くしゅんっ
曇り空の庭に、小さなくしゃみは意外と大きく響いた。
「うー・・・。風邪ひいたかな?」
鼻をすすりながら、あかねが呟く。
まだまだ夏だと思っていたら、最近めっきり冷え込んで秋めいてきた。
木々も色づき始めている。
初めて京に来た時は、桜が咲いていたな・・・
そんなことを思う。
と、唐突に声がふってきた。
「おやおや、可愛らしいくしゃみだね」
からかうような声に顔を見上げれば、友雅が立っていた。
「やだ。見てたんですか?」
偶然通りかかったんだよ、と友雅は笑う。
「寒いなら中に入ればよいのに」
「ここで庭を眺めてるのが好きなんです」
あかねの答えに友雅はやれやれといった表情を浮かべたが、すぐに何か企みを思いついたようだった。
「では私が暖めてさしあげよう」
「え?・・・きゃっ!」
友雅は、あかねをふわりと自身の腕の中に包み込んでしまう。
「友雅さん!またふざけて!」
「いいじゃないか、これくらい。羽織だと思えばいい」
「そんなこと思えません!」
赤くなりながら、ふと思う。
前にもこんなことがあった。
あの時はそのまま寝ちゃったんだっけ・・・
「おや?諦めたのかな?」
違います!と彼女は怒るだろう。
そう思っていた。
「季節が移り変わるのは早いですね」
あかねが静かに言う。
予定外のリアクションを返されて、友雅は少々面食らった。
答えを返すのを忘れてしまう。
「・・・後何度、友雅さんとこの景色を見られるんでしょう」
冷水を浴びせられたようだった。
忘れていた。
彼女はこの世界の住人ではない。
京が救われれば、帰ってしまう。
二人に残された時間は、有限なのだ。
別れを前提に、巡り合ったのだ。
「・・・淋しいことを言うんだね」
「今、こうして友雅さんといれて良かったです」
「何故?」
「来年のこの時期、私のことを思い出してくれるかもしれないでしょう?」
秋の訪れと共に。
そう言って、あかねは微笑んだ。
幼いとばかり思っていたのに。
いつの間に、女性になってしまったのだろう。
彼女は終わりを受け入れている。
自分はきっと、受け入れられない。
二人でいる幸せを知ってしまったから。
こんなに傍にいて。
この手は触れているのに。
とても・・・遠くに感じた。
アニメ第一話を見た時点で、萌え再燃(笑)
だって耳元でレインボーボイスで囁かれてごらんよ!
なのに何故甘くないのだ、自分よ・・・