夏の涙
夏の涙






わーい!明日から夏休みじゃ!
ちゅうことは明日からみゆきがうちんちに泊まりにくるってことじゃん?
あ〜早よ会いたいわぁ!父さんも母さんも兄ちゃんもおらんし!自由じゃー!ウキウキウキウキ!

はしゃぎまくる私は広島に住む高校2年生・のぞみ。
私はバスケ部のキャプテンで周りには楽しい友達ばっかり!毎日が楽しくてしょうがない。
今年の夏休みも遊んで遊んで遊んで遊びまくってやる!オー!!


ピンポーン♪
「はーい!」
おっ!みゆきがついに来たんじゃ!
ガチャ。
ドアを開けると遥々静岡からやってきたイトコのみゆきがいた。
しかし…みゆきはソワソワしていて何だかいつもと様子が違う。
「みゆき何しょん?早よ入りんさいや。外は暑いじゃろ?」
と私が催促すると
「のんちゃんさぁ今彼氏いるっけ?」
「えっ。おらんよ。半年前に別れたって言うたじゃん!覚えとらんのん?てかええけん中に入りって!」
「あのさぁのんちゃんのことを気に入ったって言う男の人連れてきたんだけど…会ってみてくれないかなぁ?
そこの公園で待ってもらってるんだ」
ナニナニ?何ね?この急な話は!
とりあえずみゆきに状況を詳しく説明してもらった。
みゆきの話によるとぉ…

「あたしね、広島まで新幹線で来たんだけど新幹線で隣の席の人とすっごい仲良くなったのね。
話をするうちに‘何で広島に行くのか?’って話になって…えっと…えぇっと。何だっけ?」
出た出た!みゆきの悪い癖が!
こいつ、まだ17歳のくせに物忘れが激しいんよねー↓ついさっきの話じゃろーが!まったく!
そうそう。去年もうちに泊まりに来たんじゃけどそんとき何を忘れてきたと思う?
ほんまに信じられん物を忘れてとんじゃけ!そりゃあもう呆れたわ! 何でそんなもんを忘れたんか!?ゆうかんじ。
…ま、みゆきが何を忘れたんか、あたしも忘れてしもうたんじゃけどね!てへっ!
それはいいとして…みゆきの話を続きを聞かにゃ!
「それで?それで?」
みゆきに催促した。
「えっと…何だっけ?あっ!そうそう!思い出したよ!」
「もう!遅いわ!早よゆえや!」
「ごめんごめん。それでね‘私は今からイトコの家に泊まりに行く’ってなってのんちゃんのこと話したのね。
のんちゃんの性格とか失敗話とかいろいろ。で、プリクラ見せたの。ほら、春休みに撮ったじゃない?
あれあれ!そしたらその男の人が‘のんちゃんに会いたいわぁ!会わせてくれん?これも何かの縁じゃし…すごい気になるんよね。赤い糸かの?’って言い出してね。
最初は一応断ったんだけど断りきれなくて…」
あらま。
「みーゆーきーちゃーん☆自分が何したかわかっとるよねぇ?」
私の怒りは富士山が噴火してしまうくらいのものだったが敢えて優しく問い詰める。
「だって…」
おっと!みゆきちゃん言い訳かい?
もしその男の人が強盗犯じゃったらどうするつもりよぉ?
「‘だって…’何よ?言うてみんさいや!」
「だってねその男の人ね…ヒックヒック」
「泣いてごまかすなぁ!てか泣くフリすんなぁ!」
「あっバレた?」
「バレるわ!あほ!その男の人がどしたんよ?」
「聞いて驚かないでよぉ!ナント!その男の人はポルノグラフィティの昭仁さんだったのよー!
すごいでしょ?あたし大ファンだから会えて話せただけでも幸せってかんじなんだけどね。
まさかのんちゃんのこと好きになるなんてねぇ!おっと喋りすぎた!」
あたしの思考回路はストップ。まるで停電したみたいに目の前が真っ暗 になった。
ついでに頭ん中は真っ白。
「ちょいちょい!今何ってゆったん?ようわからんかったんじゃけど…もっぺんゆって」
「だ☆か☆ら。要するに今ポルノの昭仁さんが来てんの!あたしと友達になって、のんちゃんに会いに来たの!
わかった?この幸せ者〜!ヒューヒュー♪じゃあ昭仁さん待ってもらってるから連れて来るねー!待ってて!」
……犬の〜おまわりさん。困ってしまってワンワンワワーンワンワンワワーン♪
あたしの大ちゅきな昭仁さんが?いや!そんなんほんまに来るわけない!
これは夢じゃ。夢を見とるんじゃ!オイ!あたしよ!起きろー。起きろーい。
一応ほっぺをつねってみる、が、、、痛い。
ま、まさか現実??あっ!わかった!
ポルノグラフィティの昭仁さんとか言いながらほんまは‘ポルノグラフイティックの昭彦さん’だったりして。
うん、きっとそうじゃわ。くっそー!昭仁さんだと偽って女の子をだましとるな!昭彦め!あたしはだまされんぞ!
ここに来たら空手で追い払ってやる!空手やったことないけど。かかってこーい!!


