世の中、Green Dayを誤解している人間が多すぎる。メロコアブームの一番手、 格好パンク、一発屋、Basket Caseだけ、とかいくら挙げてもきりが無い。 確かにそう思いながら見れば簡単にそう見えるし、実際本当に そうなのかもしれない。でもな、Green Dayはいいんだよ。あまりにも強引 過ぎる極論かもしれないけれど。Green Dayはいいの。今の若いやつら だったら誰もが感じている退屈や無力感、閉塞感、虚無感、輝かない明日 みたいなネガティヴな要素をあまりにもポップなメロディと疾走感に満ちた スピードにのせて、自分自身を嘲笑うかのようなユーモアと開き直りを 凌駕した究極のポジティヴィティと共に僕達に届けてくれる、最高じゃねえか !おまけに最新作”Nimrod"ではメロコアというわくを大きくはみ出して 新しいGreen Dayとすばらしい音を見せてくれたんだ。このアルバムを聴く たびに「Dookieがあんなに売れたなんてばかげているとしか思わない。 俺達は自分のすべきことをやって、次に進むだけさ。」と言ったビリーの 言葉はリップサーヴィスでも嘘でもない、真実だったんだ、と信じる ことができる。すばらしいじゃねえか!!
Green Dayは僕にとってのロックの初期衝動である。めちゃくちゃ個人的な 見解だけれどGreen Dayは僕の中でそう位置付けられた。ここからは個人的な 回想なのだが、中学時代、僕は怖くてブルーハーツをまともに聴けなかった。 高校にあがってちょっとしてから聴いたら、死ぬほど凄かった。やられた。 それが僕にとってロックの初体験、そして初期衝動だった。そして ブルーハーツが解散してからはじめて洋楽をあさりはじめ、Green Dayを 知ったのが大学に入ってから。もう凄かった。忘れていた何かを彼らは ブラウン管の中から、ステージの上から吐き出していた。これが初期衝動 というもの、そのとき初めて気がついたんだ。
彼らの音楽は、Sonic YouthやBeck、Bjork達のように全く新しい未開拓の音 を作り出すクリエイティヴな才能に長けたものではない。ところがメロコア というものはむしろその対極に位置するものであり。それゆえに僕自身も メロコアから遠ざかり、クリエイティヴなものに耳を傾ける日々が続いた。 と言うより、続いている。メロコアのいつまでたっても全く開拓しない、 進歩の無い部分に嫌気がさしたんだ。しかし、だからこそHitchin' A Ride はカッコよかった。Brain Stewは重く響きつづけた。Redundantは、 Good Riddanceは心の中で鳴り止まなかった。彼らのただのパンクバンドで い続けるなんてつまんないという革新への欲望が作り上げたNimrodは だからこそ名作だったのだ(Brain Stewは違うけど。)もちろん、他の パンクナンバーは取るに足らないものだなんていうことは無い。ネガティヴ に走った歌詞と明快過ぎるポップなメロディとの摩擦が生み出すアンバランス によって感じることができる哀愁が、僕を捕らえて何年も離さないのだ。
Green Dayの次のアルバムは自らが作る映画のコンセプトアルバムに なるらしい。はは、Primal Screamみたいだな。Nimrodから映画のコンセプト アルバム、いったい彼らはどこへ行くんだろう。いや、どこまでもいって ほしい。どんどん変異してどんどん強度を増して、どこまでもいっちゃって ほしいのだ。