サボテン





あれからどれくらいの月日が経ったのかは定かじゃないけど、心の傷はまだ癒えなくて。

君と出会ったのは偶然なんかじゃないって今でも信じてる。

だって、あんなに愛した人は君しかいない。今までも、そしてきっとこれからも。



あの日、外では雨が降っていて。窓辺のサボテンもなんだか憂鬱そうに見えた。

僕はまるで愛することを忘れてしまったようで。

慣れあいのせいか、いつか愛をささやく事もしなくなって。

そして、当然のことのように僕らの関係は崩れた。

君は僕より愛してくれる人を見つけたんだね。

偶然街で見かけた2人は幸せそうで。

その時僕は1人、雨に打たれたまま泣いていた。

頬を伝うシズクが僕から溢れたものなのか、どんよりとした空から溢れたものなのか

・・・それは僕自身にも分からない。

思い出した。まだ君と出会って間もない頃を。

『会いたい』なんて言えないから、映画に誘って。一緒にいられるときが、かけがえのないものだったはずなのに。

今日も止まない雨の中、君は幸せにしていますか?





君がいつも聞いてくれた僕の未来のいくつかは、本当になったんだよ。

TVに映る僕は君にどう見えている?

あの頃より僕も大人になって、がっかりしてしまっているかい?

喜んでくれたらいいんだけれど。

あれからもずっと、このGuitarを放さずにいたんだ。

いつでも君が見たら、僕だと分かるように。僕自身が、僕を見失わないように。

TVで僕を見かけたら少しは思い出してくれていますか?

僕と過ごした時を思い出してくれていますか?




君がいなくても、季節は変わって。

また今年も冬がやってくる。

いつか会えたら・・・。

僕はそう思って生きて行く。

この広い世界で何万何千の人がいようとも。

何年経っていようとも、たぶん好きだよ。

いつか、会えたら。