少しずつ訂正していきます。
アレクサンドル・クプリン「柘榴石の腕輪」
http://lib.ru/LITRA/KUPRIN/garnet.txt
アクーニンの「ファンドーリン」「ペラギヤ」シリーズ原文はこちら
http://www.akunin.ru/
1
8月半ば、新月になる前に、突然黒海沿岸北部特有の厭な天気になった。
時には丸一昼夜濃い霧が陸に海にと重々しく横たわり
その時灯台に大きな警報が昼夜鳴り響き、正に凶暴な雄牛の様だった。
時には朝から翌朝まで止む事は無く、水埃の様に小さい雨は小道を粘土質に変え、荷車と馬車を長い間ひとまとめにする絶え間なく密集した泥道があった。
時には北西の草原の方から激しい疾風が吹いた。
そこから木の頂を曲がり、真っ直ぐになりと揺らし、正に荒天の浪、
夜のトタン屋根の小屋に鳴り響き、誰かが蹄鉄が付いた長靴で屋根を走っている様だった。
風は窓枠を震わせ、戸を叩き、ペチカのラッパに野蛮に長く唸った。
はしけ舟に乗った数人の漁師が、海で遭難し、二人は全く戻ることは無かった。
ただ、一週間経って、海岸のあちらこちらで漁師の死体が放り出されていた。
近郊の海の療養地に定住する人達(大部分はギリシャ人、ユダヤ人)は生活を愛し疑い深い人達なので、全ての南方の人達の様に急いで町に移転した。
柔らかい砂利道には果てしなく悪い道が伸び、マットレス、ソファー、トランク、椅子、洗面台、サモワールなど家中の物を積み過ぎた荷車が走った。
残念で悲しく、そして厭なことに、濁ったモスリンを通してこの可哀相な家具に雨が降るところを見た。見かけは擦り切れ、汚く、乞食の様な小間使いと料理人は、手に何かアイロン、ブリキ缶、かごを持ち、濡れた防水布の敷かれた荷車の頂に座った。
汗ばみ無力な馬は絶えず立ち止まり、膝は震え、頻繁に鼻の横から湯気が立ち、御者はしゃがれ声で悪口を言い、雨を避けてむしろにくるまった。
さらに悲しいことに放置された小屋には、突然の広い場所と空虚で裸になった不具の花壇と打ち砕かれたガラス、見捨てられた犬、ありとあらゆる別荘の恥がでこぼこの吸殻から、紙、頭骨、小箱、薬品の泡などが見られた。

しかし9月の初めまでには天気は突然激しく、全く意外に変わった。
それ程はっきりと日が差した、暖かい7月でさえなかった様な静かな晴れ渡った日々がすぐにやって来た。
表面が乾いて縮んだ原っぱ、棘のある黄色い頬が輝き始めた雲母の輝き、秋のくもの巣、静かな機、静かでおとなしい黄葉が落ちた。

公爵夫人ヴェーラ・ニカラエヴナ・シェイナは貴族の団長の妻で、別荘を捨てられなかった。というのも都会の家はまだ修理が終わっていなかったから。
いま彼女は魅惑的な日々がやってきたことを大変喜んでいた。 静かで孤独で清潔な空気の電報で引き伸ばしたツバメのさえずり、飛び去る穏やかな潮風、海で伸びる勇気が無い。

2
それのみならず今日は彼女の名の日ー9月17日だった。幼年時代の可愛く遠い思い出、彼女はいつもこの日が好きで、この日から何かしら幸せで素晴らしいものを期待した。夫は町に急ぎの用事で朝出かけ、梨型の真珠からできた素晴らしいイヤリングを入れた小箱を鏡台に置いておいた。この贈り物は彼女をいっそう喜ばせた。

彼女はいつも家に一人でいた。彼女の独身の弟、ニカライは検事の友人で彼らと一緒に普通に生活しやはり町へ行き、裁判所へ行った。
昼食近くに夫は小数の最も近い知人を連れてくると約束した。よく外出し、名は別荘の時間と一致した。町では金を費やした大饗宴が行われた。多分ホールでさえ、ましてここ別荘では最も小さな出費であろう。シェイン公爵は自分の目に見える社会的地位に見向きもせずたぶん感謝し、何も残っていなかった。巨大な父祖伝来の名はほとんどまったく彼の、、、乱れ、高い資産で生活していた。仮収容所を運営し、慈善をし、良い着こなしをし馬など所有していた。夫人ヴェーラは夫に以前の様に熱情的愛情を、、、揺るがぬ誠実な真の愛情既に長いこと持っていた。完全な破産から公爵を支え頑張り助ける強い努力をした。彼女は多くの目立たない経済的、家事で自分を奪った。
