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モロ出し本能の時代襲来か? 〜Jリーグ嫌いの素人サッカー観戦記〜 |
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オリバー・カーンである。ゴリラに似てるとか、額が出てるとか、色々言われている。決して、一時期隆盛を誇ったオリバーくんではないのである。 ワールドカップの最後、多くの人の記憶に残ったのはカーンに違いない。カーンである。大好きな映画「ゴッドファーザー」の一番好きな役は、ジェームス・カーン扮するソニー兄さんである。何か強そうだ。 素人が見ても凄い個人技、きっとサンバを愛して止まない男達ブラジルを当初応援していた。守りばかりが目に付き、チームでの勝利を主とするゲルマン民族ならではの戦い方のドイツは、どうもいけ好かなかった。 それに比べてブラジルはどうだ。まずロナウドである。子供顔だ。勿論、あの髪型に言いたい事は沢山あるが、あんな髪型しなくても子供顔じゃないか。ましてやインタビュー等詳しく聞いた事もないが、シュートの秘訣は?等と聞かれた日には「足を上げてね、爪先でこうパーンと力一杯蹴ればゴールに入るんだよね」なんて長島ばりの答が返って来そうな顔つきじゃないか。しかし、それ以上の男がいる。ブラジル最注目ロナウジージョだ。城戸真亜子かと思う顔つき。やたら目に付く出っ歯。醜い。こんな醜い顔をしながら鋭いシュートを繰り出す所に夢がある。ペナルティで退場させられてもヘラヘラ笑っている姿は、末恐ろしい楽天家とも言える。子供のようにコーチに抱きしめられ猫の如くうっとりした顔をしている所なぞ、まさにラテン。いやファンキーと同列と言っても良い純度100%のラテンフレイバーを感じはしないか。 アイルランド、セネガルと応援し、結局負けてしまったからには、このラテン国家を応援せずして何処を応援する、とまで思っていたのだ。 だが、最後に強烈な印象を与えてくれたのはカーンだった。世界最強のゴールキーパーが自身100%の力を出したとしても勝てるか分からない。それ位ブラジルは素晴らしいチームだと言い放った上で、肝心の所でミスをした。誰もカーンを責めはしない。最もカーンを責めたのは、間違いなくカーン自身だ。そのストイックなまでの姿勢。あたかも自分自身のミスが敗北を招いたと言った、ある種傲慢な思い込みもカーンなら様になる。まるで作られたドラマのようなラスト。あらゆる知性と理性で守る大人と本能こそが最大の武器と言った風なロナウドの一対一の対決。ここに運命の悪戯がある。子供が勝つのだ。 素晴らしいラストだったと思う。本能が勝つ皮肉がラストを盛り上げたんじゃないだろうか?理論や理性を武器としたフランスやドイツより、本能を剥き出しにした万引き犯まで出場したセネガルや子供王国ブラジル、ヒロポンでもやってそうなハイテンションだった韓国の勝利。日本は、勿論理性の側だった。 しかしラストで主役を奪ったのは理性さえ越え、本能を理性の上に成り立たせたカーンだった。ブラジルには勝利と名誉がある。ここは一つ、カーンにこそ花束を。 |