Q.曲

 月を眺めて
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藍い雲の間に 朱い月が浮かんでる こんな場所で爪突ているのは 誰の所為でもないんだ  見て見ぬ振りをしてきた僕に  道を譲らないでくれ 沈む気持ち迎えて 朱い月を眺めてる こんな場所で待たされているのは 誰の所為でもないんだ  嘘ばかりついてきた僕に  声をかけてないでくれ 橋が架かるところに そして君が立っている こんな場所で出会ってしまうのは 本当は偶然ぢゃないんだろう         
     

 
  夏爛漫

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早い夜明けに合わせるように起きて
ぶらり歩く 露の雫 薄緑にきらり
夏草叢 身動きもせず まだ眠りの中
風や虫たちが微かに目覚めを誘う
 
 サンダル 撒き水 草むしり
 麦藁帽子がいかしてる
 アサガオ咲いて ヒマワリ咲いて
 夏はこんなふうに 確かこんなふう
 
昼下がり行水をしてTシャツ替えて
ヒンヤリ畳に 昼寝 うたた寝でとろり
入道雲 綿飴みたい 夜店の記憶
陽が陰るとほのかに夕立ちの気配
 
  簾に団扇に蚊取線香
 エアーコンディショナーは野暮だな
 アブラゼミ啼いて ミンミンゼミ啼いて 
 夏はこんなふうに 確かこんなふう    
 夏は暑きものなり ならばそれを涼しまん
 夏は長き一日   ならばそれを楽しまん

夕暮れに風が凪いで風鈴も黙る
軒下縁側 湯上がり 浴衣でひらり
ラジオから相撲そして野球中継
火照った地面の癒える匂い漂う
 
  盥に氷をそこに缶ビール
 冷蔵庫は無粋だな 
 祭囃子遠く 暑中見舞届く
 夏はこんなふうに 確かこんなふう

寝苦しい夜蚊帳の中遠雷を聴く
稲妻瞬間 やわ肌 妖しくくらり
  
  

 
  東京・秋

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ウヤムヤの世の中
そんなに好きじゃないのに
彼等が住む街
秋の風吹き飛ばす
佇んでいるのは辛いけど
旅に出るのはどうだろう
そろそろ潮時だって
あいつが言ってた

「ただいま」の挨拶
そんなに嫌いじゃないから
僕等が戻る街
秋の雨流し出す
しゃべり続けるのも楽だけど
黙秘するのはどうだろう
比べるのはやめなって
そいつに伝えろよ

東京はオアシス
言うほど砂漠じゃないのに
君が出てく街
秋の月照らし出す
溢れ続けるのが向きだから
やり直すのはどうだろう
綺麗に並べるなって
破じける街だから
比べるのはやめなって
そいつに伝えろよ
比べるのはやめなって
そいつに伝えろよ
   

 
  向こう側にもう一人

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傷ついた胸が癒えるその前
次のいざこざにもう巻き込まれている
混乱した頭の上
風の声がこだまする
十字架を背負い行ったり来たり
みんな上手くやってる気付かないうちに
つまらないことばかりに
詳しくなってるみたいだ
酒と薬でコントロールして
誰かの声も夢うつつとなった時
不意に木枯らし感じて
コートの襟を立てたのに
 もう首筋が冷たくなっている

知り過ぎた事も知りたい事も
ないのに毎晩同じニュースショー見る
だからキャスターの声と
顔は覚えているけど
 彼の意見はわからない

そして都市は様々な憂鬱を
吹きだまりに集めては撒き散らし
そう決めつけられること
奴はきっと呆れている
暮れかかるビルディングの谷間に
風の歌が響いて渦巻いた後に 
街路樹達の口笛と
重なりあっているのさ
「やめちまえ」 囁く声がしても
その歌と口笛に消されそうになる
僕は帽子をひょいとあげ
向こう側もう一人の
 僕に挨拶したのさ