今彼女は庭へ行き、昼食のテーブルに花バサミで注意深く切り取った。花壇は荒廃し乱雑な状態だった。咲き終わった八重のなでしこニオイアラセイトウー花の半分だけ細い緑の鞘の半分、匂いのするキャベツ、薔薇の茂み、この夏3回つぼみと薔薇が、、、しかし既に小さくなった。珍しく正に咲いていた。その代わり華麗に自分の冷たく高慢な美しいダリアを咲かせていた。芍薬と紫苑が秋の空気に感じやすく普及した。草の悲しい匂い、残りの花は自分の豪華な愛と温度の豊富な夏の母性的静けさが大地に次の生命である種を撒き散らした。
砂利道に近く、3トンのライ麦を積んだ車のなじみの音を聞いた。ヴェーラの妹が到着し、お客を迎える姉の手伝いをすると朝電話で約束をし家事をした。
鋭い聴覚はヴェーラを裏切らなかった。彼女は出迎えに行った。数分後上品な四輪箱自動車が止まり、運転手は座席から上手に跳び下り戸を開け放した。
姉妹は喜びの口付けをしあった。最も早い子供時代お互い温かく思いやりのある友情を持ち、愛着を持っていた。外面ではおかしなほどお互いに似ていなかった。年上のヴェーラは美しいイギリス人の母に似て、高貴で素直な容姿をし、優しいが冷たく傲慢な顔をしていた。そしてかなり大きな手と古い写真に見られるようなその肩の魅惑的な傾斜を備えていた。年下のアンナは反対に父のモンゴルの血、公爵のタタールの血を引き継いだ。年の初めにだけ洗礼を受けた伯父、最もタメルラン(army of Amir-Timur)まで達した村の家柄あるいはこの非常に残忍なタタールの父を名づけた傲慢なラングテミル。
彼女は姉より頭半分背が低く、幾分肩幅は広く、生き生きとした軽率な皮肉屋だった。顔はかなり目立った。頬骨のある強いモンゴルタイプで目を細めた近眼で細い目をし、小さな肉感的な口には傲慢な表現を持ち、特に下唇を軽く前へ押し出した。この顔はしかし、その微笑にある全ての悪魔の深い女性らしさ、活気に満ちた刺激的な顔の表情にある何か捉え難い分からない魅力が魅了し、彼女の上品な美しく無さは姉のアリストテレス的美しさより遥かに頻繁に強く男性の注意を引き刺激した。
彼女は裕福で愚かな人間に嫁いだ。彼は全く何もせず、しかし何か慈善事業を設立しカメルユンケルの身分を持っていた。夫に我慢ができずしかし、二人の子供には喜び、これ以上子供を持つまいと決め、持たなかった。ヴェーラの言うことには欲張って、より多くより良く子供を欲しがったが、なぜか生むことは無かった。彼女は妹のかなり貧血気味の子供を病的に燃えやすく崇拝しいつも生気の無い白い顔で人形の様な亜麻色の巻き毛で上品に聞いていた。
アンナはだらしない明るさと可愛らしさ、時には変な矛盾からなった。彼女は好んで全ての首都、全てのヨーロッパの避暑地での危険な恋の戯れに没頭したが、目で軽蔑的な笑いをする夫を裏切ることは無かった。 彼女は浪費的で運に左右されやすい遊び、踊り、強い印象、島の光景をひどく好み、外国の疑わしいカフェを訪れたが、そのとき十分に良く深い誠意のある信心深さに秀でたカソリックの聖礼を理解させさえした。
彼女は珍しく美しい背中、胸、肩をしていた。大きな舞踏会に赴き遥かに大きい教会、正当な礼儀と流行を、、、しかし彼女はいつも低く襟をえぐった剛毛製緊衣を着ていると言われた。ヴェーラは全ての冷淡で、あまりお高くとまっていない独立した帝王らしい落ち着きを単に恐れた。
3
