□吉田修一 / 春、バーニーズで

★★★☆☆
最後の息子の続編とまではいかないけれど、微妙に繋がっている。
筒井は最後の息子にはならなかったようだ。
と言いたい所だけれど文樹は実の息子ではない。
「夫婦の悪戯」がなんかよかった。
2005.9.17
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□吉田修一 / パーク・ライフ

★★★☆☆
表題作は公園にまつわるお話。
面白い設定だったんだけど、最後が肩すかしというか
もうひと展開欲しかったかなあ。
−こうやってぼんやりした状態からふと我に返るとき、
−ときどき旋律のようなものが走る。
−いま自分が見ていたもの、記憶のような、空想のような、
−どこかあいまいで、いわばプライベートな場所を、
−通りすがりの人に盗み見られたような気がするのだ。
例えば電車で向かいに座った人が何を考えているのか。
頭の中の世界は他人には想像のつかない所へと広がっている。
ちょっとだけ覗いてみたい。
同時収録のflowersは何だか
日曜の昼にやっているドキュメンタリー番組を見ているようだった。
2005.9.17
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□吉田修一 / 7月24日通り

★★★☆☆
男の人が書いた女性目線の話。
最初は先入観からか違和感があって、おかまが書いた文章を読んでいるような。
(決して悪い意味ではありません。)
でも、そのうちにそんな違和感もなくなった。
幼い頃から同じ小さな街に住む小百合。
平凡な毎日が、同窓会をきっかけに少しだけ変わっていく。
吉田修一にしては、随分乙女チックなお話だった。
でも、角田光代もそうなんだけど、
全然格好良くないそのまんまの気持ちを正直に書いてるから、共感できる。
単純だから「私も間違ったことしてみよう。」とか思ってみたり。
3分で萎むんだけどね。
2005.9.17
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□吉田修一 / 熱帯魚

★★★☆☆
※ネタばればれ
これまで読んだ彼の作品と比べるとやや重い印象。
表題作は子持ちの真実とひきこもりの光男と同棲している大工の大輔の話。
最初はこの人の描写は細かいなあなどと思いながら
何気なく読んでいたのだけれど
終わりの方で光男がいなくなる所の真実の台詞。
「言っときますけどね、人って大ちゃんが考えてるほど単純じゃないのよ。
親切にされればされるだけ、身動きできなくなる人だっているの。
それにもし、その親切にしてくれる人が淋しそうな人だったら・・・」
恐らく、言われた本人と同様のショックを受けた。
いくら人が人の為を思ってもそれすらエゴでしかないのだなあ。
結局、人は生きている限り自分から逃れることはできなくて
当たり前のことなんだけどそれが良いとか悪いとかじゃなくって
只、改めてそう思った。
2005.11.13
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□吉田修一 / 最後の息子

★★★☆☆
最近は女性作家ばかり読んでいたので新鮮だった。
やっぱり男は女に、女は男に、幻想を抱くものなのだなと思った。
決して女性作家には書けないであろう男の心理が興味深かった。
永遠に理解できないからこそ惹かれあうのでしょうかね。
2005.9.17
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□吉田修一 / パレード

★★★★☆
この前読んだ『最後の息子』がなかなかだったので代表作を読んでみた。
期待以上に面白かった。
男女5人の共同生活。
その一人ひとりが順番に語っていく形式。
わざとらしくないんだけど絶妙な書き分けで
それぞれのキャラクターが感じ取れる。
ひとつの出来事をそれぞれの視点から描いている訳ではなく
時間軸を少しずつずらしていくことで全体の大きな流れを形作っている。
そして最後には意表を付かれた。
好きなシーンがある。
文庫本だとちょうどP150あたり。
良介と未来が桃子で朝までドライブする。
泣きじゃくる未来に良介は何も聞かない。
5人の関係は表面的なものかもしれない。
それでも誰にも言えない孤独を抱えて押しつぶされそうな時
何も聞かずにただそこにいることが、どれだけ救いになるかしれない。
同じく文庫本P257の直樹の心の声。
「邪険にできるほど近くもなく、
かといって、その場だけ親身なふりをして済ませられるほど遠くもない。」
あんまり近すぎるとお互いが見えなくなったりするから
結構、ちょうどいい距離感なのかも。
2005.9.17
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BOOK
石田衣良
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