荒涼園園丁日記 1999年7〜9月 |
9月30日(木)
「堕天使殺人事件」角川書店
11人のミステリ作家によるリレー小説。これはすごい。各作家が、自分の前の展開を元に推理しつつ、新たな謎を仕掛けて行くのだから実に濃い内容なのだ。篠田真由美の担当の章では銀髪の○○○○が登場して、おおっと思う。
近刊篠田真由美「彼方から」講談社はその○○○○が登場する歴史小説。これから読むのが楽しみ。
9月27日(月)
今日は出張があったので前もってレコードマップを読んで中古レコード店の場所をチェックする。仕事を終わったあと食事に誘われたので、先方が仕事の片付けをする間の時間をもらって(30分)、レコード店に走るとともに他の買い物を済ませる。レコード店には残念ながらXTCはなし。X〜Zの棚にずらりとベンチャーズがあった。
アン・ライスのコミックス版「The Tale of The Body Thief」が米国で刊行。毎月1冊ずつ発売され全12冊で完結。アマゾン・コムでは今のところ取り扱っていないが、出版社の住所が分かったので、有隣堂に再注文するつもり(先週、注文に行ったら出版社の連絡先が分からないから取り寄せできないと言われたのだ)。
出版社: Sicilian Drangon Publishing
住 所: 1239 First Street
New Orleans LA 70130
ちなみにこの住所をお知らせしてくださった方は米国のコミックス店COMICS & COMIXで見つけたとのこと。
2502 Telegraph Ave.
Berkeley CA 94704
TEL: 510-845-4091
佐藤亜紀「でも私は幽霊が怖い」四谷ラウンド
久々の佐藤亜紀のエッセイ。今回は旅行、美食編。あと9月に音楽、映画編、11月に書評編が刊行される。旅行編を読んだら、その昔、海外取材を依頼しておきながら「佐藤さんはどんな本を書いているのですか。本を送ってくださいよ」と言ったという失礼な雑誌が分かってしまった。なるほど。
北川歩実「透明な一日」角川書店
ここのところ忙しかったので、とりあえず備忘録。INROCK今月号のお便り欄にフジロックレポ掲載。この日記8月3日の文を少し書き直したもの。足し算のできない私はフジロック動員数を間違えている。正しくは3日間で7万2000人。
先週買ったCD♪♪♪
XTC HOMESPUN Apple Venus Volume 1のデモ曲集。
THE BEATLES
YELLOW SUBMARINE
ディスプレイされていた黄色い潜水艦はきっとマニアの争奪戦の的。XTCはなくて幸いというもの。
OCEAN COLOUR SCENE ONE FROM THE MODERN
読んだ本。
二階堂黎人「クロへの長い道」双葉社
幼稚園児が主人公(笑)のハードボイルド短編集。表題作は血族物のハードボイルドのよくできたパロディ(でも探し物はすぐに分かった。この短編はその辺は主眼じゃないと思う)。
依井貴裕「夜想曲」角川書店
読んでいて違和感があったところがメイントリックで、なるほどと思わせる。ただ私は物語好きなので、たんたんとしたこの書き方はちょっと乗りにくい。ただしトリックはよく考えられていることは確か。
昨日は「オースティン・パワーズ・デラックス」を見る。前作はギャグのテンポの遅さに(あと2秒早く展開して!)ひいていたのだが、今回は実に好調。きれいなおねえさんがいっぱい出てくるし、タイムマシンで生じる時間矛盾をあっさり解決してくれるし(次の作品では3人の彼をどうやって処理するのだろうか?)、ミニミーは不気味にかわいいし、SWを抜いてしまうのも納得。私はパロディの元ネタを知らないが、知っている人にはたまらなく楽しい作品だろう。