「あぁ、神よ、ここはなんて素晴らしいのでしょう!」一頭立て馬車で姉と並んで早く小幅に歩きながらアンナは言った。「崖の上のベンチに座れるなら良いのに。長い事海を見ていなかったわ。なんて素晴らしい空気でしょう。呼吸すると心臓が活気づくわ。クリミアのミスホルで去年の夏素敵な式を開いたの。岸に寄せる波、海の水、襟も匂うモクセイソウを思い浮かべてご覧なさい。」ヴェーラは優しく薄笑いをした。「あなたは夢想家ね。」「いいえ、月の光の下に何か薔薇の影があると言ったとき、皆笑った。私には必要だと分かった。近頃芸術家のボリツキーは(私の肖像画を描いている人ですが)、私が正しかったこと、そして彼はこのことについて以前から知っていると同意した。「画家ってあなたの新しい恋人?」「あなたっていつも考え付くのね。」アンナは笑いながらすぐに崖の自分のほうに近づきながら、険しい壁の海深く落ちてから下に見、突然ひどく叫び、青白くなった顔で脇へ退いた。「なんて高いのかしら。」弱って震える声で言った。「こんなに高くから見ると、いつも何か甘く厭なくすぐったさを胸に感じるの。足で挟んだ指、そして、引いて引いて、、、、」彼女がもう一度崖の上に屈んだので、姉は彼女を止めた。「アンナ、私の愛しい人、神の喜び!あなたがそんなことをすると私は頭が回ってしまいます。どうか座ってちょうだいな。」「分かったわ、座ったわよ。なんて美しいか、嬉しいか、ご覧なさいよ。目だけでは満足しないわよ。神が私達の為になさった全ての奇跡を感謝している事をあなたがご存知なら良いのに。」少し黙って考えた。深く深く海は休んだ。ベンチから岸は見えず、無限の感覚からさらに強くなった偉大な海の広い場所、、水は優しく、静かで快活で強くただ流れる場所の平坦な線を明るくなってから、豊富で強い水平線の深い花を超えて。

漁師は小船で目で気付くのは難しい。平らな海面の普変な休止、多分船は小さいだろう。岸から近く、遠くでは正に大気があり、前に近づかず、三隻の船、全て上から下まで、単調に覆われた。風から突起した白いすらりとした帆。「私には分かるわ。」年長の姉は熟考して言った。「でも私にはあなたのようなものは無い。しばらく振りに海を見た時私は海に興奮し喜び感動したの。偉大で荘厳な奇跡を初めて見ている様だわ。そしてその感動に慣れてしまった時、自分の平坦な空虚を押し付けたの。海を見ると寂しくなるわ。これ以上見ないようにしようと思うの。行かなければ。」アンナは笑った。「何に?」姉は尋ねた。「昨夏」アンナはおどけていった。「私たちはヤルタから大騎馬隊ウチーコシュの頂上に来た。そこの山林区は高い滝がある。まず雲にあたり、とても湿っぽく良く見えず、上まで上がり突然小道を松の間の突然何かすぐに森が終わり、霧から出た。考えて御覧なさい。断崖の広場で少し呆ける。足元に、、、村には下にマッチの小箱は無く森と庭がある。なんて小さい草。全ての場所に海に下りる、正に地図。そこはさらに遠い、海、500露里、前に100、私は空気に漂い、動きがとまる。飛び出す。なんて美しいなんて軽い私は向きを変え有頂天に案内した。「何?いいですね。セイトオグラ?」彼はただ口を鳴らした。”地主、、、毎日見るよ”「比喩に感謝します。」ヴェーラは笑った。「いえ、私はただ私達北国人には海の魅力は分からないと思ったのです。私は森が好きです。イゴーラフスキーに森があるでしょう?本当にいつか退屈するかしら?松、なんていうコケでしょう。それにはえとりたけ。正に美しいしゅすの白いガラス玉から出たものだ。なんて静かで爽やかなんでしょう!私にとって全て同様で、私は全て気に入っていた。アンナは答えた。「何よりも好きなのは姉、分別のあるヴェーラです。だって私たちは世界にたった二人だけの姉妹ですもの。」彼女は姉を抱擁し寄り添った。頬と頬を付けて、そして急に気づいた。「私はなんて馬鹿なのかしら。私達は正にロマンスの中にいて、座って自然について話しています。贈り物のことをすっかり忘れていました。ほら、気に入ってもらえるか心配だわ。」
