□江國香織 / 東京タワー

★★★☆☆
2人の少年と年上の女性との嘘みたいなラブストーリー。
この小説に出てくるような人は果たして実在するんだろうか。
どこまでも隙のない綺麗さで
きっと台所の流しの三角コーナーに残った野菜くずを放って置いたって
匂いもしないんだろう。
現実はこうはいかない。
でも、小説は違う。
綺麗なところだけを描くことが出来る。
それは不完全ではあるけれど、一つの事実であることに変わりはない。
現実の生活にも確かにこういう側面はある。
それを受け入れられるかどうかだと思う。
完全な純愛は奴隷制度の上にのみ成り立つ
と言っていたのは誰だったっけ。
2005.9.17
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□江國香織 / いつか記憶からこぼれおちるとしても

★★★★☆
そこにはその瞬間にしかない記憶が真空パックされていて
開けた瞬間鮮やかに蘇り、すぐにこぼれ落ちていった。
真夏の青い空の下、「ミトコンドリア。」と私は小さく呟いた。
まわりの友達は不思議そうに首を傾げて笑った。
「Sちゃんってさあ、時々突拍子も無いこと言い出すよね。」
私はあえて説明もせず、曖昧に笑い返した。
だけど後からこっそりMちゃんが耳打ちしてきた。
「さっきのあれってさあ、海の中で見たプランクトンのことでしょ?」
私はびっくりしてMちゃんの大きな目を見ると、只、ひとつ大きく頷いた。
Mちゃんは悪戯っぽく、にやっとした。
何だか嬉しくなって私達は走り出した。
乾いた坂道のてっぺんまで。
太陽が眩しかった。
2006.2.5
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□江國香織 / 泳ぐのに安全でも適切でもありません

★★★☆☆
江國さんは高校生の頃よく読んでいて
その後暫くは少々甘ったるくて嫌厭してたのですが
最近はそうでもない。
この短編集も短編ながら密度の濃い作品が揃っていて面白かった。
「犬小屋」がお気に入り。
2005.9.17
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□江國香織 / ホテル・カクタス

★★★★☆
なかなか、よかった。
江國さんの小説は時々甘すぎるけど、これはそんなこともない。
なんせ、帽子ときゅうりと数字の2が主人公ですから。
最初は、「なんじゃそれ!?」って思ったけれど
読んでいるうちにそんなことは気にならなくなった。
それぞれが愛すべきキャラクター。
ほんわかとした幸福感が味わえます。
2005.9.17
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BOOK
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