| SEED BED |
| まだ独立したコンテンツにならない記事のしまい場所 |
| Nine Inch Nails 14.Jan.2000 横浜パシフィコ国立大ホール | ||
| (20.March追加) | ||
| せんだって、Nine Inch Nailsの横浜公演に行ったのだが、日にちが経つにつれて考えるところが出てきたので、覚え書き。 どうも私はトレント・レズナーに無機質なイメージを持っていたようで、走り回って、メンバーをぶんなぐるというような、人間くさいことをするとは思ってもいなかったので、とにかく最初から最後まで頭の中が混乱してしまいました(だからステージが始まって最初の印象で「ふつーのロックステージ」というものをカテゴリーとして当てはめたのだが、そこにおとなしく収まっている内容ではなく、とめどなく混乱になった)。 ステージ構成は (1) ふつーなロックのステージ(水かけ、トレントのぶんなぐり)ステージ全体に照明が当たっている。 (2) 照明を落としてピアノ曲で静かな曲調に転換し、スクリーンに細胞分裂や海の映像を映し出す。 (3) ふつーなロックのステージ(水かけ、トレントのぶんなぐりはナシ。たぶん)トレントに照明。 (4) アンコール オープニングからアンコールまでよく考えられたステージ構成になっていました。 アンコールは(3)と(4)の間にちょっと休憩を入れたという感じで、最初からステージとして組まれたものです。INROCKの2月号に載っているロンドン公演と他公演のセットリストの様子を見ると、この構成で一部曲目を変えて世界ツアーをするのでしょう。 (2)以降はトレントのぶんなぐりはありませんでした(あったかもしれないけれど目につかない)。彼は他人をぶんなぐらないと気分が高揚しないのか、あるいはあれは子犬の甘噛みみたいなものなのか、全体的に「頭で考えた」ステージなだけに、トレントのぶんなぐりは不思議な感じがします。これを公演ごとにやっているとしたら、彼らの人間関係がよく分かんないです。(後日雑誌を読んだら、横浜公演では「レズナーが荒れた」という表現がされている) で、これから本題。 (1)のディオニソス的舞台のあとの(2)の展開がすごいです。 舞台に紗が降りて、それをスクリーンにして海や空の流れるような映像が映し出されます。細胞分裂や血液の循環や虫の蠢く映像が次々に映し出されました。紗が薄いので時折ライトが当てられると、演奏している様子が映像のなかにぼんやり浮かび上がり幻想的でした。この(2)は紗が燃え上がって(燃えあがる映像が映されて)、次の(3)の激しい音のステージになだれ込むという風に運んでいて、この流れはとにかく見事でした。 ただ、ここのところはよくできていると感心すると同時に考えさせられるところです。というのも、ここで使われた映像が音楽のイメージを非常にわかりやすくするものだからです。そこまでこの曲を映像で説明して聴衆のイマジネーションを規定してしまっていいのだろうか。あるいは、曲の受け取り方を規定するためにこの映像を使ったのか。映像を提供しなければ聴衆は音楽を解釈できないと考えたのか(アメリカ人の説明過剰主義か)。子供をおとなしくさせるためにビデオをあてがっているような感じもしないでもない。そんなことを思いました。 映像に使われた細胞分裂の、同じものが次々と分裂倍増していく様は、個を失った群衆を想起させます。 例えば細胞Aが分裂してa1とa2になる。次にa1、a2が分裂してa1-1、a1-2、a2-1、a2-2になるというものです。a1-1、a1-2、a2-1、a2-2はそれぞれ別個の存在であるが、総体細胞Aの中にいる限りは細胞Aの意志に動かされる。 これは個々人は違う人格を持っているけれど、「全体」という見えない意志に飲み込まれてしまっている人間の姿と同じで、人間を構成するものの最小単位である細胞(もっと小さいものがあるのだろうけど、まあ考えられるところでは最小単位ということで)をスクリーンに映し出して群衆状態の聴衆に見せることで、聴衆はみな同じ動き、心理状態に陥ってひとつの細胞Aになっている、という映像と聴衆をシンクロさせた状態を作って、かなり皮肉な光景を生み出しているように思います。 そのような映像を使ったことは、NINが今という時代感覚を間違いなく把握していることを示していてかなり評価できるのですが、音楽と映像の結びつけるというのが安易(音楽のイメージを狭めている)といえばいえなくもないので、というよりも、このNINの意図を自分では判断できないので、もどかしい気持ちがあります。 だからもう一度ステージを見てみたいのですが、舞台作品というのは再読を許さない一回性のものなので、再見はあんまり意味のないことかもしれません。 とにかく後からあれこれ考えさせられる内容でした。 というわけで、ここのところを音楽雑誌ではどう書くが楽しみにしていたのだけど、どうも私の謎の答えをくれる記事を見つけることはできませんでした。なんだかトレント・レズナー自身がインタビューで主導権を取ってしまってインタビュアーが彼の中に取りこまれてしまっている状態らしいのです。 それにしても、トレント・レズナーはアン・ライスのカヴン・パーティにはどんな風体で行ったのかしらん。 |
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