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たけしの意見を有り難く聞いてはいけない 〜カウンターカルチャーが王道になっている時代について〜 |
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僕達の世代。大雑把に言うが現在20代後半から30代前半の主に男性にとって、ビートたけしは世代を語る上で欠かす事が出来ない存在であるのは間違いない。 爆笑問題の太田にいたっては「影響を受けているのは否定出来ない。早く死なねえかな」という最大の賛辞を捧げていた。これは冗談でも何でもなく間違いなく誉め言葉だ。 かくいう僕もビートたけしに大きな影響を受けている。ひょうきん族は好きではなかったが、オールナイトニッポンや元気が出るテレビ等は楽しみな番組だった。木曜の深夜イヤホンをつけて布団の中でこっそり聞いたオールナイトニッポンで学んだ事は多い。あれだけ多忙な時期に関わらず、非常に多種多様の本を読んでいて、2時以降はかなり真面目な話題をしたりするのが格好良かった。面白くて知的でいたいなあ、と朧気に思ったのも、そんな時だった。進化論の話や帝国主義の話。はたまたゴッホの話などもしていたのを思い出す。 しかし人気絶頂だった頃のたけしは、PTAの格好の標的だったし、フライデー編集部への襲撃。その毒舌を批判されたり、過激な発言、たけし軍団を使った熱湯風呂など、それこそ親達は子供達への悪影響を憂えたものなのだ。そして、僕らは、たけしのそんな過激さや社会の規範からはみ出た行動に惹かれた部分もあるに違いない。なんだかんだ言って前科があるし、芸人であるのだ。 結局ビートたけしは、カウンターカルチャーのヒーローだった筈だ。ところが、今や政治家にしたいナンバー1だったり、彼の発言に納得したりしている。W杯のロシア戦の監督は宗男にするべきだ、なんて発言まで有り難がる始末。決してたけしが悪いのではなく、周囲がたけしを奇妙な存在にしているのではないか、と思えてならない。 たけしが言ってる事は、あのオールナイトニッポンで深夜2時に話していたような事ばかりなのだ。それを有り難がって、核心を突いた発言等と言っても仕方がないじゃないか。それより、彼の発言を「そういう考えもありだよね」と笑うのが正しい。 たけしに影響力があっても、サブカルチャーの域を出てはいけない。本来なら権威があって、それを笑い飛ばす存在であって欲しい。今、たけしが笑い飛ばす権威がないのだ。その事が問題な気がしてならない。そんな事を思うのである。 |