First

すべてはあの夜から始まった。
そう、クリスタルはあくまでもピュア、傷つけてはいけないと思い知らされたあの夜。
俺は明かり一つ無い夜道を足早に歩いていた。
通いなれた道なのに、その夜はなぜか落ち着かなかった。
「あなたに必要なのは私じゃない!」頭の中を何度も駆けめぐる。
華子との付き合いは、もう5年近くになる。 彼女はなぜ急にあんなコトを・・・。
「コトッ♪」物音がした。
突然の物音に驚かされた俺は、全身を硬直させたまま、視線だけを音のする方へと向けた。
そ・・・そこには・・・
「う・・うわ〜!!!!!」
その瞬間俺は何者かに頭を強く殴られ気を失ってしまった。
気が付けはそこはどこか病院のベットの上らしい。 長い間眠りつづけていたようだ。
トントンっ。 誰かがドアをノックした。 「どうぞ。」
静かにドアが開き、ひょろりと背の高い男が入ってきた。
「失礼ですがどちら様ですか?」
男は丸い目をますます丸くして、穴があくほど俺の顔をじっと見つめた。
やがて男はため息をつく。「はぁ・・・・」
「・・・どちら様ですか?」俺の問いかけに男は答えた。
「あの、郵便です」・・・?なぜ病院に郵便屋が・・・。
「私はある人から頼まれてココへきました。 あなたにお伝えしなくてはならないコトがあります。」
そう言って男はズボンのポケットから何かを取出した。
「これは?」
「知らないですよ。郵便配達してたら、突然『渡してくれ』って男に頼まれたんですよ。
この手紙と一緒に・・・って」
俺は、宛先も差出人も書かれていない、白い封筒を手渡された。
男はそそくさと出ていく。
コインと手紙を目の前に置き、暫し考えたが、何も思い出さない。
「取り敢えず読んでみるか・・・この手紙・・・」
封筒の中には地図が一枚入っていた。
これはいったいどこの地図なのか・・・?
地図の中にはコインと同じ紋章があった。
いったい誰が? 何の為に? この地図とコインにはどんな意味があるのか?
しかもなぜ病院にとどけられたのだ??
この紋章どこかでみたな...あ!そうだ!
ふと、東京湾に浮かぶ船を思い出した。
あの船に何かあるのか???
あれは華子と付き合い始めた頃に見た船だ。
そうだ。華子・・・。あの夜、確かに彼女の様子はおかしかった。
もしかすると華子なら何か知っているのかもしれない。
でも、いま、華子は・・・・
エジプトへ。。。
もしかしたら、紋章の秘密と関係あるのかも??
古代エジプトにおける紋章の秘密??
華子とこの紋章は何か関係があるのあか・・・?
翌日。 俺は退院し、さっそくエジプトへ向かうコトにした。
コインと地図をにぎりしめ、支度を整える。
紋章、エジプト、東京湾の船、そして華子。
俺の周りで確実に、そして着実に何かが動き始めている。
成田空港,シーズンをはずれているせいか混雑はしていなかった。
午後一番の便を取る事ができた。出発までまだちょっと時間はある。
近くの電話ボックスに目をやる。「たしか,菊池って考古学博士だったよな。」
何かわかるかもしれない。俺はその電話ボックスに近づいた。
受話器を取るまさにその時,その電話ボックスが突然鳴り出した。
♪♪”ちゃらん〜、ちゃらん〜!”?
まさに、その時、電話ボックスがこちらに向かって倒れてきた!
もしかして?
sou
sou、そう、忘れもしない、あの5年前の出来事を思い出してしまった!

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