98.12.28 男達の別れ
一通りこの2枚のCDを聴くとグッタリとした、疲労感を味わう。
それは気持ち良いけだるさだった。でもそれが居心地の悪さでもなく
落ち着かない場所でもなく、僕等の居場所なんだと思う
『Oh Slime』
この音から始まったんですね。THE FISHMANSですよね。
驚いて泣いて喜んで、こんなこんな興奮の時間はこのCDの中にある。突然の頭突きをくら
い、床にうずくまったような気分です。この時を舞ってそれは奇跡のようなことの始まり
であって終わりになってしまいました。音がすごく澄んでいるので驚きました。メンバー
紹介が終え、THE FISHMANSって叫んでからの後半がどうしょうもなく好きです。すごく
壮大でこんなに悲しくなるなんて思ってもいなかった。待ってました!のホンジのヴァイ
オリンがすごく良くて好きです。ラストの閉めもかっこいいです。
もうこんな感動はどこにもないかと思うことも、このCDがあれば大丈夫なんでしょう。
『ナイトクルージング』
待っました!のこの2曲目。ナイトクルージングはだいたい出来上がった状態でした。
予備知識的なものから、こうなるのかな?と想像できてたので、十分居心地のよさだけを
楽しめました。気持ちを落ち着かせ聴くことだけに集中すれば、いい気分になれるんだか
ら、なんとも素敵な曲です。全身から震えだして、シーンとした心にやっぱり染み込んで
しまいます。みんなで「ららららっら〜」や自然と音として出てしまうものを口づさんで
しまえば、フィッシュマンズからの贈り物は僕らの思い出となる。こんな時間を共有させ
られる力を彼らは見せつけた。ライブVer、ナイトクルージングは最高です。またすごい
終わり方です。
『なんてったの』
オリジナルとは全く別物です。かなり昔なんだから違って当り前か。オリジナルも好きだ
けどこれもいいです。この曲がライブで演奏されて、今のフィッシュマンズの曲として蘇
えっただけでも幸せなんだと思う。なんとなく「Just thing」的な感じ。「なんてったの」
とか「頼りない天使」はピアノも使われてるし、Keyboardsの音も全体に大きく広がって
いるから、儚くしんみりした気分にさせられる。なんかこれで終わっちゃいそうなぐらい
悲しい気持ちにもさせられる。でもこのまま消えてなくなってとしても十分なんだけど。
『Thank You』
欣ちゃんのDrumsから始まる。ダダンダダンダダンてな感じ。びよ〜んとかうお〜んって
感じにギターが響きまくってます。この歌は前の歌とは一転してだいぶ明るいです。
こんなのありですか?こっちがありがたい。
盛り上げてくれるこの声が聴きたくてみんなが踊るんですね。
『幸せ者』
イントロが良くなってるというか、私はこっちの方がいい。私が好きなヴァイオリンの音
が入ってます。一瞬だけど、なんとなくナイスチョイスが思い浮かぶ所がある。
「そんな感じでいい」部分が変に盛り上がってないです。
これもウーとかみんなキーボードの音が入っている。
『頼りない天使』
これもイントロが違う、けどすごい。この曲まで登場するなんてすごい。これもウーとか
キーボードの音が入っています。しんみりした感じで元のも良いしこれもありです。
譲さんがべースがすごい響いてます。
コルネットは登場するのかな?と思ったけど佐藤さんは演奏してませんでした。
これも聴くと少し悲しくて暗い気持ちになるけれど、自由に救われたと思えるこの歌が
聴きたくて、これからもフィッシュを好きでありつづけます。
『ひこうき』
ベ−スで始まってこれはオリジナルにちかいかな?キーの音のあるし。
原点をたどりつつもぜんぜん違う演奏のとこもある
ぶーんぶーんぶーんのとこがライブっぽくなってる。
気持ちいいぐらいの余韻が残ってる。
『IN THE FLIGHT』
「十年後ぐらいしたら自分もかわれるかな?と思ったんですけど、ちょっとなんかいろ
いろ…、いろいろあるなーって感じの歌を聴いてください」
佐藤さんがちょっと照れくさうに、こんないい感じに「IN THE FLIGHT」の紹介をする
なんて…。ホントにまいった。 また泣いてしまう。『八月の現状』の「Just thing」を
初めて聴いたときみたいな驚きと感動を味わいました。
しんみりversionといった感じで大きく壮大になってます。
この曲ありきでフィッシュマンズ。
たまらなく、フィッシュマンズが好きで好きで大好きで今日も幸せです。
とんでもないことになってる。すごいわ!この曲。
未来になっても色褪せない場所をここにのこしたんですね。
violinが加わってからがさらにいいです。
最後がまたどえらいことになってます。
『WALKING IN THE RHYTHM 』
プロトに近い感じだけど、これも全く的確じゃないですな。
かっこいいな。
『Smilin’Days Summer Holiday 』
「Thank You」と最初が似てると思っちゃうのは私だけの気のせいなのかしら?
