番組開始15分前。
テーブルにはオモリの姿はなく、薄暗い。
そこに突然タブーが流れ始める。
ざわめく客達。
と、ピンクのスポットライトが照らされ一人の人物が浮かび上がった。
「ハァイみなさん。THE流行☆の花椿GOROよ〜」
キャー!花椿先生よー!
「声援ありがと。久々のテレビだからハッスルしちゃうわよ〜」
花椿が客席に向かって気持ち悪いウインクをした所で、息を切らせてオモリが走ってきた。
「は、花椿先生!?何やってんですか?!」
「あらー遅いじゃない。早く座りなさいよ」
「早くったって・・・まだ始まってないですよ?」
「さっきカメラマンを殴って始めさせたのよ」
「じゃ、これ流れてるんですか・・・・?」
「そうよ。だから早くなさい」
「司会は私・・・・」
二人が席についたところで、とってつけたようにタイトルソングが流れはじめる。
「今更遅いわよ!ということで今日のゲストは私。よろしくね」
「お願いですから勝手に進めないで下さい・・・」
半泣きでオモリが懇願するが、花椿は聞いていない。
「ホラ質問しなさいよ」
「はぁ・・・・先生はピンクがお好きなんですか?」
「愚問ね。ピンクは私の為にある色なのよ!!」
「そうですか。えーじゃ次。先生は男の人と、女の人、どっちが好きですか?」
「まぁそんなことまで聞くの?恥ずかしくて言えないわよ〜」
クネクネする花椿。
冷めた目で見つめるオモリ。
「・・・・これこそ愚問でしたね。先生は世界的に活躍されていますが、どうしてはばたき市にいることが多いんですか?」
「ちょっと、もう少し粘りなさいよ。まぁいいわ。私ははばたき市の生まれなの。駆け出しの頃の色々な思い出がこの町にはつまっているのよ。だから初心を忘れないようにね」
「自分の才能に奢らないなんてさすがですね。デザイナーには小さい頃からなりたかったんですか?」
「そうね。オシャレが大好きだったから、自然な選択だったと思うわ」
「そうですか。天之橋さんとは学生時代からのお友達なんですよね?」
「ええ。一鶴とは長い付き合いね。私達全然雰囲気が違うでしょう?アイツはレディ馬鹿だし。でも私も洋服馬鹿だから、馬鹿同士で気があうのかもね」
「・・・よく分からない例えですが、要は似たもの同士ってことですか?」
「そんな一言で片付けないでよ。でも本質的なところは似ているのかもね。一鶴に言ったら嫌がりそうだけど」
「先生って真面目なことも言うんですね。では名残惜しいですがそろそろお時間になってしまいました」
「えー!!何よ!まだ全然喋ってないじゃない!」
「そんなこと言われても、この番組10分なんで・・・・」
「駄目よ」
「そう言われましても・・・・」
「またカメラマンとかディレクター殴ればいいじゃない。そうしましょう」
「えぇ!?」
慌てて逃げ出すカメラマン。
が、軽やかに席から飛び上がった花椿の、蹴りが命中。
次々とスタッフをなぎ倒してゆく。
「・・・・・・私も帰ろうかな」
「このまま朝までオンエアよー!!!」
花椿の高笑いがお茶の間に響いた・・・・