買うだけで読み終えていなかった本を次々に読了。
西澤保彦「夢幻巡礼」講談社ノベルス 「嵐の山荘、密室殺人、人間消失。戦慄の西澤マジック」帯の惹句より
確かに本作の事件のトリック解決の仕方は、西澤作品ならでは(今まで西澤作品を読んだことがない人は怒るかもしれないけれど、ちゃんと理にかなっているんですよ)。母子関係を描いた最近のミステリ作品では篠田真由美「原罪の庭」講談社ノベルスが秀逸だったが、「夢幻巡礼」もなかなかのもの。ただ、私としては母子関係の肌触りは「原罪の庭」の方が近い。これは男性と女性の違いか? 子供を自分の身から分裂したものと感じる女性と、自分は独立した存在(ただし元いた母への帰属感はある)であり、自分の身から分かれて生まれる他者=自分を持たない男性との違いかもしれない。
北村薫「盤上の敵」講談社
この作家は優しい顔をして、恐ろしいことを書く。何人かの視点で話が進むので、話者のトリックが隠れているのだろうと思っていたら、終盤、すごい展開を見せてくれる。しかしながら最後の章はひどく切ない。(ストーリー展開は、これから読む人にもったいないから書かない)
倉阪鬼一郎「田舎の事件」幻冬社
鄙を舞台にした、田舎ならでは(ムラ社会という意味では都会でも通用する。ただほのぼの感はいなかの専売特許)の怪事件簿。事件の発端がちょっとした失言だったりして、その失言が撤回できず雪だるま式に大事件になっていくところは、おかしい、じつにおかしいのだが、笑い話にするには妙に無常感があって、これが毒にもなっている。
………
13日に英国BBCテレビで放送されたドラマ「Eureka Street」のタイトル音楽をRADIOHEADが担当しているのだが、これはクレジットされないらしい。エンドクレジットでエドがDave Mundayとギターを弾いていることだけは書かれているとのこと。
昨日は9月6日記載した結婚式。新郎新婦が同じサークル、同じ学科だったので、招待客はほとんど顔見知りで同窓会状態(親類5:新郎新婦友人(大学関係)4:高校、勤務先関係1という割合)。ふたりがつきあって○年(私の年がばれるから書かない)という長い年月を経ての結婚だったので、みな感慨深げであった。披露宴のしめくくりは先輩の「マイウエイ」熱唱で、まるでディナーショーのようで(客席の間をねり歩いたのである)、大変な盛り上がりのうちにお開きとなった。まわりの騒ぎをよそに、彼らはこのままずっと一緒にいるんだろうな、そんな気がした。
9月6日(月)
大学のサークルの同期の結婚式が土曜日にある。色紙に寄せ書きをするので、私がデザインを担当することになった。鶴の模様の千代紙と和紙を組み合わせてデザインしようと考えて、扇形を切りぬこうとするが、コンパスでの扇形の描き方が思い出せない。これはお皿をふせて描くしかないということか(さすがに数学の教科書を引っ張ってくる気力はない)。それにしてもさっきから部屋のどこかで鳴いているこおろぎの声が気になって仕方がない……。
本屋に注文していた「レコードマップ99」学陽書房が届く。これでまずは横浜の中古、輸入レコード店を覗いてXTCアナログ探索を始められる。
サー・イアン・マッケラン主演の「GODS AND MONSTERS」の配給権をGAGAが獲得したとのこと。嬉しい。
