ねぇ
私と永遠を誓ってくれるでしょ?
「蓮!今度の連休ヒマ?」
学校でいきなりなっちゃんに聞かれた。
「ヒマだけど・・・何で?」
「パーっと旅行に行かない? ホテルのタダ券貰ったの! 湖の近くの洋館なんだって!」
「本当に? 行きたい!」
「じゃ、決まりね」
「二人で行くの?」
「ううん。4枚あるからあと2人誘うつもり」
「誰を?」
「へへ・・秘密。楽しみにしてて!」
企み顔でそう言って、彼女は笑った。
誰を誘うつもりなんだろ? 共通の友達なんてそんないないし・・・
当日。待ち合わせ場所に行くと、なっちゃんはもう来ていた。
「お待たせ! ごめん。寝坊しちゃって・・・」
「いいよ。蓮のネボスケは今に始まったことじゃないし。そんな遅くない」
「ヒロイン遅れて登場・・・やな」
あれ? 後ろにいるのは・・・
「まどりんじゃん。チュース」
「蓮ちゃん・・・もうちっと色気のある挨拶できへんの?女の子なんやから・・・」
声の主は、2組の姫条まどかだった。
最初は色々あったんだけど、今は仲がいい。
なっちゃんは、彼が好きみたい。いつもはぐらかすけど。
ふーん。そーゆーことか・・・・
「まどりんも一緒なの?あと一人は?」
「あ、ホラ。来たよ」
指差した方を見ると、向こうから信じられない人物が来た。
「遅れたな・・・」
「珪君!?」
「あぁ・・・よろしく」
なっちゃんがつついてくる。
「感謝してよね。あんたのために誘ったんだから」
「えぇ?・・・よくOKしてくれたね」
「大変だったよ・・・あんたが行くって言ったら、OKしたけど」
「何二人でコソコソ話とるん?・・・葉月が来るとはやっかいやな・・・」
「まどりん、何か言った?」
「いや・・・何でもあらへん」
「じゃバスに乗ろっか」
なっちゃんが笑顔でそう言って。
この奇妙な旅は始まったのだった。
「じゃ、なっちゃんとまどりんで座って」
バスの中で私がそう言うと、二人はあからさまに嫌な顔をした。
何でなっちゃんまで・・・・?
「なんでやねん! 俺はこんな女と隣はいややで。蓮ちゃんの隣がいい」
「それはこっちのセリフよ!何であんたなんかと・・・」
「そんなこと言われても・・・二人とも珪君とあんまり喋らないでしょ?これがベストだよ。はい、決定」
「蓮ちゃん・・・強引やな」
「まったく。しょーがないわね。ま、私じゃ葉月の相手なんてできないし。さっさとあんた座んなさいよ」
「自分、もっと優しく言えへんのか?」
二人には勝手に喧嘩をさせておいたほうがいい。なんだかんだ言って仲いいんだから。
「珪君。座ろうよ」
「ああ」
「窓際座ってもいい?・・・私、車酔いするんだよね」
「・・・かまわない」
私達が席につくと、バスは発車した。ホテルの送迎用のバスで、私達以外に人はいない。
「ねぇ。何で来る気になったの?」
「暇だったし・・・ここの湖は行ってみたいと思ってたんだ・・・」
「へぇ・・。そんな有名なの?」
「・・・言い伝えがあるんだ」
「言い伝え? どんな?」
「・・・向こう行ったら教えてやる」
「ケチ・・・・」
「・・・そんな顔すんな。お前は何で行く気になったんだ?」
「せっかくなっちゃんが誘ってくれたし。あ、泊まるのは森の中の洋館なんだって!何か起きそうじゃない?」
「・・何かって?」
「ゾンビに襲われるとか・・・・」
「・・・・・お前はゲームのやりすぎだ」
「つまんないの。でも本当に出てきたら困るしね」
「そうだな・・・」
「珪君、何とかしてくれる?」
「・・・考えとく」
「つれないな〜」
その後、私は嬉々としてバイオハザードの話をし、珪君をうんざりさせたのだった。
「うわ。すごーい。お城みたーい!ねぇ、蓮もそう思うでしょ?」
なっちゃんが、洋館を前にしてそう言った。
「本当・・・すごいね」
「これほんまにホテルか? ロマンチックで俺と蓮ちゃんにぴったりだと思わへん?」
「ねぇ、珪君!期待した通りだよ!」
「無視かい」
「・・・ゾンビか」
「・・・何言ってんの、あんた達。蓮が葉月に変な話したんでしょ?ほら行こう」
私達が玄関に向かって行くと、扉が開いて中から男の人が出てきた。
黒い制服を着てるから多分係の人だろう。
「ようこそいらっしゃいました。長時間車で疲れたでしょう?さぁ中にお入りください」
やめる 入る