□重松清 / その日の前に

★★★☆☆
まったく、ずるいです。
重松清が人の死を見つめる物語を書いたりしたら
読む方はたまったもんじゃない。
ちょっと、狙い過ぎなんじゃないってとこもあったけど
最後はやっぱり、敵いませんでした。
それから、全部読んだ人にだけわかる心憎い仕掛けが。
こういうの、上手いよなあ。
何の前触れも無く、突然居なくなっちゃうのと
その日がだんだん近づいてくるのと、どっちが辛いんだろう。
そんなの比べられないけど。
失うことを通して私達が想うのは、いつだって、生きることなんだ。
今を精一杯、後悔の無いように
それでも、後になって、もっとできたんじゃないか、あの時、ああしていれば。
キリが無い。
お葬式は死んだ人の為というよりは
寧ろ、生きている人の為のものだ、という。
生きている人には死んだ後のことはわからないから
自分の納得のいくように想像するしか無い。
だって残された人は、これからも生きていかなくちゃならないから。
どれだけ大切な人を失っても、記憶は少しずつ薄れていく。
それは、残酷なことだろうか。
でも、大切な人の記憶は、どれ程、遠くなっても
決して消えることはないから、
月日を経て確実に私の血となり、肉となり、共に生きている。
もう、思い出す必要も無いくらい、私の体の一部なんだ。
2006.2.5
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□重松清 / トワイライト

★★★☆☆
物語は小学校の卒業記念に埋めたタイムカプセルを
26年ぶりに開封するところから始まる。
あの頃希望に満ちていた未来はどこへ?
重松さんの小説は、これっぽっちも夢をみさせてくれない。
だけど、ついつい読んでしまうのは
格好悪い自分を好きになりたいからかもしれないな。
2006.2.5
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□重松清 / 舞姫通信

★★★☆☆
2006.2.5
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□重松清 / 流星ワゴン

★★★☆☆
2006.2.5
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□重松清 / ビタミンF

★★★☆☆
2006.2.5
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□重松清 / 日曜日の夕刊

★★★★☆
やばい、すごいイイよお。
この人上手いねぇ。
収録された12のお話はどれも
どこにでもありそうな些細な日常の風景を描いているんだけど
何気なく読んでいると、ふっと心を掴まれてしまう瞬間がある。
おもわず涙が溢れてしまいそうになる。
嗚呼、人生ってこんな風だよなあと
じんわりあったかい気持ちになる。
そんな一冊なのです。
解説もよかった。
特に「いちばん効果的な人物の視点から描いている」
という件はなるほどなあと感心した。
甲乙付け難いけど
「チマ男とガサ子」、「桜桃忌の恋人」
「寂しさ霜降り」、「卒業ホームラン」
あたりがお気に入り。
2005.9.17
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□重松清 / ナイフ

★★★☆☆
これは『小学生日記』の中でhanaeちゃんが読んでいて気になっていた本。
「いじめ」がテーマの短編集。
ここまでやらなくてもという描写もありますが
なぜか読み終わるとすっきりした気分になります。
希望が失われていないからかなー。
2005.9.17
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□重松清 / きよしこ

★★★★☆
あー、またしてもやられてしまった。
吃音の少年のお話。
でも、それが響いたのは決して安っぽい同情なんかじゃない。
私にも「言いたいこと」を言えずに心の奥に飲み込んだ経験があるから。
「伝えたいこと」が伝わらなくて悔しい思いをしたことがあるから。
最近、いつもにも増して思う。
人は悲しいくらい言葉にしないと伝わらない。
考えて見れば至極当たり前の話。
伝えられずに飲み込まれた言葉は
いつしか忘れ去られ、大概のことがどうでもよくなる。
コミュニケーションの放棄。
それなのに気にしないフリをして、実は気にしてる。
自分で平気なフリをしておいて、気づいて欲しいだなんて虫がよすぎる。
そんな馬鹿みたいなことをしてしまうのは多分、拒絶されることが怖いから。
だけど、「伝えたいこと」は例えそれがどんなに些細なことでも
できるだけ素直に、できるだけわかり易く、伝えた方がよい。
これくらいまあいいや、は積み重なって
いつしか本当に伝えたいことまで伝えられない壁になってしまうから。
コミュニケーションも一日にして成らず。
勇気を出して伝えた言葉は思ったよりも暖かく迎え入れてもらえることが多い。
思いがけず、幸せな気持ちになる。
人間って捨てたもんじゃないなと思える。
時には失敗することもあるけれど。
きよしこの言葉
「それが、君のほんとうに伝えたいことだったら・・・伝わるよ、きっと」
そうだったらいいな、と思う。
角田光代のキッドナップ・ツアーの解説を思い出した。
「口に出した言葉と出せなかった言葉」
重松清の一読者としての共感を感じて何となく、嬉しくなったのです。
2005.11.13
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石田衣良
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