「運動靴と赤い金魚」を月曜日に見た。小学生の兄妹が主人公のイラン映画。妹のザーラちゃんが水路に靴を落としてしまって、流れていく靴を取ろうとしてもなかなかスピードに追いつかない場面は、見ていて、なんか私もこんなことがあったなあ、でも水路に靴なんて落としたことはないし、と思っていたら、おととい、風で帽子を飛ばしてしまい、拾おうとするところころ転がってつかめないという状況になって、これよ、これ、と帽子を追いかけながら思ってしまった(←悠長だけど焦っている)。
アリおにいちゃんはテストのできたご褒美を先生からもらったり、学校で選抜して出場するマラソンに出られるくらい勉強も運動もできるのに、要領が悪いところがあって、その辺はお父さんと似ているかもしれない。もっと自信を持っていいのに、すぐ涙顔になってしまって、はがゆい。(というところが実際にいそうな子供らしくていいのだけど)
ようやくXTCのインタビューが掲載されているアメリカの音楽雑誌「The Big Takeover」のバックナンバーを申し込む(ついでにRADIOHEADとレイ・デイヴィスの掲載号も)。ちょうど円高になってきているので、少しお買い得に。でもこんな小金に喜ぶより景気がよくなってもらうほうが先だ。
29日はちゃんとHOLLY WARBURTONの写真展に行けた。写真集は2万円だとのこと。作品はもちろんのこと、印刷はきれいだし、造本から考えると妥当な価格だが、2万円は2万円。アンディ・パートリッジのアートワークだったら絶対手に入れるのだが(笑)。つまり物の値段というのは、購入者がその物への幻想を抱いて決定するものなのだ(そうだからこそ6万円のナイロンバックが売れるのである)。
某BBSでYAHOOでの検索分類が話題になって、改めて自分のHPの登録を確認してみたら、SAVAGE GARDENでの分類がなくなっていた。登録してもらったときは「サヴェージ・ガーデン」と「アン・ライス」で載っていたのに。現在、「エンターティメント−音楽−アーティスト−ロック、ポップス」の中には「SAVAGE GARDEN」がない(XTCはある)。セカンドアルバムが出るというのに、日本にはSGの分類がないとは嘆かわしい。XTCにうつつを抜かしていたのがいけなかったのか。再登録をしてもらえるように、SGのコンテンツを増やさなければ。でもコンテンツ自体はSGの方がアン・ライスより充実しているのだけど。ちなみに本HPは「芸術と人文:人文:文学:ジャンル:SF、ファンタジー、ホラー:作家:ライス,アン 」のなかにある。
ポラロイドカメラを購入。試しに玄関脇の百日紅を撮る。(上の写真)
写真といえばアン・ライスの「THE VAMPIRE ARMAND」の英国版ハードカバー(最近出た英国版ペーパーバックも)の表紙の写真を撮影したHOLLY WARBURTONの写真展があと少しで終わってしまう。職場の近くだから、帰りにでも、と思っていたら、なんだか行けるのか不安になってしまった。明日ミュージック・バザール(フジロック特集)を見てから出かけようかしら。
昨日は職場で同僚と「サベージ・カーテン」の話題で盛り上がった。顔を合わせたと同時にふたりで「あれ(届いたでしょ)」「さべがっち(もだけど)」「カーテン(もらえるの)」大笑い。( )内は言わないで通じた内容。まったくもって怪しい会話だ。
今日は「サヴェージ・カーテン」プレゼント応募用紙(兼アルバム予約用紙)がCD店においてないかHMVに偵察に行った。カーテン応募ちらしはなかったが、別のSGの豪華なちらしが!!! A4サイズ片面カラーでふたりのポートレイト6点、裏面がスミ印刷でファーストアルバムの紹介とバイオグラフィー。硬めの紙に印刷されているので、ラミネート加工をしたら、立派に下敷きになるというもの(その足で東急ハンズに行けばよかった。失敗)。
今日買ったCD
PET SHOP BOYS Behaviour.
