Swings in Tokyo/Robert Jr.Lockwood(執心音源:2000.11.04)

| 人は必ず歳をとります。齢を重ねるともいいます。ええ。まあ、10代のガキンチョだった頃はねえ、もう30歳なんて言うとものすごく『おやじ』に見えたわけでして(笑)、己自身がその30歳を既に飛び越してしまっている現在、いやあ、つくづくと『かっこいい年寄りになりてえなあ』って思ってしまいますよね。うん。酒呑みながらさあ、『ふうっ』ってため息ついたりしながらさ、カウンターの隣り合わせで飲んでいるじいさんの横顔見ながら、本当にそう思うもんなあ。。。 ってな事をですね、まあ、改めて考えたりするのも、こんな音源と一緒に時を過ごしているせいなのかもしれませんね。 ということで、今回の執心音源はロバート・ジュニア・ロックウッド翁。まあ、リスペクトをこめて『おじいちゃん』って呼んでいるわけですが(笑)、そんなおじいちゃんのライブ音源『Swings in Tokyo』を語りましょうか。 さて、タイトルにもありますように、この音源はライブ・イン・ジャパンでありまして、今をさかのぼること5年前ですね。95年の『パークタワー・ブルース・フェスティバル』でのライブの模様をおさめたものでございます。と、いうことはですねえ、今年85歳のおじいちゃんが80歳の時の演奏ということになりますですねえ。『はああぁぁぁぁぁぁああぁあ。。。。』って、深い深いため息とともに驚嘆を禁じえないわけですが。ねえ、みなさん。自分の周囲の80歳ってどんなん?当然、一概には言えないわけですが、この80歳はかなり『イケテル』といわざるを得ませんよね。80歳だもの。三十路半ばの私なんて、もう、ヒナ状態ですからね(笑) そう、ロックウッド翁といえば、ブルースファンにとっては『女房を質に入れてでも!』って言うほどの名盤『ブルース・ライブ』っていう音源がありましてね。まあ、改めて紹介しようとは思いますが、それも、日本での録音だったんですよね。そちらは74年の録音で、まあ、そのライブの内容があまりに素晴らしく、それによってこの国、日本にブルースが定着したとも言われている名公演&名盤だったわけで、そんな経緯もあって、ロックウッドの存在を日本のファンはとても大切にしているという雰囲気があります。いやあ、まじでいい音源なんすよ『ブルース・ライブ』 まあ、そんな想いっていうのは、少なからずロックウッドにも届いているのでしょうかね?彼のキャリアにおいて2枚目(正確には、先の74年ライブ版の続編が製作されたので3枚目)のライブアルバムが日本で録音され、日本人スタッフの手によりプロデュースされ、世に出ることになったわけです。ああ、もうこの段階で既におやじたる私は涙腺ゆるんでるわけですが(笑) その内容についてはですねえ。う〜ん。一言で言えば『枯れてる』いやいや、誤解しないでいただきたいのですが、良い意味で枯れているわけです。『仙人、ブルースを爪弾く』まあ、私ならこういうダサいコピーでも付けましょうかねえ。ただね、枯れるっていうのは難しいと思うのよね。特にブルースを演ることにおいてはね。どうしても『生臭い』感情が滲み出てしまうでしょう?それこそがブルースの素顔のひとつでもあるわけで、醍醐味ともいえるかもしれないのですがね。 まあ、『ブルース・ライブ』を聴いたときも『枯れてる』って、思いましたけども、いやあ、甘かったですね。はい。これに比べると『ブルース・ライブ』ですら生臭い。 この音源で聴くことのできるおじいちゃんのブルース。悲しみも憎しみも妬みも欲望も。。。そんな煩悩を修行っていう名のもとに内面に封じ込めて、したり顔している生臭坊主の説教ではなくってさあ、いろんな煩悩にさんざん振り回されて、それでも80年も生きてきた一人の人間が、だからこそ『さらり』と語ることのできるお説教?そんな感じが、私にはします。はい。 トレードマークとも言える12弦ギターをジャジーに爪弾きながら、『えっぶりでぇい♪』って、ちょっとたどたどしく歌いだすその瞬間、あなたは仏を見ることになります(笑)まあ、あれだ!若い人には無理にはお勧めしませんけどね。うん。この良さが染みるってことは、あなたも既にお年寄りってことかなあ。。。 まあ、あれだ。疲れた夜なんかはね、この音源を小さ目の音量で流して、ゆっくり目をつぶってしまうっていうのがいいと思いますね。ええ、おやじですし(笑)まあ、そのまんまお迎えが来てしまっても、それはそれで。。。 |