「最近つまんなくない?」
が急に言い出した。
「ハァ?」
カカシが問い返すと、彼女は少し考えている様子だった。
そしてにやぁっと笑う。
「ねーセンセェ〜」
「却下」
「まだ何にも言ってないじゃん!」
「お前が猫なで声出すときは、だいたいメチャな頼みごとだからな」
「んなことないよー。ちょっとさ、恋のキューピッドしない?」
「ハァ!?」
こうしてまた、長閑な日常が壊された。
「それで・・・?その鏡を探して欲しいと?」
火影が半ば呆れたような顔で、カカシに問う。
「親友の・・・形見でして。俺一人じゃ見つからないんです。多分森に落としたんだと思いますが・・・」
「お主もこんなことがあるんじゃのう。よかろう。探させよう」
「すいません・・・あの出来れば下忍のあいつらを使ってほしいのですが」
「ルーキーの9人のことかな?何か理由でも?」
「いや・・・他の人間の手を煩わせることもないですし・・」
カカシはえらく歯切れ悪く答えた。
火影もそれに気づいていたのだろうが、何も言わなかった。
「明日探させる」
「ありがとうございます」
火影の部屋を出た瞬間。
嫌な汗がぶわっと出てきた。
「俺にこんなことさせやがって・・・・」
嫌だと言いつつ、結局は言うことを聞いてしまう辺り、カカシはに甘い。
本人は気づいていないようだが。
その頃は。
「ヒナちゃん!ヒナちゃん!」
「あ・・・ちゃん」
ヒナタの姿を見つけて、が全速力で駈けてくる。
結構な距離があったのに、一瞬だった。
まるで風のようだ。
「ナルトとの仲はどうよ?」
「えっ!?えっと・・・あの・・・その・・・」
もじもじし始めたヒナタを見て、がため息をつく。
「その分だと進展してないみたいねー」
「ご、ごめんなさい・・・」
「謝んなくてもいいってば」
「えっと・・・ちゃんはカカシ先生と・・どうなの?」
「私はもーラブラブよー」
「らぶらぶ・・・」
「だからヒナちゃんも頑張って!見てるだけじゃ何にも変わんないんだから」
「う、うん」
「で、明日任務あるでしょ?」
「えっ?話飛びすぎだよ・・・確かに任務はあるけど。どうして知ってるの?私もさっき聞いたばっかりなのに」
「そんな細かいとこはどーでもいーの!お弁当は二人分ね!」
「え・・・?」
ヒナタが困惑している。
「できれば気合い入れた手作りのがいいかな」
「ちゃんが食べるの?」
「ブー。ま、明日のお楽しみってことで!サラバ!」
「えっ?ちゃん・・・!?」
言いたいだけ言って、は霧のように消えた。
高等なテクだ。
後にはすっかり混乱したヒナタが残された。
次の日。
森の入り口には下忍9名+教官のアスマ、紅が集まっていた。
「ナ、ナルト君・・・!!」
ナルトの姿を見つけたヒナタが、真っ赤になって呟いた。
任務がある、としか聞いていなかったのだ。
まさかナルトと一緒だなんて。
「ん?お、ヒナタじゃねーか。元気か?」
「う、うん・・・!」
危うく昇天しかけた脳みそで、昨日のことを思い出す。
お弁当二人分ってこのことだったんだ・・・!
でもナルト君にお弁当渡すなんて・・・
ど、どうしよう・・・でもちゃんがせっかく教えてくれたんだし・・・
でも恥ずかしい・・・
「なんだー?変なヤツ」
アスマが口を開く。
「見て分かると思うが、今日は合同任務だ。森の中から鏡を探す」
「たかが探しもんにこんな大勢使うのかよ?」
サスケが不機嫌そうに漏らした。
「人数多い方が早く終わるだろー?まぁ文句言うな」
「チッ・・・・」
「でも普通この9人全員でやらなくない?」
サクラが質問すると、紅が答えた。
「火影様から、この9人でやってくれって頼まれたのよ」
「依頼人は?」
「聞いてないわ」
何だよそれ、という声があちこちから聞こえる。
「めんどくせーなー。こんな広い場所じゃ見つかんねーよ」
「それを見つけるのが任務だ」
「まぁアタシはサスケ君と一緒なら、どんな任務でもいいわーv」
言いながら、いのがサスケにくっつく。
すかさずサクラがかみついた。
「離れー!いのぶたー!!」
それを眺めながら、アスマが心底嫌そうな表情をする。
「こいつら全員集めたのは間違いじゃないのか・・・?」
「確かに効率は悪そうね・・・」
「腹減ったー・・・」
違う意味で、疲れる一日になりそうだった。
その頃。
木の上で、カカシとは一同を見守っていた。
「何でこんなのぞきみたいなことやってんだよ・・・」
「こっそりやらなきゃ意味ないじゃん。ひっそりがっちりヒナちゃんとナルトをくっつけるの!」
「そんなの無理じゃねーか?」
「私に不可能はナイ!」
「あーそー・・・」
まだ今日は始まったばかりである。