SさんからPET SHOP BOYSをすすめられて、推薦アルバムまで教えていただいたのに、メモを忘れて、えい、これにしちゃえ(時々、こういうことをする)と買ったアルバム。中古だったけれど限定盤の白いケースが素敵だったので。SGに少し感じが似ている、というお話だったけれど、スティーブン・ダッフィの方が近いかな。声はダッフィで音はもっとメリハリをきかせた感じ。転がるような声と曲が気に入ったので、次こそはお薦めの「VERY」「Actually」を買うことにしよう。
8月25日(水)
郵便版さべがっちが到着。「サヴェージ・カーテン」プレゼント応募用紙(兼アルバム予約用紙)が同封されていました。
以下応募方法を引用します。******************
10月13日発売予定のニュー・アルバム「Affirmation」を予約のうえ、この専用の予約用紙でFAX応募してください。抽選で20名にサヴェージ・ガーデンの超レア・アイテム「サヴェージ・カーテン」が当たります。
******************とのことです。
あくまでも推測ですが、このプレゼント応募用紙(兼アルバム予約用紙)はスミ印刷の郵便版さべがっちとは違ってカラー印刷なので、CD店にも配布されているのではないかと思います。さべがっちに登録していない方は、お店に予約する前に店頭チラシをチェックしてみてください。
ちなみにアルバム初回特典はポスター。「数に限りがございますのでお早めにご予約下さい」とのことです。
本来なら話題的にはNEWSコーナーに掲載すべきなのですが、この応募用紙を誰もが確実に入手できるとは限らないので、ワンクッションおいて、日記のコーナーに載せました。
本を整理していたら、佐藤賢一「王妃の離婚」集英社が2冊出てきた……。発売されたとき、「傭兵ピエール」は厚いから薄い方の「王妃の離婚」を読んでみようと思って買ったものの、忙しさにかまけて読まず買ったことも忘れ、直木賞受賞の発表があったときに、やっぱり読まなくちゃね、とまた購入してしまったらしい。
フランス王ルイ12世の離婚裁判の物語だが、これがめっぽう面白い。「法廷ハードボイルド歴史ミステリ」の傑作。パリ大の学生を辞めてナントで弁護士をやっているフランソワが、不正な裁判で被告となっている王妃を救おうとする。彼が王妃の弁護士となる決意をする場面は見物。ハードボイルド的にかっこいい。
ハードボイルドの傑作といわれている作品に登場する探偵たちは、結構無謀な行動をして、全然理性的でなくて、どうしてこんな不利益なことを考えなしにするのかなあ、と思わせる人物が多いが、このフランソワは相手を攻撃をするときに理性を備えているから、実に小気味よいし、窮地に陥ってもきっと解決するよね、と彼の能力に期待できるから理想的なハードボイルドの主人公である。
ハードボイルドと書いてはいるが、舞台は15世紀末のフランス。フランソワも頭を剃って僧服を着た47歳のおじさんである。
ホームページを少しばかりリニューアルした。あとリンクページも作りなおしたいところ。XTCの年譜を作っていたら、デイヴ・グレゴリーの誕生日が私と同じということに、初めて気がついた。同じ誕生日だと性格が似るとするならば、彼がXTCをやめた理由がわからないでもない。
トマス・ホーヴィング「にせもの美術史−鑑定家はいかにして贋作を見破ったか」朝日新聞社
元メトロポリタン美術館館長による歴史的美術贋作と鑑定にまつわるエピソード集。美術館でまじまじとありがたく拝見した美術品が偽物だったときの、身の置き場のなさはあるにしても、自分自身が金銭的及び学術的に騙される可能性がないので実に楽しく読んでしまった。
今日買ったCD
XTC BBC Radio 1 Live in concert
Catatonia Way beyond blue と Tourist
今日はXTCの「BBCラジオ ライブ イン コンサート」を買うことができました。大きな音で聴いてライブの雰囲気を味わっています。いいライブバンドだったものです(ライブをしなくなってからのレコーディング・アーティストとしてのXTCの方が音としては好みだけども)。それからなぜか97年発行の別冊ミュージックライフ「ザ・ディグ」のXTC(ミニ)特集号。HMVにバックナンバーが突然置いてあるのも不思議だけども、つまりは私のために用意されていたということでしょう。(←自分本意)
9月17日に発売になるデモ集「Homespun」も限定盤をちゃんと予約し直したのでひと安心。
13,14,15日と東京に泊まりで遠征し、XTC「Mummer」のアナログと「Oranges&Lemons」限定盤を入手。「Oranges&Lemons」限定盤は雑誌の付録のような小さい箱に、ちんまりとミニCDが収まって、とってもかわいい作りで、「小さい箱」好きの私としては嬉しい限り。
新宿ルミネホールで開催された「ミュシャが愛した光と時代」展はアールヌーボーのポスターで有名なアルフォンス・ミュシャが撮影した写真の展示。絵の下絵のためのポーズ写真はそれだけで「絵」となっている。イーストマン・コダックの小型カメラを入手した彼はほとんど毎日撮影し、現存するものでも2000点ほどあるとのこと。2000年にはチェコに彼の大々的な記念館がオープンするらしい。会場で流されていたビデオには、プラハはもちろんのことブルノ郊外のクルムノフ城までロケがなされていて、懐かしくて仕方がなかった(かつて「スラブ叙事詩」を見るために苦労して行ったから)。
東京都現代美術館「身体の夢 ファッションor見えないコルセット」 コルセット以前、以後、そして現代の揺らぐ身体とファッションの関係を展示。素朴な疑問がひとつ。なぜファッションの歴史は女性の服で語られるのだろう?
