ymb-logo.jpg がんじがらめ/The StreetSliders



正直、彼らについてはうまく表現なんかできっこないっつうことで、自分のサイトで取り上げるということに二の足を踏んでいたんですね。まあ、『溺れる』という言葉がありますが、文字通り<溺れるように>その音に、立ち振る舞いに、少ない言葉に、大袈裟ではなくミュージシャンが発するあらゆる要素を追い掛け回すようにして接したのは後にも先にも彼らだけなんですね。

日本にもさ、<ブルースが好きな>ミュージシャンは大勢居ると思うんですけどね、<狙ったわけでもないのに>ブルースを感じる音楽を奏でることが出来るのは私の知る限り彼らしか居ないんだよね。まあ、そんな理屈っぽいことは最近になって思うようになっただけで、高校生のガキんちょの頃に初めて彼らを知ってから、今現在に至るまで、彼らを語ろうとするときに使ってしまう一貫した形容詞はただ一言、<かっこいい!>

もともと、米軍基地の米兵相手にストーンズやオールドR&Bを演ってきた彼らだけに、自然に繰り出される彼らの音の根っこには常にブルースの匂いがこびりついている。ただ、彼らの音楽を<ブルースっぽい>という次元から、より生臭い場所に引きずり下ろしているのは、ハリーの言葉。

こう言っては、元も子もないんだけどさ、教科書英語しか、いやいや正確にはそれですら身についていない私なんかに、例えばハウリン・ウルフやオーティス・ラッシュの<ブルース>が理解できているはずはないんだよね。ブルースが心情を吐露するものである限り、言葉の理解無くして本質に近づいているわけはないんです。そういう意味では、<耳ざわり>としてのブルースを好きとか嫌いとか、いいとか良くないとか、薄っぺらにしか聴けていないんです。いやいや、自嘲してるんですけどね。

表現がおかしいけれど、ブルースの本質に触れる?そういうのに憧れにもちかい感情を抱いたりしするんだよね。

例えば、場末のジュークで、名も無いシンガーが歌うブルースを聴いて、涙を流す黒人が居る。ブルースに心を掻き乱される。平常では居られなくなる、そして叫ぶ。<もう、やめてくれ。。。>
実際にそういうシーンが、今でもあるのか?という疑問は置いておいて、日本人たる自分には、<それは無理でしょ>って思っていたんだよね。

泣くことも、叫ぶことも、しなかったけれど。<音楽に、歌に、心を乱されることが>ある。ってことを私に教えてくれたのがThe StreetSliders

ブルース、R&B、そして日本人に琴線に触れまくる湿り気のあるメロディライン。何よりもハリーの言葉。slidersにとって2枚目のアルバムであるこの音源には、日本人でもわかるブルースと日本人にしかわからないブルースが同居している。


  1. Tor・Lit−Tone(踊ろよベイビー)
  2. So Heavy
  3. (Nobody Can)Catch Me
  4. とりあえず、Dance
  5. 道化者のゆううつ
  6. Tokyoシャッフル
  7. 鉛の夜
  8. Dancin’Doll
  9. マンネリ・ブギ
  10. Slider

EPIC/SONY 32・8H-93



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