彼女は手製の袋から小さな記入用の手帳を取り出した。きれいに装丁された古く、、、、時々青いビロードに囲まれて、曇った金色の金細工の模様が、複雑ではなく編まれ細く美しく、明らかに腕利きで我慢強い芸術家の心を込めた仕事で手帳は細く糸の様に金色の鎖の様で、真ん中の白地書式は像の骨から取り替えた錠剤だった。「なんて美しく魅力的なのでしょう!」ヴェーラは言い妹に口付けをした。「ありがとう、どこからこのような宝物を手に入れたの?」「ある骨董店で。あなた、私が古いガラクタを探すの弱いってご存知でしょう?私はこの祈祷書に巡り会ったのは、ほら、ここに十字架の形が装飾してあるわ。実際私は一つだけ本を見つけ全て残りは工夫しなければならなかったの。」白地部分、掛け金、鉛筆、でもモーリネは私が彼を理解しないように私を全く分かりたくないの。掛け金はこういった形式でなければならない。全て模様で光沢の無い金、細い彫刻、彼は神がなさったと知っている。その代わり鎖は本当のベネチア製で極めて古いものだ。
ヴェーラは優しくその美しい本を撫で、「なんて深い古さでしょう!何年前のものかしら?」と尋ねた。
「正確には分からないわ。大体17世紀終わり頃か、18世紀中頃か、、、「変ね。」ヴェーラは物思わしげに微笑んで言った。「ほら、私はパンパヅドゥール公爵夫人か、王妃アントワネットが手に触れた手製の物を持っているわ。アンナ、ご存知でしょう?婦人の書き込み手帳で狂気じみた意味を祈祷書に作り変える、あなたの頭にだけうかぶ。しかしやはりそこで何が起こっているのか見に行きましょう。
彼女たちは大きな石のテラスを横切って家に行った。一面ブドウ(イザベラ)の並木が豊かに覆っている黒い豊かな、、、その実は弱い香りを発し、暗い闇に重く垂れ下がりそこここに太陽、草を金色にした。テラス一面に緑の薄明かりがあふれていた。女性の顔はすぐに蒼白になった。
「あなたここを被うことを命令するかしら?」アンナは尋ねた。「ええ、最初からそう考えていたわ。でも今夜はかなり寒いものね。食堂の方が良いわね。男性にはタバコを吸いに外へ出てもらいましょう。」 「誰か面白いかしら。」「まだわからないわ。わかるのはおじい様だけね。」「ああ、愛しいおじい様。ああ、嬉しい。」アンナは叫んだ。腕を跳ね上げた。「私は彼を多分100年は見ていないわ。」ヴァーサの姉と多分スペシニコフ教授もね。私は昨日、アンネニカ、ただ頭をなくしてしまったのよ。彼らは食べるのが大好きだってご存知でしょう?おじい様も教授も。でもここではなく町でもなく。」どんなお金のためでもなく、ルカはどこかでうずらを見つけ、知り合いの猟師に注文した。そして何か彼女たちをからかった。ローストビーフは比較的悪くないものを手に入れた。「ああ、いつものローストビーフ、素晴らしいえび。」「さ、もうそんなに嫌がらずに、あなたは心配しなくていい。しかし私たちの間ではあなたはおいしいものに目がないものね。」何か珍しい今朝は、魚が子供を産んだわ。私、見たの。正に何か怪獣のような。怖くさえあったもの。」
あんなは全ての触れる物触れない物の事に貪欲に好奇心をもち、ぼうぼう(魚)を見せるために持って来てほしかった。背が高くてひげを剃った顔が黄色いコック、ルカは大きく細長い黄色いたらいを持ってやって来た。それは持つのが難しいので注意深く耳を持ち、寄木細工の床に水を撒き散らすのを恐れて。
