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これで当分、DVDで欲しい映画はないかもしれない 〜名作「ダイナー」のDVDはあったのか!と嬉しい悲鳴〜 |
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最近のDVDのリリースを観ていると、時々不思議になる事がある。 「パールハーバー〜コレクターズエディション」 この語句に違和感を感じないだろうか?「パールハーバー」のコレクターである。どんな奴だ?「ついパールハーバーに関するものがあると買っちゃうんだよねえ」。いない、いやいないと信じたい。いたら見てみたい。幾ら何でも「パールハーバー」で、そりゃあないよと思う。「パールハーバー」を観て、未公開映像観てえな、とか呟かれても困る。というか俺観てないけどね。「パールハーバー」。きっとそういう映画じゃないと思うんだよね。 でもって、コレクターという言葉も安売りだよなあと思う。周囲の者には言った事があるが、コレクターとは自己嫌悪する動物だと思う。病気だ。たぶん。端から見たら、全く価値のない物に人生ぬる〜くフルスウィングしつつ「ああ、だめだなあ、俺」とか思いながらも財布の紐を解いてしまったり、かなり確信的に「人生棒に振ったらあ!」とか言いながら大振りかます生き物である。 なんとなく「ちょっとコレクターしてみよっかなあ」って雰囲気がしないだろうか?これは「ちょっと大冒険してくるね、あ、夕食までには帰るから」とか「いやあ昨日、うっかり人生の真理知っちゃってさあ」とかと同じ位、何か物差しの計り方に異常をきたしている気がしてならない。 映画会社と全面対決して制作されたテリー・ギリアムの「未来世紀ブラジル」やマイケル・チミノの「天国の門」。発狂寸前の状況で作られた「地獄の黙示録」。熱狂的ファンが多い、ゴダールやフェリーニ、キューブリックなど、なんとな〜くコレクターズとかが居そうな作家や作品については分かる。スターウォーズやスタートレックとかも。なにか奥深いものがありそうだものね。しかし、近年乱発される「パールハーバー」「アルマゲドン」などで特典映像とか言われても釈然としなくないだろうか?そう、先日も僕の目を釘付けにしたのは「冷静と情熱のあいだ」ボックスだ。あんまりなので値段を確認してしまう始末だ。 さて、DVDを買うようになってから、ああ映画の評価ってこれから難しくなるなあ、などと思う。考えすぎかもしれないが、じっくり考えてしまう。これは何度も観る映画だろうか?と。例えば僕が今まで好きな映画ベスト3と言っていたのは「ガープの世界」「ゴッドファーザー」「マイライフアズアドッグ」である。しかし、DVDで持っているのは「ゴッドファーザー」だけなのである。「ゴッドファーザー」は買った。こりゃあ何十年経っても観るね、と自信を持って言えるからだ。他の二本は、懐かしく観る事はあっても、そうそう観ない気がした。でもって持ってるのは「地獄の黙示録」「シャイニング」「2001年宇宙の旅」「フルメタルジャケット」である。他は音楽系。あれ?俺が好きなのはコッポラとキューブリック?と思ってしまった。結構意外な選択でもある。何度も観る、何回も観たくなるシーンがある。そういった事が尺度になり、映画館で観たいと違う尺度がDVDにはある気がする。 さて、前振りが長かったが、本当に欲しいDVDが一つあって、いつも探していた。じみ〜な映画で余り人気もない。映像が美しい訳でも何でもない。強いて言えばMロークとKベーコンが出てると言うのがあるが、これも今となっては余り売りになるとは言えない。ちょっとおかしくて、小粋で何度観ても楽しい軽妙な脚本が堪らない映画「ダイナー」である。あ、「ダイナソー」じゃないからね。言っておくけれど。うっかり間違えそうだよね。 共に青春を過ごしたダイナーで集う男達。その中の一人が大晦日に結婚する。そんな彼らのクリスマスから結婚式までの一週間を淡々と描いた話だ。あ、書いてても面白そうでもなんでもない。 最近は面白くないともてないっていう全国大阪化現象が起こっているが、何だか面白いというより無理矢理明るく振る舞う痛々しさまで感じる時がある。「こんなに楽しい訳がない」と思う程病的に明るいと感じる時がある。そういうおかしさではなく、ユーモアというのがピッタリ来る映画で、とても好きなのだ。 大爆笑じゃない、大泣きする訳でもない。強いて上げれば本当に幸せな瞬間って、こういう何でもないありきたりな瞬間なんだよね、なんて、どっかの立ち呑み屋で隣り合わせになった親父に言われそうな感想をポツリと言ってしまうような映画なのである。愛すべきちょっと何かが足りない不完全な人達の一週間。 どこにでもいそうで、どこにでもありそうな瞬間を輝かしい一瞬として切り取る映画ならではの醍醐味というか、そういうのがキラリと光る映画なのである。いとおしい小市民のちょっとした数週間を描いた抱きしめたくなる映画。そうそう、かのDホフマンが惚れ込んで「レインマン」の監督を依頼したという逸話があったじゃないか。そんな映画である。僕はこの映画を時折観ると思っている。ちょっと寂しい時、ちょっと嬉しい時、そんな時にきっと元気をくれる映画なのである。みんなに是非是非観て欲しい隠れた名作。ほんとに、これが手には入ってホッとしている。 |