Brian May Fryer Purple Maze
Distortion Pedal
By Shiro
パープル・メイズのアイデアはフライヤーさんが1998年にブライアンのスタジオで働いていた時、ブライアンが何度かジミ・ヘンドリクスについてフライヤーさんに語ったことにあります。ブライアンはジミ・ヘンドリクスのプレイとサウンドが大好きで「ジミのサウンドを再現できるペダルがあれば素晴らしいと思わないかい?」とフライヤーさんに言っていたそうです。そのため自身もジミのファンだったフライヤーさんは“ジミのサウンドを再現できるペダル”の開発について考え始めたわけです。フライヤーさんによればブライアンは大変なジミのファンなので、マーシャルのあるアンプを長年購入したいと考えていたそうなのですが、そのアンプのオーナーがどうしてもブライアンにゆずってくれなかったそうです。これはとても昔のこと、1971年から1972年頃、ブライアンがロンドンのとあるスタジオでリハーサルをしていた時のことです。当時ブライアンは勿論ヴォックスを愛用していたのですが、ある時期からブライアンはこのある特別なマーシャルをリハーサルで使い始めたそうで、その特別なマーシャルというのが60年代のマーシャル・ブルースブレーカー・JTM45だったそうです(エリック・クラプトンがジョン・メイオール&ブルースブレーカーズ時代に使ったことで広く知られるアンプ)。しばらくそのアンプを使ってとても気に入ったブライアンはオーナーに対してそのアンプを譲って欲しいと頼んだそうですが、断られたそうです。
時は過ぎて1998年、ブライアンはマーシャルのスタッフに新しいブルースブレーカーを試させてもらったそうですが、ブライアンの所有するパープルのヴォックスにはまったくかなわなかったとのこと。フライヤーさん曰く、ブライアンのパープル・ヴォックスは言わば「マイク・タイソン」みたいなもので、そのスィートなトーンと美しいフィードバック、おどろくばかりのヴォリュームによってあらゆる敵をノックアウトしてしまう、ブライアンのヴォックスはすべてを兼ね備えているとのことです!そのためこの可哀相なニュー・マーシャルはすぐに送り返されたそうで、オールドのマーシャルにはやはりなにか特別な物があるという結論に辿り着いたそうです。
そういうわけでフライヤーさんはジミのサウンドを再現できるペダル、パープル・メイズの製作に取りかかりました。製作にあたってはオリジナルのファズ・フェイスやビッグマフなど多くの60年代のペダルが試され、メイへム同様に“ディーキー・アンプ”の回路が参考にされました。以下に説明書を紹介します。
Brian May Fryer "Purple Maze"
Distortion PedalAs the name inplies, the "Purple Maze" distorion pedal combines characteristics of both the Jimi Hendrix and the Brian May sounds.
- The "Purple Maze" is a stand-alone distortion pedal suitable for most guitars and amplifiers and offers great flexibility in its use, being at its best both at bedroom practice levels and also at louder stage volume levels. Foot switchable on/off.
- The "Purple Maze" design origins stem from Brian May's legendary Deacy Amp, and will produce a very Deacy-like sound when the "Purple Maze's" level control is set low.
- At one end of its tonal range the "Purple Maze" produces the classic Jimi Hendrix "raw-yet-rich"Fuzz Face through Marshall amp sound, whilst at the other end of range is produced the unmistakable rich sweet tone of the Brian May sound, whilst always retaining the Hendrix raw, distorted nature.
- The "Purple Maze" works very effectively as an amplifier simulator when plugged straight into home recording portable studio equipment.
- Like the Brian May Fryer "Mayhem" overdrive, it offers unique Clean Crunch as the guitar's volume control is turned down and responds very amp-like to different strength of playing attack.
- Germanium and Silicone transistors are hand selected and are evaluated for superior tonal, noise and gain characteristics.
- Like the "Mayhem" Overdrive, the "Purple Maze" represents a totally different and unique concept and circuit design to any other Overdrive/Distortion pedal on the market.
- Colour: Purple
ブライアン・メイ・フライヤー“パープル・メイズ”ディストーション・ペダルの特徴は以下の通りです。
- “パープル・メイズ”はトレブル・ブースターと併用する“メイへム”とは異なり、単体で使用することを前提としており、VOX AC30に接続する場合はブリリアント・チャンネルに接続することが推奨されている。
- “パープル・メイズ”は“ディーキー・アンプ”から派生したペダルなので、レヴェル・コントロールを低く設定することによって“ディーキー・アンプ”的サウンドを再現することができる。
- “パープル・メイズ”はジミ・ヘンドリクスのような荒々しいながらも豊かなサウンドを再現し、豊かで温かみのあるブライアン・メイのようなサウンドを再現することができる(ただし、若干ジミヘン的な歪みの特徴が感じられる)。
- “パープル・メイズ”はMTRなどに接続すればアンプ・シミュレーターとして使用できる。
- “メイへム”のようにギター側のVolを絞れば、ディストーションから独特なクリーン〜クランチ・サウンドへと変化し、チューブ・アンプのようにピッキングの強さにしたがって反応する。
- 使用されているゲルマニウム・トランジスター、シリコン・トランジスターはよりよい品質を得るために手作業で選別されている。
コントロールはレヴェル、トーン、ドライヴ、そしてオン/オフ・スイッチ、色はその名の通りパープル(=紫)です。使用に際してはいつもの通りギルド・ブライアン・メイ・ギター、VOX AC30を使用し、チャンネルはブリリアント・チャンネルに接続しました。使用してみて私が感じたサウンドの印象は端的に言って“オールド・マーシャルのサウンド”です。私も以前にリイシューのマーシャル・ブルースブレーカーを試したことがありますが、それに非常に近い印象です。
ドライヴとトーンを時計の10時あたりにセットすれば“ブルースブレーカー”時代のクラプトンを彷彿とさせる太くて非常に温かみのある穏やかな歪みです。そこからドライヴを右側に回すにつれて徐々にジミ・ヘン的に、非常に特徴あるサウンドに変化していき、フライヤーさんの説明どおりファズを接続したマーシャル・アンプを彷彿とさせます。コードを弾くと粗いエッジが効いているのに、リードでは豊かな温かいサウンドが飛び出すといった感じでしょうか。何がこのペダルの特徴かというと私の印象ではドライヴを右側に回すにつれて低音に微妙なうねりが発生するように思います、そしてこのうねりがサウンドをジミ・ヘン的にしているのだろうと思われます。ですからフライヤーさんの説明どおり、BM的なサウンドも再現できるけれどもどこかジミ・ヘン的な所が感じられます。
私個人としてはこのペダルは是非とも一度ストラトキャスターで試してみたい、そう思わせるペダルです。ブライアン・メイも好きだけど、60年代のクラプトンも好き、ジミー・ペイジも好きという方におすすめします。BMギターとVOX AC30を使っていながら彼らのようなサウンドを再現することが可能なペダルだと思います。