| (自分達のアルバムについて) 「素晴らしい曲ばかりで、こんなに満足している自分に驚くよ」 「クラシックとして残るアルバムの1枚を完成させたことが、本当に嬉しいんだ」 「世界一になっても決しておかしくない内容さ」 「俺たちの曲はみんなに喜びや感動を与え、そして共感してもらえる力を持ってるからね」 エトセトラ、エトセトラ・・・。 いまこうやって書いていると、思わず赤面してしまいそうな、発言の数々。 上記の発言を、100%本気で言ってたら、それはたぶんバカである(悪い意味ではないけどね)。 そして、マルコム・カーソンは、決してバカではない。 日本ではアルバムもライブも好意的に受け止められ、当時はUKNo.1新人なんじゃないか、と言われていて、イギリスでもそうなんだろうなぁと疑いもなくわたしは思っていた。だけどあとで雑誌で知ったんだけど、どうやら実はそうではなかったらしい。 といっても、別に彼らがイギリスのオーディエンスに受け入れられてなかったというわけではなく、ライブハウスはいっぱいだったらしいし、人気はあったんだと思うんだけど、冷淡な対応をしていたのは、クーラシェイカー時代のクリスピアン・ミルズが「世界最悪」と評していた、イギリスのプレスだった。 日本の某雑誌によると、原因は、バンドが一時期マネージメントを失っていたこと、メジャーレーベルに所属していたこと、らしい。後者はよくわからない理由なんだけど、つまり「新人のクセにアメリカのメジャー(ワーナー)と契約してるなんて、生意気、面白くない」ってことなんだろうか? 理由はともかく、本国のプレスに嫌われてるのを自覚していたマルコム君が、心の底から「俺たちは必ず成功するんだ」って、自信満々で信じきっていた、とはとても思えない。確信って、6割くらい(勝手に推定)だったんじゃないかなぁと思う。 じゃあ、あとの4割って、なんだったんだろう。 虚勢だったんだろうか。ポーズだったんだろうか。 うん、もしかしたらそうなのかもしれない。でもそれは、外に向けられたものではなかったのだと思う。 マルコム君の「俺たちは絶対成功する!」的な発言の数々は、全部そのまま自分に向けられたものだったんだと思う。逆境の中で歩き続けるのは難しい。卑小なわたしなんかは、壁にぶつかるとついつい言い訳を考えてしまうものだけど、マルコム君は言い訳をする隙間もないように、自分を追い詰めてたんじゃないかな。 彼は言っていた。「俺は俺以外の何者にも口を挟んでもらう必要がないんだ」と。自分で自分の背中を後押ししていたのだ、みんながいう「ビッグ・マウス」によって。 マルコム・カーソンというひとは、わたしの憧れである。先が見えなくても、周りの状況が良くなくても、自分の足で、自分の力で、10年間歩いてきたマルコム・カーソン。彼の名前がシーンの中で聞かれなくなっても、今だって歩きつづけているに違いないんだ。今までだって、そうだったんだから。 彼のインタビューでとっても好きな言葉がある。 「目標はできるだけたかいとこに定めてるよ。そう、星までね」って。 なんて素敵なビッグマウス!夜、星を見たら、そこにマルコム君の目標がある。 ![]() |