「20.5ポンド、公爵」彼は言った。特別な料理人の傲慢さで、「私達は先ほど量りました。」魚はたらいには大きすぎ、日に横たわり、尾を包んであった。うろこは金色に変わり、ひれは鮮紅で、巨大な肉食の鼻面から、2つの青い優しいひだの多い側に出ていた。扇のように、長い髪が、ほうぼうはまだ生きて、えらを強く動かしていた。妹は魚の頭まで注意深くほんの少し触れてみた。がほうぼうは予期せず、尾を跳ね上げた。アンナは甲高い泣き声で腕を引っ込めた。「おとなしくしろなんて、望んでないわ。あなたの公爵は全てのより良い種類を創立した。コックは言った。明らかにアンナを不安にしていると分かった。「今ブルガリア人がメロンを2つ持ってきた。パイナップル、メロンの一種に似て匂いのするほうだけ。勇気を出して公爵に尋ねる。「ほうぼうにはどんなソースを出すのか。タルタル、それともポーランドのそれともただサラダ油に乾パンを入れたものでよいか」「知っていることをやりなさい。さあ!」公爵夫人は言った。

4
5時間後客人がやって来た。ワシーリー・リヴォーヴィチは未亡人の姉、リュドミラ・リヴォーヴナを連れて来た。夫、ドゥラソフは善良な心と並ならぬ寡黙な女性だった。上流階級の若い怠け者、道楽者のヴァスューチカ、町中どこでもこの家の領地を知っている社会で大変喜ばれる。歌い、朗読できる、生き生きとした絵を芝居と善意のバザールを設立した。有名なピアニスト、ジェニー・レイテル、公爵夫人ヴェーラの友人でスモリナ・インスティテュートでの、ニカライ・ニカラエヴィチの妻の兄弟である。車でアンナの夫のところへ行き、ひげを剃った太い無定形の巨大なスペシニコフ教授と地元の副知事フォン・ゼックと一緒に遅れて友人達、アナソフ将軍が雇いの四輪馬車で二人の将校と同行してやってきた。陸軍大佐パナマレフの参謀部員、早くも老け込んだ悪い癇癪持ちで困憊し、力及ばぬお役所仕事、近衛のひょう騎兵の陸軍中尉、バフチンスキー、ペテルブルクでは舞踏家のように有名で比類なき甘やかされた児の管理者。
アナソフ将軍は肥えた背が高く銀の老修道僧で、車の踏み段から重く這い降りた。手すりに片手ですがりもう一方の手は馬車の後部に、左手には聴力増強器を持ち、右手にはゴム製のノズルの付いたステッキを持っていた。彼は大きく深い赤ら顔で肉の多い鼻と善良な威厳のある人で、細めた目には少々軽蔑した感じがあり、輝く所在、少し離れた半円何か特有の勇ましさと単純な人達、自分の眼前に危険と死が頻繁に身近に見られたとき姉は、、、、丁度その時四輪荷車に駆け寄り半分冗談半分真面目に双方の側の腕の下で、彼を支えた。
正に、、、僧正ー優しいしゃがれた低い声で言った。 「おじい様、愛らしい、愛しい人!」ヴェーラは軽い非難の調子で言った。「私達は毎月あなたを待っているのにあなたはせめて顔を見せてくれればよいのに。おじい様私達は南に全ての良心を忘れてきてしまいました。」アーニャは笑った。「もしかして十字架の娘のことを憶えていると思います。あなたは放蕩で破廉恥で全く私達の存在を忘れていらした。将軍は荘重な頭を取り去ってから両姉妹の手に順番に口付けをした。そして彼女たちの頬に、また手に口付けをした。「お嬢さんお待ちなさい。罵り合うのはやめて、一つ一つの言葉に溜息と昔からの息切れを混じらせて、言った。「正直な言葉、、、」夏中リューマチ浴をした。何か泥の中でどろどろでひどく臭う。解放しないで下さい。あなたは初めてやってきた。すごく嬉しい。あなたと会える、、、どう跳ねるのですか?「ヴェーラチカ、すっかり貴婦人だ。亡くなった母親にそっくりになった。いつ洗礼名を受けた?」「あら、おじい様受けていないと、、、」「諦めなさるな。全てに先立って、、、、神に祈りなさい。アーニャ、全く変わっておらんな。お前さんも16歳か。なんとも落ち着かん子だ。将校を紹介してあげよう。私はもう長い事この名誉に授かってきた。」陸軍大佐パナマレフはお辞儀をしながらいった。私はペテルブルクで紹介された伯爵です。」ひょう騎兵が続いた。「さぁ、お前に紹介しよう、アーニャ。陸軍中尉、バフチンスキーだ。舞踏家、乱暴者、しかしよい騎兵だ。取り出しなさい。バフチンスキー。可愛い私の、、、そこへ四輪荷車から、、、お嬢様方行きましょう。どう養っているのか?大河川の生活様式の後食欲が、、、ある。卒業した准尉の様に。
