お勧めの本


4/7

愛国者のゲーム/T・クランシー


まぁ相当前の本なんですけど。いわずとしれた「パトリオット・ゲーム」 の原作です。本国アメリカでは大人気のジャック・ライアンシリーズ の初期のころのものです。ちなみに最新作は「合衆国崩壊」。別に見て 感動するわけでもなく、それほどためになるわけでもない。じゃあなぜすすめるのか。 「割と面白い。」それだけです。この人の作品のすごいところは、読み手の 我慢の限界近くまで話を緻密に組み立てている点だと思います。とりあえず ややこしい。だから人によっては限界をこえることもありうるわけで、 あまり若い人でこの人の作品が好きというひとはきいたことがありません。 たとえば、「今そこにある危機」という映画がありました。あれもこの人が 原作なんですけど、あれでも話の半分くらいは簡略化されています。「パトリオット・ゲーム」 然り。だから、映画を先に見ても、この人の原作は楽しめます。「レッド・オクトーバー を追え」から始まるこのシリーズの特徴はジャック・ライアンの昇進とともに 話がどんどん大きくなっていくこと。だから、初期のものから読むのがお薦め。 この作品はテーマも「テロリズムの恐怖」とシンプル。まぁ読んで損はないかなと。 ただ思うのは、現実世界を小説化しよう、シミュレートしようというのはいかに無謀 であるのかということ。ある程度のリアリズムを追求するならこれぐらいの物量 は必然です。日本の類似作品の多くがエンターテインメントを追求するあまり ストーリーを簡潔化することと簡略化することを履き違えて、エンターテインメント としては魅力のない、消費的娯楽にしかなり得ていないことを考えると、(独断) T・クランシーは偉大だと。人生は変わんないけど。(僕は)

3/27

業火/P・コーンウェル


実家にかえってみるとさすがに富山は暇で、しかも実家だから夜が暇過ぎて、 思わず読書してしまいました。いわずとしれた「検屍官」シリーズの最新刊 なんですけれども、やはりおもしろい。この人は「検屍官」シリーズ以外の 作品(スズメバチの巣)も最近は書いているんですけど、そっちはつまらなかったです。 この両作品の圧倒的な差というのは、登場人物に対する著者の思い入れの差 だとぼくは思います。P・コーンウェルさんはアメリカの人で、多分45歳ぐらい。 相当なインテリで、まぁ歳の割には奇麗。この特徴を全てデフォルメして完成したのが 「検屍官」シリーズというわけです。だからこの作品の主人公に関する作品中 での描写というのは、過剰といえるものが多いと僕は思います。この本の読後感 は爽快なものとは程遠いものです。男の僕からすると非常に女性を感じる作品です。 ちょっと濃すぎ。P・コーンウェルの作品は日本以上にアメリカで売れていて、 たしかジョディ・フォスター主演で映画化される話もあったんですけど、ジョディ・フォスター とP・コーンウェルのスキャンダルでお流れになってしまいました。P・コーンウェルの 欲望とカルマによって作り上げられたとっても濃いエンターテインメント。 お薦めです。