(548)ON TIME 〜 GRAND FUNK RAILROAD
少し前に今年のミリオン・セラー・シングルは1枚だけと書きましたが、洋楽の方はもっと深刻。とにかく売れるのはコンピ盤ばかりで、単体アルバムは本当に売れていないのだとか。そうした中で、過去のアルバムのリマスター盤は次々と登場しています。音質が多少クリアになろうが、ボーナス・トラックが付こうが、オリジナルのイメージを大事にしたいので、オリジナル盤を持っている場合は私は買わない主義なのですが、(邦楽のアルバムでセルフ・カヴァーみたいなのが最近流行りですが、ほとんどオリジナルのほうが良い。)今回ご紹介するグランド・ファンク・レイルロードもリマスター化が実現したバンドのひとつ。今回ご紹介するのは彼らのデビュー作なのですが、リマスター盤では収録曲のオリジナル・ヴァージョン2曲がボーナス・トラックになっています。ただ、私のご紹介できるのはアナログ盤なのであしからず。リリースは69年。
グランド・ファンク・レイルロードは1968年にアメリカの南部で結成されたバンド。すぐにレコード会社と契約を結び、翌年にはアトランタ・ポップ・フェスティバルでデビュー。とにかく当初メンバーが口にしていたように大音響が売りで、レッド・ツェッペリンの前座として登場した彼らがメインを食ってしまったのは有名な話。あまりの盛り上がりぶりに途中で演奏中止を要請されたのだとか。71年の来日時のコンサートも伝説化されていますね。当時の後楽園球場での嵐の中での観客層立ちのライブで、とにかく観客も嵐の中で切れまくったのだとか。(いい意味で)その時、テープを使用していたのではという話も有名ですが。
内容的にははっきり言って、リアル・タイムで聴いたら衝撃ものだったのでしょうが古臭さも。とにかくこれを一番初めに聴いた、おそらく20数年前でもちょっと時代を感じさせるサウンドであっただけに、今聴けばクラシックに入る部類。“TNUC”という曲では延々とドラムのソロが続くのですが、コンサートならともかく、アルバムでこんなのは殆どあり得ないんじゃないかなって感じ。それでもアメリカン・ハード・ロックの先駆者としての貫禄は健在で、一聴の価値はあり。個人的には彼らの曲では“ハート・ブレイカー”が一番好きな曲。これは言ってみればプロコル・ハルムの“青い影”と同等の評価をされても良い歴史に残るべき名曲。ただ、アルバムとしての聴き易さからいけばトッド・ラングレンがプロデュースした73年のアルバム“アメリカン・バンド”のほうが聴きやすいでしょう。これは彼ら最大のヒット作品で、タイトル。ナンバーはチャート1位、アルバムも2位まで上昇しました。ポップになったとの評もある作品ですが。とにかくこうした70年代や80年代に活躍した人たちに目を向けてくれるのはうれしいのですが、購買層はどうやら私のような年代の人間のようで、若い人の洋楽離が進んでいる現状には複雑な心境です。
評価★★★☆ 2002/11/25