(546)DRESSED TO KILL 〜 KISS
まだオン・エアされていたと思うのですが、キムタクが登場するCMに何故かキッスの“ロックン・ロール・オール・ナイト”という曲が使われています。この曲を収録した今回ご紹介するアルバムは1975年にリリースされた彼らのサード・アルバムですが、最高位は32位止まり。(日本ではこれがデビュー作で邦題は“地獄への接吻”。)ここに収録された“ロックン・ロール・オール・ナイト”や“激しい愛を”は初期の彼らの名曲といわれるものですが、スマッシュ・ヒットの域を出ませんでした。それだけにこういう曲を今もってくるのはどうなんでしょう?逆に新鮮なのかな?
そもそもこの曲、結構大規模なプロモーション、ツアーを展開し、ライブではそれなりの反応を得たものの、セールスには結びつかないキッスの人気化のきっかけとなった曲。サード・アルバムからシングル・カットされたこの曲は、自動車産業都市であるデトロイトのラジオで頻繁にオンエアされるようになり、これにすがるようにマネージャーのビル・オーコインはすべてのツアー・スケジュールをキャンセルし、デトロイトのコーボ・ホールでコンサートを行いました。これがレコード化されたのが彼らの大出世作であり、後にシリーズ化してしまう“キッス・アライヴ”(邦題“地獄の狂獣”。最高位9位。プロデューサーはレッド・ツェッペリン等で有名なエディー・クレイマー。のちの作品でもプロデュースを務める。)で、この次のアルバム“デストロイヤー”(邦題“地獄の軍団”最高位11位。)ではデトロイトへの感謝をこめてか“デトロイト・ロック・シティー”なんて曲があります。知名度では“ロックン・ロール・オール・ナイト”よりも高い彼らの代表曲です。とにかくこの頃のキッスは行け行けで、74年のデビューから77年の4年間に、ライブ・アルバム2セットを含めて実に8枚のアルバムをリリースしています。この76,7年頃というのはまさに飛ぶ鳥を落とす勢いの彼らでした。
その全盛期の予感を感じさせるのがこのサード・アルバムで、サウンド的にはシンプルながらの力強いロックン・ロールを堪能できます。大貫憲章サンいわく“分りやすいハード・ロック”。上記の2曲の他ではアコースティック・ギターの序奏が延々続き、突如変調する“天国への階段”風の“ロック・ボトム”なども印象的。この作品ではプロデュースにも関わっているのですが、ちょっと甘いところがあるものの、キッスを聴き始めるのならこれからはじめて70年代の作品を聴いておけば良いのではないでしょうか。
評価★★★ 2002/11/22