インターネットにおける著作権利について

  XTCのアルバム「Apple Venus vol.1」収録の「The Last Balloon」を私が歌詞翻訳をしてHPに掲載したところ、ジオシティーズより著作権の侵害(歌詞翻訳)だという連絡が入り翻訳ページが削除されました。

私はXTCの権利を侵害する気持ちは全くありませんので、それならばXTCに著作権使用料を支払ってHPに掲載しようと日本音楽著作権協会(JASRAC)に問い合わせをしたところ、最終的回答として、現在のところ個人の無料のインターネットのHPに翻訳を掲載するのは難しいとの結論を得ました。

この辺のやり取りについては私がよく行く英国映画のBBSに書きこみをしたところですが、HPを作成している方はご自身がお作りになっているHPに掲載している著作物について、心配に思っていることと思います。JASRACとのやり取りの経緯及び、著作権についての私の考え方をこちらに掲載しますので、ご参考くだされば幸いです。 (現在、BBSに書きこんだ原稿のまま掲載しています。後日、整理をします)

参考 日本音楽著作権協会(JASRAC)ホームページ


その1

最初、私は著作権に抵触するというのを連絡をもらったとき、ポニーキャニオンの持っている版権を侵したのかと考えました。けれども日本音楽著作権協会(JASRAC)のサイトを見て、「翻訳」という行為も著作権利使用料を支払う対象であり、実のところXTC本人の権利を侵していることを知りました。つまり彼らが持っている作品が翻訳されることによって本来得る利益を、私は与えていなかったわけです。

これに気がついたとき私は、私が翻訳することで、著作権利使用料を彼らに支払うことができるのだ、ということに気がついて、反対にうれしくなりました。もし彼らの歌詞をHPに掲載する際に、必ずなにがしかの応分の代金が支払われるならば、彼らのためになるのは確かなのです。たとえばこれが山ほどサイトのあるBlurだったらそれこそ分かりやすいと思いますが、歌詞をひとつ掲載するたびに仮に1000円ほどの代金(あくまでも仮の金額)を納めるようにすると、サイトが作られるたびに彼らの安定した収入となります。

かつてJASRACが設立されたとき(類似団体だったかもしれません)、芥川也寸志が「父親(龍之介)が亡くなっても、著作の印税や著作権利使用料のおかげで生活が出来た」と、音楽著作権の確立の重要性を話していました。XTCが長くストライキをせざる得なかった経緯を考えてみれば、個人の楽しみだからいいのではないか、と考えることはできません。自分が他人の作品で楽しみを享受していながら、彼らがその対価を得ないのはやはりおかしいと思います。

(「自分が他人の作品で楽しみを享受する」ということは、たとえばカラオケを考えてください。気がつきにくいですが、カラオケ店が売上の中から支払っている著作権利使用料は、もとはといえば私たちの支払いです。カラオケ店は営業のために、その音楽の使用料を支払いますが、私たちも自分の楽しみのために使った曲にはその対価を払っているのです。その曲が存在しなければ、歌う楽しみもないのです)

もちろん一個人が楽しみで行っている行為に対してそこまで厳密に法律を適用すべきものなのか、考えないでもありません。しかしながら今回の翻訳作品自体は多くの人に見てもらいたい性格のものであるので、個人の楽しみというよりは公共性が高いものに当たると判断し、使用料をよろこんで支払わせていただこうと思います。
実のところ、ネットでの著作権利使用料がどれほどのものになるかはわからないので(今日、JASRACに電話したのに聞きそびれた)、もしかすると個人で払うには躊躇する代金を提示されて、掲載するのをあきらめるかもしれません。その経緯は今後、お知らせしたいと思います。
著作権利使用料が個人では負担になるくらい高いものだとしたら、それは個人の自由な創作活動を阻害するだけでなく、ネットで作品が利用されても著作権利使用料を支払わないままの状況に陥りかねず、そのときはJASRACに利用しやすい料金設定の要望をするなり、考えたいと思います。

今回のジオの処置は歌詞の検証をしたり、詞の翻訳をする、という行為を禁止するものではないと思います。ただ、翻訳を掲載する場合は製作者の成果物を利用するのですから、その許可が必要だということなのです。私がジオシティが不親切だと思うところは、この点においてです。翻訳を掲載するのは著作権に抵触するから行うな、というのは正しいです。けれどもそれを掲載したい場合はどうすればよいかの情報を与えるのがホームページの場を提供する会社の務めであるはずです。私は、翻訳が著作権に抵触すると知って、JASRACのページを探して使用料金を支払おうと考えるに至りましたが、他のプロバイダーにおけばいいのだ、と考える人もいます。

ネット上の取り扱いがはっきりしていない現在、それはまたひとつの方法だと思います。
しかしながらそれは一時しのぎにはなりますが、本質的な問題は解決しません。
ジオは自分の敷地だけきれいにしておけばそれでいいのか、あるいは著作権者から指摘がない限りは放置しているのか、疑問に思います。多くの人は著作権に抵触してはいけないと思いつつ、でもこれだけいっぱい掲載されているのならいいのかな、と心配しながらHPを作っています。他人の著作物(歌詞、音楽、写真、文章)を掲載するにはどのような手続きが必要なのか具体的に道筋を知らせるべきなのです。


その2


著作権利使用料を支払うことは、敢えなく断念させられました。改めてJASRACに使用料金について問い合わせたところ、個人の無料のHPに関しては徴収する料金の設定がまだできていないとのことです。これから設定するということなので、もし今から翻訳をHPに掲載したら、料金の設定ができた時点からさかのぼって徴収されることになり、その額がどのくらいのものになるのか分からない現在、個人では翻訳をHPに載せることはすすめられないとのことでした。

出版物の料金に準じる額になるか、訊ねたところ、それもどうなるか判断できないそうです。金額の確定はJASRACだけで行うのではなく、文化庁への届出・認可で決められるそうです。今後金額が決定したら、JASRACのHPでお知らせすると言うことなので、気長に待つことにします。

ということで、今のところはHPに訳詞を掲載することは断念せざるを得ません。本当にインターネットでの著作権は過渡期なのだと、考えさせられました。
しばらくは様子を見つつ、地道に歌詞の検討をしていこうかと思います。
余談ですが、JASRACに「歌詞の誤訳がひどいから、義憤を感じている」とこぼしたら、笑ってました。もしかして、こういう人って多いのかしら。

JASRACのサイトはぜひご覧になってください。著作物の引用と利用の区別(著作権法第32条等に定められた引用の要件を満たす場合は著作者権者に対して断り及び使用料は不要)や、出版する場合の使用料が意外に安いことなど、素朴な疑問がかなり解決します。



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