何でこんなに仕事があるんだろう?と思うほど、近頃忙しい。
しかも通常任務ではなく、暗部の仕事ばかり。
だから完全に昼夜逆転していて、先生とも会えなかった。
疲れきって帰ってくるのは明け方で、また仕事がある夜まで寝てるからだ。
先生は先生で違う任務があるし、久々にナルト達の修行も見ているようだった。
五代目ってばこき使いすぎ。
今日はようやく非番になったので、久々に買出しに出た。
缶詰も、インスタント食品も底をつきている。
あくびをかみ殺しながら歩く私に対して、通りの雰囲気はどこか浮き足立ったものだった。
色で喩えるならピンク色のような。
そしてその答えは、前から歩いてきたカカシ先生を見て分かる。
両手いっぱいに抱えている箱で、ああ今日はバレンタインだったと他人事のように思った。
先生は私を見つけて驚いたように目を少し丸くし、そしていつも通りその後笑った。
「久しぶり」
「うん・・・。相変わらずモテることで」
「そう?いらないって言ってんのに押し付けられちゃってさぁ」
みんなこの男が押しに弱いことを知っているのだろう。
「ごめんね。チョコないんだ・・・」
「お前のなんて最初から期待してなーいよ。大方忘れてたんだろ?」
「うっ・・・」
するどい。
「ほらよ」
どこから出したのか、花束をくれる。
薄いピンク色の、名前の知らない花だった。
「何で?」
「たまにはいいだろ?こーゆーのも」
何か逆なよーな・・と思いながらも、有難く受け取った。
「ありがとう」
「代金はデート一回ね」
「え?」
「俺だって淋しくなるんだよ?」
「本当に?」
「お前は淋しくないワケ?」
私は笑って、先生に抱きつく。
「1回でいいの?」
まいったな・・と頭を掻きながら、先生は私に小さくキスをした。
ハート型のチョコレートはないけれど、私のハートをあげるから許して?