”彼”の体温


その大きな手のひらが
私の前髪をかきあげるのが好きだった
彼の指の温度は
ちょうど秋の陽射しくらいのあたたかさだった

彼の隣で眠れる夜は何も恐いことなんか無かったよ
黒い闇に彼の寝息が
心照らすランプのように明るくした

彼の体温が私のものだった頃
その大切さを時折忘れてしまった
彼の体温を思い出すとき
こんなに愛してたと気づくよ
今はもう少し遅すぎるケド


その髪の毛の匂いや
背中の温かさが好きだった
胸に耳を当てると
ひとつになっていけるような気がしてた

ただ手を繋いでいるだけでずっと一緒だと信じれた
私を全部投げ出して
安心な子供になっていられた

彼の体温が私のものだった頃
その大切さを時折忘れてしまった
彼の体温を思い出すとき
こんなに愛してたと気づくよ
今はもう少し遅すぎるケド