数年前に見に行けなかった「モードのジャポニズム」展の図録とワコールに注文して品切れだった「華麗な革命」(1715-1815年の衣裳図録。清水玲子「月の子」の「お姫様ドレス」はこの本が使われている)を現代美術館の売店で買えて嬉しい。
殊能将之「ハサミ男」講談社ノベルスで引用されているXTCの曲は次のとおり。
SCISSOR MAN (Drums and Wires収録)
COMPLICATED GAME (Drums and Wires収録)
THANKS FOR CHRISMAS (Rag and Bone Buffet収録)
おまけにXTCの架空コンサートの描写まであるから念が入っている。
ストーリーは、「ハサミ男」と名づけられた連続殺人者が、自分の犯罪を真似た犯人を探すという(……)もの。ストーリーのひっくり返し方が丁寧だ。たぶん今年刊行されたミステリの中でも話題になるのではないだろうか。昨日の日記に書いた「英国ポップアーティストXTCの曲をモチーフにしたこの『ハサミ男』は…(以下略)」が実現しそうでうれしい。殺人話に曲が使われるのもなんであるが、「マザー・グースはマーダー・グース」というくらいだから、XTCもマザー・グースレベルの曲ということで。
昨日は念願の「スター・ウォーズ エピソード1」を見る。アミダラ王女は阿弥陀からの引用ですね。
8月10日(火)
日付が変わったことなので、10日分の日記(夏休みの宿題じゃないんだから、早書きをしなくても…)
講談社ノベルスから出ている「ハサミ男」はなんとXTCの曲がモチーフになっているらしい。この本が書評に書かれるときは「英国ポップアーティストXTCの曲をモチーフにしたこの『ハサミ男』は…(以下略)」となるのだろうか。いいなあ(うっとり)。編集部の評価は高かったから、読むのが楽しみだ。実は編集部が作者に連絡を取ろうとして作者転居のため電話がつながらず、電報も住所不明で戻ってきた、という後日談が印象に残っていたりするのだが(笑)。
それにしてもこういう風にXTCに貢献(?)することもできるのだなあ、と感心しているところ。
今日は「スター・ウォーズ」を見る予定だったのに、残業で見られず。7時15分からだから、少し残業しても大丈夫と侮ったのがいけなかった。10時まで仕事が出てくる出てくる。出される仕事をしないと、これを代わりに上司がやるのだと思うと、単純作業であるだけにあまりに不憫で、ついつい引き受けてしまう(今は元気だからできる)。
帰りに近藤史恵「カナリアは眠れない」祥伝社文庫を読む。電車の行きかえりでどうにか1章を読み終わる、という長大な作品が多い中、読み始めてその勢いで読み終わる、というのが実に快い。昨年の「散りしかたみに」といい、彼女は短く(といってもれっきとした長編)物語を語る方法というのを心得ている。買い物依存症や拒食症の若い女性が登場して整体師に心まで治療される、という筋立ては、なんとなく吉野朔実「恋愛症候群」を彷彿させる。とにかくどこがミステリ作品なんだろう、と思っていると、最後であっと言わせてくれるからうれしい。超ど級の「あっ」ではないのだが、そのへんのつつましやかさが好きである。
さっそく今日はバーナード・バトラーのアルバムを買いに行く。フジロックでバーナード、バーナード、と繰り返していたので、同僚がさっそくスウェードのファーストとセカンドのアルバムを貸してくれた。メロディはいいのに、ボーカルの声がちょっと辛い。慣れれば平気なのかしら?
