ピンポーン ピンポーン
「はーい?」
あ、ここ自分の家じゃないとが気づいたのは、ドアを開けた後だった。
「ハァイ」
紅がぴらぴらと手を振ってみせる。
「おね・・いや、夕ちゃん?」
お姉さまと言いそうになって、慌てて言い直す。
仲良くなった時に、紅は自分のことを夕ちゃんと呼ぶことを強要した。
ちゃん付けで呼ばれてみたかったらしい。
「入ってもいいかしら?」
「カカシ先生ならいないよ?」
「そんなのいいわよ。アンタに会いに来たんだから」
「そーなの?」
「家行ったらいないから、ここだと思って」
言いながら紅はもう家に侵入してきている。
彼女が手に持っているものを見て、の顔が強張った。
「な、何の用だったの?まさか・・・」
「愚痴に付き合って頂戴。今夜は飲み明かしましょう」
やたら大きなバックを掲げてみせる。
きっと何本も酒が入っているのだろう。
「あ、アタシ先生にお酒禁止されてるんだけど!」
「つきあうわよね?」
「・・・ハイ」
にっこり笑いながら脅されて、は頷くしかできなかった。
「ただいま〜・・・うっ、何だこの匂い?」
家に入った途端、カカシは顔をしかめた。
が何かぶちまけたのだろうか?
それに、いつもの出迎えもない。
「おい、何やって・・・」
「あ、おかえり〜v」
「お邪魔してるわ」
散乱した瓶。
やたら陽気な。
逆に目が据わっている紅。
ここから導き出される答えは、一つだった。
「紅・・・お前まさかに飲ませたんじゃ・・・」
「いーじゃない、別に。それにそんな飲んでないわよ」
「えへ〜カカシ先生〜v」
やたらぺたぺたとくっつく。
個人的には嬉しいが、今は困る。
紅が絡んでくることは間違いないからだ。
「先生ちゅーして〜」
「・・・後でな!」
駄目だと言わないところが、カカシらしい。
「えー。今がいいー」
普段なら絶対こんなことは言わない。
こんなにくっついてもこない。
紅がいなければ、イチャパラに突入なのだが・・・
「何よアンタ達。喧嘩売ってんの?」
「お前のせいだろーが!コイツ酔うとキス魔になるんだよ・・・」
困り顔で言ったカカシに、紅は下卑た笑みを浮かべる。
「あら、カカシには御あつらえ向きじゃないの」
「そーなんだけどネ。っておい!次の日の二日酔いが大変なんだよ」
「二日酔いなんて気合で治すのよ」
「他人事だと思ってるだろ?」
「だって世話するの私じゃないもの」
カカシはここで、フフンっと笑った。
「んな余裕でいられるのも今のうちだぜ?」
「何そ・・・れっ!?」
言葉は変な終わり方をした。
いつの間にか近づいてきていたに、抱きつかれたからだ。
「お姉さま〜v」
「お姉さまって呼ぶなって言ったでしょう!?てゆーか、何で私に抱きつくのよ!?」
「相手は誰でもいいんだよ」
「ハァ!?」
「チュ〜」
「いやぁぁ!!!」
紅が悲鳴をあげ、それを見たカカシが笑う。
「自業自得・・・だな」
夜はまだまだ長い―