現在書きつつあるところ
世界で二番目の量産型・ソリッド・スパニッシュギター
第二次世界大戦以後のことであるにもかかわらず、情報が混乱し、C.L.Fender 自身が Broadcaster を 1948年に発売したと証言した時期もありました。 現状の定説では、1949年Esquire発表、1950年発売やや遅れてTelecaster (Broadcaster)が発売のようです。
最初に2PUsのEsquireが発表されたが、 トラスロッドがなかったため量産に至らず。 トラスロッド入りがBroadcaster(のちにNocasterを経て、Telecaster)として量産、 Esquireは1PUのモデルの名称となる。 この経歴からすれば、Telecasterが “世界初の量産型・ソリッド・スパニッシュギター”と呼ばれるのは なんの問題もないでしょう。
ほぼ完成されたギター
発売(発表)当時から基本仕様にほとんど変更がなく、ほぼ完成された状態で発表されたギター。 サン・テグジュペリ(星の王子さまで有名なパイロット)の言葉に、
Perfection is reached, not when there is no longer anything to add, but when there is no longer anything to take away.
完璧とは、 何も付け加えるものがなくなったときではなく、 何も取り去るものがなくなったときに達成される。とあります。 Telecaster は(センターピックアップを含め)なにも取り去るものがない完成されたギターです。
回路に関しては2回の変更をへて 現在の回路になっているが、 それ以外は基本仕様のまま。 ボリュームポットとトーンポットの位置も完璧で、 演奏中に右手が当たって動くほど近くなく、 ヴァイオリン奏法やワウワウ奏法が出来ないほど遠くない。 ボディーはちゃんとカッタウェイもあって、必要十分なデザイン。 シンプルなので色々改造して遊べてしまうというはメリットなのかデメリットなのか。
特別な存在
Telecaster を究めたプレイヤを Tele-Master と呼ぶが、 このような呼称が存在するのは、ギターの歴史において Telecaster だけである。
個性のあるピックアップ
エレベータプレートに載ってブリッジプレートから吊下げられた(スティールギターを意識した) リアピックアップと、メタルカバー付のフロントピックアップ。
個人的ピックアップテスト
個人的に手元の Telecaster(s)でピックアップのテストをしてみました。 条件を同じにするために、Roland Blues Cube 30 へ直結して、 以下の設定で試しました。
- Normal Channel
- Volume: Full
- Bright: off
- Bass: 0
- Middle: Full
- Treble: Full
- Presence: 0
- リア
- Texas Special(Fender)
- ピッキングハーモニクスやチキンピッキングで いかにも Telecaster という音になります。 個人的にはこれがリアにはベスト
- Vintage '54 : STL-1 (Seymour Duncan)
- ピッキングハーモニクスやチキンピッキングで
いかにも Telecaster という音になります。
Texas Special とほぼ同じ感じですね。
値段はこちらの方が安いかも。
大阪〜神戸では入手のしやすさは Duncan の方に軍配が上がります。 - Quarter Pound (Seymour Duncan)
- パワーがあるというか、中低域がしっかり出ます。 好きなんだけど、ちょっと Telecaster 的でないかも。 金属製のエレベータプレートがない時点で間違ってますね。 まぁ、フロントにハムバッキングを入れた場合は バランスを取るという意味でこれかな。
- Tex-Mex(Fender)
- ううん、パワーは無いし、パッキィーンってのもない これはちょっとねぇ、という感じ。 そもそも、Telecasterのリアなのに、 金属製のエレベータプレートがない時点で間違ってる。
- American Standerd(Fender)
- Tex-Mex との違いが判りません。 そもそも、Telecasterのリアなのに、 金属製のエレベータプレートがない時点で間違ってる。
- フロント
- Quarter Pound (Seymour Duncan)
- 長年 ES-335 スタイルでブルースをやってる身としては このパワーがちょうどいいという感じですね。
- Texas Special(Fender)
- いいです、これでも使えます。でも Quarter Pound を使ってしまうとアンプの Bass を 1/4〜1/2 ほど上げたくなりますね。
- Texas Special for Stratocaster(Fender)
- 一見トレブリー、でもローもちゃんと出ますね。
トーンを少ししぼると Tele のフロントの音になります。
ちゃんと Stratocaster での評価をしてないのでなんとも言えませんが、
これはこれで使えます。
Jerry Donahue がフロントにStratocasterのマイクを入れてますが、 これで「TelecasterのワイルドなトーンとStratocasterのウォームなトーン」 が得られるそうです。4回路5接点5段スイッチに抵抗やコンデンサが付いているので、 プリセットトーン的な回路が入っているようです。フロントのコールド側がスイッチに 配線されているので直列は使えるのでしょう。5つ目のポディションがプリセットなのかも。 - American Standerd(Fender)
-
パワーはないし、なんか個性を感じることが出来ませんでした。
American Standerd がフロントとリアに入っている状態では、 「あれ、トグルを切替えても音が変らない」って気持になります。
- 番外
- P-90 (犬の耳)
- テスト中にちょっとフェイントで P-90 を標準搭載しているEpiphon Casinoを 繋いでみたのですが、このマイクって結構パワーがあるんですね。 P-90(石鹸) をフロントにセットした Telecaster もあるので、 そのうちそういう Telecaster もあればなぁ、と考えています。
ということで、個人的には(ブルースをするなら)以下の組合せが今のところベストなのかもしれません。
- フロント
- Quarter Pound (Seymour Duncan)
- リア
- Texas Special(Fender) or STL-1 (Seymour Duncan)
Telecasterの回路
Telecasterの回路は以下の3種類がありました。 現行製品は Type IIIです。 (回路図のトグルまわりは電気的に同じ機能になるように書き直しているものがあります。 オリジナルは回路図の書きやすさよりも、実体配線図の美しさ(作業効率)を優先しています。)
- Type I (〜52年途中)
F(Bass Tone) / F / R(Fをブレンドで足す)
- Type II (52年途中〜67年途中)
F(Bass Tone) / F / R
- Type III 67年途中〜 (現行)
F / Mix / R
Bass Tone は フロントピックアップに 0.1μF(104)のコンデンサを並列に接続した状態になります。 さすがベースのいないバンドでベースの代わりを想定した(らしい)だけに、 低音弦は渋い音になりますが、高音弦はおもいっきり音量が低くなります。 低音弦のバッキングやハーモニーシャッフルなんかには最高ですね。 全体の音量も下がるので、Bass Tone でバッキング、他のポディションでソロ という使い分けをすると便利かも。
なお、Telecaster Custom(セル付きTelecaster)は Telecaster & Other Guitars(Guitar Magazine Mooks, the Fender2:リットーミュージック:1993)を 見る限り、Type III の回路になってるようですが、 1960の一本しか掲載されておらず、 これがオリジナルか極めて初期に改造されたものか判別できません。 仕方がないので、コントロールパネルの下に 6P のスナップスイッチを内蔵して、 Type II と Type III を 切替えれるようにしました。 結局、Type IIの方が使いやすいので、 Type II専用にしました。