今日買ったCD
Bernard Butler People Move On
Belle and Sebastian Tigermilk 素敵なジャケット写真だと思って裏を返したら、みみずがのたくったような線のイラストが……。このギャップは何?
Hevia Tierra de nadie スペインのバグパイプ奏者のヒットアルバム
苗場のフジロックから昨日戻ってまいりました。3日間とも好天に恵まれたおかげで日焼け(でも帽子、手ぬぐい覆面、サングラスで怪しい人をやったので、黒焦げにはなりませんでした)&髪が茶パツになってしまい、帰宅した足で美容院に行って髪を切ってトリートメントをしてもらってきました。
とても気持ちがいいフェスでした。のべで8万人が集まったのにもかかわらず、ゴミがほとんど散らからず、分別回収ができて、来ている人みんながのんびりとなごやかに音楽を楽しんでいて、こんなにいい雰囲気ならば、わざわざ外国のフェスにまで行かなくてもいいわと思いました。
そしてライブですが、思いもかけずよかったのが、バーナード・バトラーです。彼のアルバムは好みではなかったのですが(ちょっと重たいギターで、声もぼそぼそしていたので)、生演奏を聴いて、評価が一変しました。なんといっても彼のギターはかっこいい!!! 歌声も張りのあるいい声で、CDと全く違った印象でした。本当に彼のライブを聴けてよかったです。
ホールのキャンセルの代わりの出演だったので、始まる直前までライブエリアに人が集まらず、おまけに雲行きまで怪しくなって雨がぽつりときたときは、人が引いてしまったらどうしようかと心配してしまいましたが、演奏と同時に雨があがって、ギターを弾き始めたらもう独壇場でした。
カタトニアは、もうボーカルのケリスがかわいいです! 評判どおりライブ中にワインを飲むのですが、あれはたんなる水がわりなんですね。子供のような舌足らずな声から、どすのきいた声まで楽器のように自在に変化させて、曲に命を与えていました。
暑いものですから、帽子をかぶらない観客はタオルを頭にかぶっているのですが、それを真似てタオルを頭に巻いて「ニューファッションね」なんて言って、うー、かわいいですう。これが白いドレスと似合っているんです。よく考えたら欧米の人はタオルを姉さんかぶりにはしないのですね。もしかしたら、英国で「ケリス巻き」とか言って流行るかもしれません(笑)。
レイ・デイヴィスは、生成りのスーツと帽子で登場して、さらっとギターを演奏をして「ストーリーテラー」風に歌ってくれました。今回のフジロックのなかでいちばん肩の力が抜けたアーティストだったように思います。
「ウォータールー・サンセット」を歌ってくれましたが、あのロンドンの喧騒と川岸の空間とが見えて、昼間の暑いさなかでしたがちょっとだけロンドンにいる気分になりました。
あとは、
スカンクアナンシーのボーカルのスキンがかっこよかったです。
ケミカルブラザース。グリーンステージが巨大なダンス会場と化しました。(芝生に寝転んでいると踏みつけられそうなので、持参した椅子に座って嵐が過ぎるのを待っていました)
ブラーは過密スケジュールのせいで調子が悪かったようです。たしかにTenderはデーモンの声がかすれて伸びがなかったのですが、でもアルバム収録よりも暖かみのある声と演奏で、テンダーの歌詞の意味からしたら、これはこれでいい公演だったように思います。
キヨシローが君が代を歌って、観客が立て揺れで踊っていました。
ZZTOPはおやじパワーに圧倒されました。さすが大トリを担うだけあります。
7月28日(水)
いつになく旅行の準備が早くに済んだ。海外旅行に行くときより荷物が多かったりするが、陸の孤島に行くと思えば仕方がない。食料は食べてしまえば帰りは軽くなるし。
というわけで7月30日から8月2日までフジロックフェスティバルで苗場に行くので、HPの更新はお休みです。
