銃乱射事件と、その背景を邪推してみる。

1999.04.20 デンバーの高校生銃乱射事件について

4月20日(現地時間)。コロラド州デンバーの公立高校で、高校生二人による銃乱射事件が起こった。パイプ爆弾、手投げ弾、ガソリン詰めの容器、プロパンガスボンベに時限装置を付け、更に多数の釘をテープで止めたものまで用意していたという。

それはショッキングだろうなあ、と平和ボケ日本から思う訳だけれど、これについて日本の報道は銃社会の恐怖とか、銃を規制すべきとか、そんな意見ばかりが飛び交う始末。そのレベルの低さに、ただ呆れるばかりだ。この事件で銃規制がされる事は、恐らくないだろう。それはアメリカと言う国が潜在的に持っている制度、それに伝統があるから。そして、その背後には邪推かもしれないけれど、アメリカの保守化と民兵の影を感じる。こういうタイムリーな話題で、民兵と保守派の話を、ちっとしてみようと思いますので、よろしければ読んでね。きっと、この事件の印象は変わります。

もともと、アメリカはイギリスやアイルランドとかから貧困から逃げるようにしてやってきた人々が作った国である。そして、イギリスからの度重なる重税などに反旗を翻したアメリカ人が、イギリスと戦って出来た国、それこそがアメリカであることを忘れてはならない。昔から自分の国で、伝統があって、という国とは違うのです。

アメリカ人にとって、この独立戦争は誇りでもあるのです。先祖達が、血を流し、そして勝ち取った楽園なのだ、と言う意識が強いのです。

さて、その国が、当然の如く、自分達の国を自分達の手で守る、と考えるのは当たり前の話。合衆国憲法でも自衛の権利は認めているのです。そして、合衆国憲法改正18条(ここはうろ覚えなので調べときます)で、外部からの敵に対し、武力で抵抗する権利さえ認めているのです。

さて、この憲法を曲解して、自主的に作られているのが民兵(ミリシア)です。これについては、日本では実感が湧かないのですが、自警団というと聞こえが良い。要は地方にある勝手に庶民が作った過激な軍隊です。これが日々軍事訓練のような事をしている訳です。つまり、いつ何時敵が攻めてきてもやってやる、位の気構えはあるんですね。ミリシアに所属している人々が、銃規制されたら怒るのは当たり前。槍や、鍬なんかで自衛は出来ないですからね。銃の所持は、憲法によって裏付けされていると言っても過言ではないのです。アメリカでは。

このミリシアが、保守の要として機能している節がある。特に保守系が強い南部で。というのが、アメリカの現状です。

で、このミリシアが超保守となっているとすれば、これがキリスト原理主義や、ネオナチとかと接近している、というのが最近の傾向としてあるらしい。この保守についてはもっともっと詳しく書かなければならない部分があると思うのですが、ここでは大雑把に。

さて、この超保守が絡んでるんじゃないだろうか?と思ったのも、人種差別的発言をしていたという証言もありました。そして、大量の武器を用意していた点。これは、もちろん「あれ?」と思ったのです。しかし、決定的だったのは日付なんです。

4月20日 ヒトラーの誕生日

というのがニュースでは大きく扱われていますが、もう一個僕には少し気になる点があるのです。

4月19日

この日付が頭に浮かんだのです。

元を正すと、この4/19と言う日付は保守を気にしている人(て、いるのかそんな人?)にとってはピンとくる日付です。

1775.4.19  独立戦争の最初の銃声がマサチューセッツ州レキシントンで響いた

1993.4.19  過激な終末思想を持った宗教組織ブランチ・デビディアンの集団自殺

1995.4.19  オクラホマシティ連邦ビル爆破事件

この4/19にまつわる保守の事件は、他にも1992には、白人至上主義のランディ・ウィーバー一家がアイダホの山小屋に立てこもり、FBIが急襲、妻を殺害した。なんて事件もある。連邦ビル爆破は。犯人がミリシアの一因だと言われていて、4/19を狙ってやった、というのはまことしやかに流れる話(ブランチデビディアンの件に抗議してという話もある)。これだけ重なっている4/19。一日遅れのこの事件を関連づけるのは、ニュースを見ている限りあの高校生が、そこまで考えていたとは思えないですが、ちょっと気になったので書いておきます。

ミリシアが反連邦政府的発想を持っているのは有名な話で、「郡」を自治の最高単位にしている。これは、クリントン政権の銃規制運動の高まりで攻撃型銃火器を廃止したことに反撥している部分もあるという。銃規制は、もちろん2000年の大統領選の大きな論点になってくるとは思う。しかし、敢えて、この事件で銃を規制しようという流れを、今の民主党ならびにクリントンが取れるか?というと、「取らないだろうなあ」というのが僕の考え。大統領選に向けて動き出した、この時期に敢えて保守に刺激を与えるような事は出来ないはず。ただでさえ、クリントンはリベラルな民主党にあって保守に傾くことで保守派の票も集めて勝ったと言われているのですから。

アメリカの伝統や歴史から考えても、この問題は日本人が考えるより根は深い。全米ライフル協会のロビー活動だけで銃規制が押さえられているなんてのは、ちゃんちゃらおかしい話なのです。(そういえば、今のライフル協会の会長のヘストン氏ってチャールストンヘストンですよねえ)

この銃規制問題については、ビックコミックで、かわぐちかいじさんも扱っているので読んでみると良いかも。ますます動向が気になる保守にまつわる動き。ちょっとしたお話でした。

民兵(ミリシア)についても、詳しく書きますのでお楽しみに。