその全部を紹介するわけにはいかないので、以下では、いくつかの特徴的なトラックを紹介しようと思う。まず、明らかにTTDの性質の一つとしてあるのが、ソリッドなR&Bミュージシャンとしての姿であろう。6,7,8,30といったLive Trackでは、明らかにロックの曲をカバーするにしても明らかにソウル以後の黒人音楽とは異なる、古典的R&Bの味付けがなされている。しかし、ただの焼き直しでは決してない。ロックが登場した後、その原型となったR&Bをどう蘇生すればいいのか?これらのトラックはその問いに答えるべく行なわれた演奏である。ロックを育て、かつ'80年代には黒人音楽の発掘が盛んであったイギリスで、このようなTTDがまずバカ受けしたのは必然であったのだろう。同じことは9などのスタジオ録音のカバー曲でも言えることだ。この曲はR&Bというよりも、もうソウル時代に入ってからの曲であるが、非常にR&Bっぽい。バックにBooker T and the MG'sを使っていることからもわかるだろう。こういったテイクは未収録曲のなかでも楽しみや発見が多いものだろう。
 それに対して、TTD自身の作曲による未収録曲はわりと地味なのが多い。アウトテイクというより、アルバムのコンセプトが出来る前に作った小品というのが多いのではないか。そのため、後になって別のアルバムが出た時にああ!あの未収録曲はそう言う曲だったのか!という意外な発見をすることがある。いくつかの曲についてコメントすると、10は恐らくTTD自身のピアノだけで進行するインスト、割と短調であるが変に印象に残る曲だ。未完成のまま出したという印象が残る。13は3rdに入っているような典型的TTD流のトラックでファンなら入手する価値あり。14はアコースティック・ギター一本にTTDが歌いこむ必聴トラック。未収の中でもbestの方だろう。15はその名の通り、アルバムの最後にちょこっと入れるつもりだったのか? 催眠効果がありそうな…これも小品です。16は打ちこみドラムを用いたもので割とTTDにしては珍しいものか。17はなんとジャム&ルイスによるプロデュ−ス!であるが、完全に彼流のR&Bになっていて必聴。近年、入手が難しくなっているので注意。ヴァージョン違いではWishing Wellの別ヴァージョンである27に注目。ベースラインを小気味よく強調することで、この曲の持つクールでファンキーな面を強調している。はっきりいって個人的にアルバムヴァージョンより気に入っている。この曲の別な魅力を引き出すことに成功していると言えるだろう。
 以上説明したのはあくまでの目立ったものだけ。いずれにしても、すべてコレクトするにはそれなりの覚悟が必要だし、一聴しただけではわからない魅力があるものも多々あるのでそういう意味でも根気がいる。皆さんの健闘を祈ります(笑)。

 

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