SAVAGE GARDENのダニエルのバースデーメッセージコーナーを22日にどうにかUPできました。なぜかMさんのファイルが開かず、20日は1日奮闘しました。Mさん、お疲れ様でした。Mさんのファイルを見られる形でファイル転送をしてくださったBさん、ありがとうございました。それにしても、ファイルの後ろについていた「DAT」とは何だったんでしょう。MacとWindowsの相性が悪いにしても、うちにあるふたつのPCとも受け付けないのはおかしいなあ。
そして今日はAさんから「ダニエルに代わってお礼」ということで豪州ライブの写真をいただき、ダニエル(&SG)ファンへのメッセージとしてさらにメッセージコーナーにUPしました。天使の笑顔(ですよね〜。うっとり)をご堪能ください(Aさん、ありがとうございます)。
来週はいよいよフジロックということで慌しくなってきました。レインコート、夜食用のフリーズドライのスープも買ったし。Blurは「13」しか持っていなかったので、一緒に行く同僚から「Parklife」を借りたのですが、聴いてびっくり。なんとまあ初期のXTCにそっくり。「Garls and Boys」「London loves」なんてXTCの初期未発表作品だと言われたらそのまま信じてしまいそうなくらい(ちょっとテクノっぽい効果音が入っているので時代が違うのは気がつくけど)。アンディ・パートリッジが「Modern life is lavish」を途中までプロデュースして、結局破棄されたことは知っていたけれど、プロデュースをしなくても、ここまで似ているとは驚きでした。ビートルズから続く英国ポップの系列に気がつかされた次第。
すっかり1週間のご無沙汰。まずは先週購入したCD。
The Kinks Something else by the KINKS
The Lilac Time All for love & Love for all、 Astronauts+
Manic Street Preachers Tunami (A Design for lifeビデオ付き)
月曜日に7月16日発売予定のXTCのを予約に行ったら、9月17日に発売延期になったとのこと。延期は残念だが、奇しくも発売日が中井英夫の誕生日と同じというのが、私の機嫌をとっているようでおかしい。そして代わりに、という感じでアンディ・パートリッジによるプロデュースのThe Lilac Time All for love & Love for allが見つかったので、文句は言わないことにしておこう。
フジロック用に服と靴を買いに行ったのが水曜日。ずぼん(と書くところが私のセンスのなさである)は3年ぶりの購入(前に買ったのは海釣りに行ったとき)。それにあわせて生成りのぱりっとしたジャケットも買う。ジャケットと帽子と靴が生成りでなかなかいいのでは、と思っていたら、妹に「似合わない」と断言されてしまった。若作りだとのこと。靴も「いったいなんでナイキなの」と言われるし。分かった、フジロックから帰ってきたらあげるわよ。と書いて、今、思い出したが、今年のローラアシュレイの福袋に入っていたベージュの綿のジャケットがカジュアルで自分には似合わないからと、妹に上げたのだった。このジャケットを借りれば防寒用にぴったりだ。
夜は10度くらいになるというし、雨もよく降るというから、苗場は夏のスコットランドと似ているかもしれない。
靴を買いに行ったとき、野外のコンサートで、雨が降っても滑らなくて、靴に雨が染み込まないで、そんなに距離はないけど舗装のない道路を歩いて、会場がスキー場で……、と説明していたら、店員さんにフジロックですか? と当てられてしまった。
「anan」のバックナンバー99年5月21日号が届く。XTCのインタビューとふたりのおすすめアルバムが載っているというのに、買い損なっていたのである。きっと編集部にXTCのファンがいたのだろうなあ。でも97年の「流行通信」のオーストラリア特集号で、SAVAGE GARDENがまだ日本ではまったくの無名にもかかわらず3ページもカラーで紹介されていたのがいちばんの快挙かもしれない。