アナソフ将軍は戦友で故ミルザ・ブラト・トゥガノフスキー伯爵の忠実な友人だった。全ての優しい友人、愛人。彼は死後彼の娘に運び移した。まだ全く幼いと知っていたし、幼いアンナは洗礼も受けていた。その時まで彼は要塞司令官で大きくしかしほとんど廃止された要塞の、、、、トゥガノフスキーの家を毎日訪れた。子供たちはただ彼をいたずらに贈り物のために、サーカスや劇場に連れて行ってくれるために、そしてアナソフのようには誰も心を惹きつけて遊んでくれることはなかったので、尊敬した。しかし何よりも彼女たちを魅了し、何よりもしっかりと心に残っているのは戦争の行軍、会議、停留、露営でのお話、勝利と退却についての、死、傷、厳しい寒さについてのお話だった。それは悠々たる荘重で静かで誠実なお話、夜のお茶と子供が寝に呼ばれる退屈な時間の間のお話。
今日の風習でこの昔語りの破片は偉大で特別な絵画の形で紹介された。それらはあの単純さと結び付けられているが、感動的で公式によりも普段はるかに頻繁に会う深い悪魔、正にロシアの男の悪魔、兵田で崇高な姿を与えられ兵士が打ち克ち難いだけでなく大殉教者であるときした、ほとんど神聖な。
悪魔、率直で繊細な新年、明らかに善良な心の快活な眼差しから成り、冷徹で大胆なほど事務的な死と勝利の残念さの顔の前に服従し果てしなく忍耐と肉体を破り道徳的忍耐力、、、
アナソフはポーランドとの戦争を始めてから、日本を除く全ての同盟国と関与した。彼はこの戦争でも動揺せず出征したが、呼ばれることは無く、いつも遠慮がちに非凡な習慣を有した。「死ぬな、お前はまだ呼ばれていない。全ての自分の軍務の為に彼は叩いた事が無かったばかりでなく、一人の兵士を殴った事さえなかった。ポーランドの暴動の時、彼は一度、捕虜を銃殺するのを拒絶した。陸軍兵士の個人的命令を顧みず、「ただ、スパイを銃殺するのではない、命令するのならば、個人的に殺します。これは捕虜だ。私には出来ない。」この様に簡単に言い、丁寧に召喚や気取りの陰なく、自らの明白なしっかりした目で長官を真っ直ぐ見やり、自ら銃殺する代わりに、休暇をとった。
1877〜1879年の戦争で彼は、組織されたのをほとんど見たことが無く、陸軍大佐の官位をとても早く勤め上げた。彼自身が表現するように、「不器用な学士院」だけを終えた。彼はドゥナイを越えて渡場の前に関与しバルカンを越えシプカにしばらく留まり、プレブナの最後の攻撃の前に一回重傷を、四回軽傷を負わされた。それ以外に榴弾の破片を受けて頭にひどい打撲傷を負った。ラデェツキーとスコベレフは彼を個人的に知り、格別な尊敬で彼を扱った。正に彼に対してスコベレフが言うように、「私よりはるかに勇敢な将校を一人知っている―陸軍少佐アナソフだ。」
バルカンの行軍の時三ヶ所の凍傷を切除した病気の足と、シプケで次第に酷くなったリューマチの指で、榴弾の破片に感謝しつつ彼は戦争から帰還した。彼は二年間の平穏な職務を満了し、退職に追いやられたかった。ここで丁度良い時に、生きた証人で冷静な勇気を持ち、ドゥナイを越えて渡場の近くの地方長官が、自分の影響力を使い彼を助けた。ペテルブルクにて功績多き陸軍大佐を悲しませないと決め、彼はK市での生涯要塞司令官としての地位を与えられた―それは全国防に必要な職よりも尊敬すべき職であった。
彼の町では彼の弱み、習慣、服の着方など、老いも若きも皆知っていたし、皆善良に笑った。彼はいつでも武器は持たず、流行遅れのコート、大きなひさしの円帽、巨大な真っ直ぐのひさしに身を包み、右手に棒を持ち、左手には聴覚増幅器を、二匹の肥満で怠惰な、舌先で出しては食べるパグを連れていた。いつも通り朝の散歩に行く時知人と会うと、その知人はいくつかの地区を通して聞いており、司令官のようにパグは彼らを追い、吠えた。
