「あーヒナちゃん!久しぶり!」
「あ・・・ちゃん・・・」
茶通りを歩いていたは、幼馴染みのヒナタを見つけて声をかけた。
気の弱いヒナタをいつも庇ってきたは、ヒナタにとって姉のような存在だった。
「買い物?暇ならお茶しない?」
「うん・・・ちゃんに会えて嬉しい・・・」
「またそんなこと言ってー!じゃ、甘栗甘にでも入ろうか」
ヒナタを軽く小突いてから、近くにある甘味処ののれんをくぐった。
「ちゃんは・・・今何してるの?」
「今はねーカカシ先生んとこ」
「え?じゃ・・じゃあナルト君達と一緒なの・・?」
か細い声に、わずかに羨望の色が混じる。
「違うよ。私一人だけ。7班の奴等は他の班と合同でやってるみたい」
「そうなんだ・・・」
「ヒナタのとこにも行くかもしれないね」
「えっ!?ど、どうしよう・・・」
がからかうと、ヒナタは頬を赤く染めた。
「どーもこーもないじゃない。これはチャンスよ!」
「チャンス・・・?」
「そう!任務で傷ついたナルトを優しく手当てするヒナちゃん!感激したナルトは急にヒナちゃんを意識しはじめて・・・」
「ちょ、ちょっと待って・・・。そんなの・・・無理だよ・・・」
早くも涙ぐんでいるヒナタを、は励ました。
「無理だと思うから無理なの!私なんて会って3分で先生落としたんだから」
「え・・・?落とした・・・ってまさかカカシ先生を・・・?」
「うん。これ秘密ね」
絶句するヒナタ。
あの飄々として得体のしれない男を、どうやって落としたというのか?
「す・・・すごいね・・・。カカシ先生のどこが好きに・・・なったの?」
遠慮がちにヒナタが聞くと、は即答した。
「強いとこ!」
「えっ・・・・!?」
言葉を失っているヒナタをよそに、は店の外に金髪の人影を見つけた。
「調度いいとこに!ここは奢ってあげるから、ヒナちゃんは行きなさい」
ヒナタを強引に立たせ、店の外に顎をしゃくる。
「え?ナ・・ナルト君・・・?!」
「当たって砕けてきなさい!」
「えぇ〜!?」
半ば突き飛ばすようにヒナタを押し出し、は満足げに微笑んだ。
「いやーいいことしたなぁ。あ、砕けるのはマズイか」
「オマエ・・・また何かしたのか・・・?」
急に背後から降ってきた声に、顔も向けずには答える。
「ストーカーは犯罪だよ。先生」
「してねぇよ!仲良さそうに喋ってたから声かけなかったんだ」
「冗談だってば。じゃ、会話の内容は聞いてないんだ?ざーんねーん」
含んだように言うに、カカシは一抹の不安を覚える。
「・・何話したんだ」
「例えば・・・先生は家の中じゃ裸族だ、とか?」
「お・・・まえー!嘘を平気で言うなー!ヒナタが信じたらどーすんだよ!」
カカシはの襟首を捕まえようとしたが、彼女はヒョイと身をかわすと外に逃げていく。
「あはははっ!悔しかったら捕まえてみればー?」
急いで追おうとしたカカシは、しかし店主に腕を掴まれた。
「お客さん。お勘定」
「・・・あ」
ヒナタはどうなったかというと。
「おーヒナタじゃねーか。どうしたんだってばよ?」
「ナ・・・ナルト君・・・。あのね・・・」
「?そーだ。俺これから一楽に行くんだけど、ヒナタもどうだってばよ?」
「・・!い・・・いいの・・・?」
「決まりだな。早くいこーぜ」
「う・・・うん!」
実際にはイルカもいたのだが、ヒナタはナルトに誘われたという事実だけで十分なのだった。