「こんにちわ〜」
おっ!昭彦め!のこのこと来やがって!このパンチで退治じゃい!
「あっ!のんちゃん?初めまして!岡野昭仁です。えーっと…」
と昭彦さんは恥ずかしそうにしながら後ろにいるみゆきを見た。
みゆきはガッツ石松のようにガッツポーズをして見せた。
「よし。えーっと‥これから二人で御飯食べに行きませんか?
ほんと突然で悪いんじゃけど…わし、のんちゃんと話がしたいんよね!…ダメかの?」
くっそー!昭彦め!広島弁までマスターしやがって!てめぇ!どこ出身なんだよ!?
「ダメです!あたしはポルノグラフィティの昭仁さんとなら御飯食べたいですけど昭彦さんとは食べたくありません!」
フッ☆決まった☆ざまぁみろ。
「昭彦さん?それ誰?じゃけ、わしが昭仁なんじゃけど」
「いいや!あなたは絶対昭彦さんです!昭仁さんじゃないです!
もしほんとに昭仁さんなんだったら証拠見せて下さいよ!」
「証拠?いやぁ刑事みたいに‘ポルノです’っていう手帳なんか持ってないしのぅ…証拠ねぇ…」
と昭彦さんは一生懸命に証拠になりそうな物を探し始めた。



1時間後、
「証拠って何があるじゃろうのぅ?えぇっと…」
ここでやっとみゆきが口を開いた。
「昭仁さん!のんちゃんは昭仁さんが大好きだから昭仁さんがの んちゃんの目を10秒見つめるだけでのんちゃんは本物だっていうのがすぐわかると思いますよ!
じゃ、あたしお腹ペコペコだから御飯食べに行ってくるね!のんちゃん、またあとでね〜ばいばい」
と言うとみゆきは歩いてどこかに行ってしまった。
「あ〜なるほどね!早よ言うてくれんと!わし1時間も何しょったんじゃろ!」
というとあたしの頭をガシッと持ち…

1、2、3、4、5、6、7、8、9、10。

「わかった?のんちゃん?わしが昭仁よ!あー恥ずかしかった!」
「……ヒックヒック」
あたしは涙を流していた。
あたしのハートから溢れ出た沢山の気持ちが涙となって出てきたんだ。
抑え切れなかった。
「あ〜泣かんといて!わし女の子の涙に弱いんよ!」
「…ごめんなさい。けど…けど嬉しくって…」
昭仁さんは
「もう泣かんでええんよ?これからはわしがずっと傍におっちゃるけ ん」
そう言ってあたしが泣く止むまでずっと頭を撫でてくれた。

あたしは今幸せです。


PSこの出会いがきっかけとなりみゆきは後に晴一さんと付 き合うことになりました。