ぶらぶらと二人の少年が歩いている。

一人はつまらなそうに鞄を振り回し、もう一人は何もかもが興味なさそうな無表情だった。

姫条と葉月である。

「最近なーんもおきへんなぁ」

「・・・その方がいいだろ」

「そりゃそうやけど、刺激が欲しいやん」

「・・・・お前が言うことはいつも同じだな」

「お前の答えも同じやけどな。お、ここ通り魔が捕まった現場やで!」

いきなりいきいきとし始める。

「そうなのか」

「お前知らへんのか?テレビでやってたやん」

「壊れてるから」

「・・・あーそーかい。最近女がいきなり刺される事件が続いてん。その犯人が捕まったんや。本人は無実や!って叫んでたけど」

「・・・どっちなんだよ」

「そんなん知らんわ。でもどいつだって自分やない言うやろ」

喋るのに夢中になっていた姫条は、目の前にしゃがみ込んでいた人影に気が付かなかった。

そのまま前につんのめる。

「わっ!?」

慌てて葉月が腕を掴む。

「何やねん。こんなとこで座ってたら邪魔やろ!」

怒鳴った姫条に、しゃがんでいた男が怯えた眼差しを向けた。

可哀相に思ったのか、葉月がフォローする。

「・・・・前見てなかったお前も悪いだろ」

「うっ・・・でもこんなとこに人がいるとは思わへんやんか」

「あ、あの・・・ごめんね?ちょっと探し物してて・・・」

ズボンをはたきながら、姫条に謝る。

顔をあげて二人と目をあわせた後、その目が驚いたように見開かれた。

「な、なんやにーちゃん」

まさか惚れられたのか。

しかし男が発したのは意外な言葉だった。

「君達は名物コンビじゃないか!?」

「名物・・・?」

眉をひそめた葉月に、男はかまわず続けた。

「頼む!助けてくれ・・・!!」