ところでアンディのお薦めアルバムはトニー・ウィリアムス「イマージェンシー」、コリンはキンクス「サムシング・エルス」。キンクスは聴いてみたかったのだけど、店頭に膨大な作品数が並んでいるんで、どれを聴けばいいのか分からなかったので、まずはこれから聴こうと思う。
中野翠「お洋服クロニクル」中央公論新社
中野氏が子供の頃から現在まで着てきた洋服を通して語る戦後昭和史。どうして私が書くと、硬い内容っぽくになってしまうんだろう。著者直筆のかわいいお洋服イラスト付きで、こんな服着ていたんだよね。こういう時代だったんだよ、とおしゃべりしている本です。これまで私は彼女は昭和28年くらいの生まれだと思っていたのだけど、23年だったのですね。私の母の子供の頃の話とだぶるところがあっておかしかった。運動会の徒競走では「足袋」をはいて走るとか、憧れの「松島トモ子ちゃん」とか。
向田邦子もそうだが、お金持ちでもなく、貧乏でもなく、つましくまっとうに生活している家庭の話が好きである。中野翠は「今ではもうたぶん死語となっていると思うが、その頃はまだ『よそいき』という言葉があった」と書いているが、我が家ではそれがまだ死語になっていない。おそらく私と妹はこれからも「よそいき」という言葉を使うだろうから、我が家のようにつましさがライフスタイルになっている家庭にはこの言葉は生き残るのではないかと思う(余談だが、我が家は未だに黒電話を使っているし、クーラーもないのである)。
今週は出張先から直帰で早く帰宅できたり、残業で12時になったり浮き沈みが激しい。なにはともあれ、XTCのアナログ「The Big Express」「Skylarking」を入手できたので、上機嫌。2ケ月前は絶対アナログには手を出さない、と自分に釘をさしていたはずなのに、このありさま。給料を国内消費に費やして景気回復の一助をしているのだと、言い訳を付けておこう。次はアナログのステレオを完備する予定。
横浜、伊勢崎町と映画館が密集しているのにかかわらず、みなとみらいにシネコンができるらしい。MMの来客を見こんでのことだろうが、近くに勤務する者としては、同じ映画を上映しても、という気持ちになる。いわゆる単館ロードショー作品を一挙上映してくれるなら、さすがと思うけれど、まず無理でしょうし。せめてひとつのスクリーンくらいはそれに当ててもいいと思うのですが。
7月3日(土)
薬を飲みつづけたおかげで咳も治まってきている。しっかり治さないと苗場に行ったとき、気候の変化で再発しかねないので、雨の中病院に行ってもう1週間分薬をもらってきた。ふらふら待合室を歩いていたら、自動販売機にJTのVICTORIAがあるのを発見。背筋のきれいなテディベアの広告は知っていたが、なかなか売っているのを見つけられなかったので、病院に来ていてなんだか得した気分になる。ミルクティーを飲んでみたが、砂糖なしでさっぱりしていてわりと好みだ。缶がかわいいので洗って持って帰る(こんなことをするから部屋にはよくわからないものが転がることになる。サントリーのペンギンの缶も転がっている)
新聞の折りこみ広告にJTBの夏休み向け国内旅行の案内が入っていた。7月17日から8月1日まで苗場プリンスで「ポケモン大会」(正式名称失念)があるらしい。フジロックとポケモンを同時に開催するとは(ひやひや)。
夏向けポストカードに「I'd like that」のひまわりをスキャナーで取りこんで印刷した。今度はどうもプリンタの調子が悪く、印刷面が汚れてしまうのが気になる。ヘッドクリーニングをしてとりあえず汚れは取れるが、今度は印刷のドットが荒くなり、いかにも自家印刷という感じになってしまう。インクカートリッジを全部使い切れば解決するのかしら。
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