『MELODY』
この感じが好きでこの一瞬の中にいたかったから、今もこうしてフィッシュマンズを
聴くんだと思う。どうにも出来ないことだけど、身体震えだして
音楽に対する思いではこの歌のメッセージには叶わない
鼻水垂らして涙に零れた酷い顏でも、しっかりこの歌を聴いていたい。
いろんなメロディーがこれからも僕を虐めるからまた泣く。
DISC2
三曲で62分というのは今までにありっこないか
『ゆらめき IN THE AIR』
出始めはオリジナルの方も好きでけどかっこよくなってるよ。すげーわこれ。驚いて
また興奮して。涙の代わりに体も心もバクバクしてる。この揺らめきが好きだよ。
聴けば誰だって思うはず。寂しさとか悲しさとか人のマイナス部分が洗練された
カッコよさ。 心の揺れはしずまることなんてなかった。HONZIのViolinは入って無い
かと思ってたら少しありました。 それと後半からは大活躍してる。見せ所ではないけ
ど聴かせる部分、聴かせ所の波が押し寄せてすぎて溺れて死んでしまいそう。だけど、
音楽の泡に包まれて死ねるのなら本望だと思う。こんな曲は誰にも真似できないし太刀
打も出来ないだろう。そして、これからもこんなどでかい歌は作られることも無いと思
う。
オリジナルの後半の親しみづらさみたいなものがすっかり陰を潜めています。
最後までやってくれたんですね、途中で終わってるかと思った。 佐藤さんのアッアアー
みたいな歌声をコーラスで追っかけている山彦部分もありました。
宇宙だと大きすぎるから、天かな?なんていうか空に向かってるみたいな感じです。
中盤最後の歌詞を歌い切ってからのギターがそんなイメージを持たせる。後は深夜に大
音量で聴いてみたい。そうなると山奥とか人っ気がない所に限られるんだろうけど、
ビールでも飲んで、星でも眺めながらこの歌が聴いてみたくなってきた。やっぱり、
自然的なものとかを感じちゃいけないのかな?
一番最後、残り22秒ぐらいからオリジナルのイントロ部分が演奏されてた。すっごく
怖いような感じも、どっかにいっちゃって、 分かりやすくなっていると思う。
もしかしてリピートで聴け!という隠れメッセージ?でも意味ないことですね。逃れら
れない無限ループに突入していまう。だけど、そこから戻る必要さえ感じなくなった。
オリジナルからは怖さを。このライブVerからは、何度も聴いてしまう中毒のような
危ういやばさを感じてしまう。
カッと心の目を見開いて、これこそ求めてた音だって何度も思う。
『いかれたBaby』
込み上げる気持ちに負けてまた泣いてしまう。出足の始めは全くけど、後はオリジナル
に近い感じです。のんびりでゆったりで、心を休ませるための歌。
自分の空しさを痛感させられる。これまで、なんとか自分ひとりでやってこれたけど、
この歌を聴くと誰かと共に生きていくことも可能なのかもしれないような気がしてくる。
根本的に欠けてるこの不安感は、幸せのありかが自分だけのものだからなんだろう。
『LONG SEASON』
この曲はもはや、頂上は一つだけ
全てのことを放棄して聴覚だけを頼りにこのアルバムを聴いたのに
あるれる思いが 私の許容量はすでに満杯にしてしまって、どうにもできなくなってる
自分でも耐えられたことにびっくりしてる。
このアルバムを聴く度に音楽。フィッシュマンズを大好きでいたことへの答えが帰って
くるようにおもえる。全てが満たされた結果が今もこうしてここに残された。音楽への
情熱が消えてゆく。もうこれで十分かもしれない。これから音楽を聴かないというわけ
ではない。そんな愚行はしない。音楽の中に何かを求めることはもうしない。
ここを私がたどり着けた終わりの場所にしてもいいんじゃないか、
とそういうことなのさ。
これほどまでの衝撃が私を襲い誰かも襲った。
これからも音楽を聴いていくだけの自信はどうにか無くさずに済んだ。
あの日に無くさなかったわけだから今頃無くすというのもおかしな話ではあるが。
まぁとりあえずこれからもきっと生きていけることを確信できた。だって、
奇跡にもおもえるこんな素敵な音楽との出合いが自分を打ちのめしているかぎり
死と直面する機会を奪ってくれるはずだから。
9.30.1999 文 lucystone
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