温故知新
80年代普通に聴いていたはずなのに、いつの間にか「懐かしい」存在になってしまったアーティストのうちで私がいまだに愛聴しているものに対する個人的レヴューをつらつら書いていきます。ネタ切れを防ぐためにここの更新は超スロー・ペースで行います(笑)「こんなんメジャーやんけ!」というツッコミは勘弁してください。事実誤認、また最新情報などがある場合は教えていただければ幸いです。なんせCDと記憶とネット調査だけに頼ってますんで…| ■シャーク・アイランド/SHARK ISLAND 「ロウ・オブ・ジ・オーダー」(LAW OF THE ORDER) | メンバー:リチャード・ブラック/Vo. スペンサー・サーコム/G. クリス・ヘイルマン/B. グレッグ・エリス/Ds. | 80年代半ばから末期にかけアメリカを席捲したヘヴィ・メタル・ムーヴメントの中核を成していたロスアンジェルス出身のバンドたちの中で、私が今なおこだわり続けているバンドのひとつ。70年代末にSHARKSの名で活動を開始し82年に"ALTER EGO"、86年にバンド名と同名のアルバム("SCHOOL BUS"という説もあり)を自主製作で発表したほか、メジャー・デビュー直前にプロモ用のライヴ盤"LIVE AT THE WHISKY"をリリースしている。当時やはり一(いち)L.A.ローカルであったガンズ・アンド・ローゼズをサポートに従えてライヴを行い、リチャード・ブラックがアクセル・ローズにパフォーマンス面で多大な影響を与えたというのは有名な逸話。しかし結局メジャー・レーベルから出したのはこの「ロウ・オブ・ジ・オーダー」一作だけで、90年8月には来日公演を行いその次の作品はデモまで完成していたにもかかわらず(日本でも一部の業界人にコピーが来ており、なかなか評判は芳しかった)、結局96年に解散してしまった。それぞれのメンバーは未だ音楽から身を引いておらず、リチャードによるBLACK13、クリス・ヘイルマンと元ゴーゴーズのメンバーによるプロジェクトなどの活動が見られるためシャークスとしての復活に期待したい。
リチャードの声がクセのある、人によってはダミ声とも感じられるものなので、ひょっとしたら朗々と歌い上げるタイプのヴォーカルが好きな人には合わないかもね。でもこれがスペンサー・サーコムの渇いていながら扇情的なギターと絡み、妖しくもどこか哀しさの漂うシャークス・サウンドを醸し出す大事なファクターなのだ。敢えていうなら、この作品を聴いていると感じるのは「背徳」ってヤツか。アブノーマルって程ではないけれど(「ナインハーフ」みたいな感覚といったらわかるかな?)、姉妹の両方とデキちゃう"Get Some Strange"とか、テレフォン・セックスの描写ともとれる"Paris Calling"とか、なんだかゾクゾクっとさせられる。サンセット・ブールヴァードの華やかなネオンの陰に潜むものはなんだろう…?と覗きこむうちに引きずり込まれてしまったというところ。陽より陰に魅かれるネジれた性癖の持ち主である私が惚れこんだのは当然至極のことであった。L.A.といっても広く深い。ラットやモトリー・クルーばかりではないのだ。 |

Epic Sony(USA) EK 45043 廃盤