多くの耳の不自由な人のように彼は熱心なオペラ愛好家で、時には誰かと無気力にデュエットし、突然劇場全体で彼の明確な低音が響き渡った。「何しろ驚くほど上手いんだ。」劇場を控えめに笑いながら歩き回り、将軍は疑いさえしなかったが。自分の素朴さで隣人の新鮮な印象とひそひそ交換したと思った。
司令官の義務で彼はかなり頻繁にしゃがれ声のパグと守衛本部を訪れた。そこには極めて快適な「カルタ、お茶、小噺」があり、捕虜将校を監視する戦時職務の重荷から休息を取る事が出来た。彼は皆に注意深く尋ねた「名前は?誰を座らせる?何人?何の為に?」と。時々全く予期せず将校のその勇ましさを褒めたが、時に違法行為で叱責し始める。外でよく聞いたものだった。しかし飽きるほど大いに叫んでから、どこから将校が昼食を持って来たのか、彼がいくら払うのか、全ての行進をせずに休止を問い合わせるのだった。時には、所属の守衛本部さえ無いような僻地から長時間禁固する為に派遣された、何かしら道をはずした陸軍少尉は、白状すると貧しさ故、兵士の賭金から給料をもらっていた。アナソフは守衛本部から二百歩も無い司令官の家から、貧しい人に昼食を持ってくるように、すばやく指図した。
K市にて。彼はトゥガノフスキーの家族と近付きそれほど近い関係で子供と連絡を取り、毎晩子供たちと会い、それが彼にとって心から必要な事となった。もし女の子がどこかに外出するか、あるいは職務が将軍を引き止めるとなると彼は誠実に寂しがり、司令官の家の大きな部屋には自分の場所を見出せずにいるのだった。毎夏休暇を取り、K市と五十露里離れているイェゴロフスキーにあるトゥガノフスキーの領地で丸一ヶ月過ごした。
彼は全ての自分の心の隠れた優しさと、愛の心の欲求をこの子供たちに、特に女の子に及ぼした。彼自身はかつて妻を持ったが、そのことを忘れてしまうほど以前のことだった。妻は旅回りの俳優のビロードのジャケットとレースのカフスに引かれ戦争前に彼の元を去った。将軍派彼女の死まで年金を送ったが、家では自分のところには行かせず、後悔の場面も涙をそそる手紙も見る事は無かった。彼には子供はいなかった。
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期待に反して夜は静かで暖かかった。テラスと食堂ではろうそくが変わらず火を灯していた。昼食では皆をワシーリー・リヴォーヴィチ公爵が楽しませた。彼は特別で独特な天分を、話し手として持ち合わせていた。彼は話の下地に挿話を持って来た。そこには居合わせた人や知人から誰かといった、主に実際の人物を登場させた。しかしそれほどにも文体を重苦しくし、酷く真面目な人物と、事務的な声色で話し始めたので聴衆は笑いで疲れてしまった。今日彼は、一人の裕福で美しい貴婦人とニカライ・ニカラエヴィチの上手くいかなかった結婚について離した。下地は、婦人の夫が彼女と離婚したくないというだけのものだった。が、公爵は空想で本当に素晴らしく編集した。真面目でいつもいくらか形式ばったニカライが、夜中に片方の靴下だけ履いて、靴を脇の下に抱えて、通りを走っているのを見た。どこか角で市長がこの若い人を引き止め、長く猛烈な説明の後にやっと彼は検事の友達で、夜の強盗ではないと証明するのに成功した。語り手の言葉では結婚式は少しも成立しなかったが、正に最後の瞬間、絶望した偽証者の一味、出席した人は突然中止し、仕事に対する報酬に追加を請求した。けちなニカライは(彼はこんな時でもけちだった)反スト主義でありながら、また、断固として法律を明確に利用し裁判所の意見に合わせ、余計な支払いを断った。その時有名な質問における立腹した偽証者は「居合わせた人の動機の内、誰か結婚に全く
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