アンドゥトロワ
流れるように
軽やかに
私は取り付かれたように、踊り続けた。
「真弓。最近無理してない?何だかやつれてきたよ?」
友達が心配そうに聞いてきたが、私は笑って気にしなかった。
「痩せたって言ってよ。無理なんてしてない。楽しくて仕方ないんだもの」
確かに体の肉が落ち、頬がこけた。
でも元々ぽっちゃりしてたんだから、このくらいで丁度いい。
みんなが集まってのミーティング。
来月は舞台があるのだ。
でも主役の座だけ、まだ空いたままだった。
「来月の発表会のことだけど・・・オーロラ姫は真弓さんにやってもらうことにしたわ」
先生がにっこりと私に微笑む。
あちこちから「おめでとう!」という声と拍手。
「え?わ、私・・・?」
「そうよ。貴方以外に考えられないわ。今一番頑張ってるのは貴方だものね」
信じられない。
今まで一度だって主役になったことなど、なかったのに。
私は思わず、シューズを撫でた。
これは魔法のくつかもしれない。
シューズはいつのまにか、薄いピンク色になっていた。
レッスンが終わった後、私は大急ぎで廊下に走った。
あの人に伝えるために。
彼はいつもどおり、壁にもたれて立っていた。
「私、今度の舞台でオーロラ姫やることになったんです!」
「グリムの茨姫だね。おめでとう。でもそれは当然のことだよ」
「え?」
「君が一番輝いているんだからね」
にこやかに微笑みながら、恥ずかしい素振りも見せずに言う。
彼はいつもそうだ。
いつだって最高の賛辞で私を褒め称える。
そう。
オーロラ姫に贈り物をした三人の魔女のように。