記念すべき第一回コラムんむんのコーナー、どういうことを取り上げようかなと考えた結果、やっぱりめちゃめちゃ売れまくっている宇多田ヒカルにしました。もうこの人のことについては説明の必要はないと思いますが、"Automatic"の大ブレイクによって一躍音楽シーンのトップに駆け上がった16歳の女性シンガーです。今回はそんな宇多田ヒカルのブレイクについて考えていこうと思います。
宇多田ヒカルがブレイクしたきっかけはFMなどによるヘビーローテーションによるところが大きいと言われています。去年の10月頃には九州のFM局でかなり"Automatic"を流していたそうです。そのようなラジオの発信によりじわじわと宇多田ヒカルの認知度がリスナーに広がっていき、CD発売時に一気にブレイクしました。しかしFMのヘビーローテーションだけでブレイクしたとは私は思っていません。宇多田ヒカルがブレイクした最大の要因は日本のリスナーの質の変化によるところが大きいと思っています。5年前の日本の市場では宇多田ヒカルはまずブレイクせず、一部のクラブサウンド、R&B系のリスナーにだけ受け入れられるマイナーな存在になると言い切れるでしょう。しかし今はこのような音楽を受け入れるだけの受け皿が日本のシーンに存在している、それだからこそ宇多田ヒカルはブレイクし得たのです。
それならばこの受け皿はどうしてできあがったのか、これについて考えていきたいと思います。まず受け皿があるということはその受け皿に注がれる水がなければいけません。そしてその水は良質のものでなければいけなく、腐ったような水では受け皿も受け入れてはくれません。つまりこの良質な水が日本に数多く存在するからこそ、受け皿も大きくなっていったのです。この良質な水こそがUAであったり、CHARAであったり、SUGAR SOULであったりするわけです。そしてまだブレイクしていない実力のあるアーティストもまだ数多く存在していますし、そのような水の下地があるこそ宇多田ヒカルのヒットもあり得たといえるでしょう。
最後に付加価値の要因を探ってみたいと思います。宇多田ヒカルがデビューした時期に盛んに言われていたこと、それは彼女が若干15歳でありながらニューヨークと日本を行き交いながら曲を作っているということです。日本の芸能界全般にいえることは低年齢礼賛であり、若ければ若いほど何かみんなありがたがっているような風潮があるような気がします。SPEEDがデビューした当時はあのメンバーの若さにびっくりしていましたが、今はそれも普通になってしまいました。もし宇多田ヒカルが25歳ぐらいだったらどうなっていたか、もしかしたら今のような大ヒットは生まれなかったかも知れません。ただそれはあくまで付加価値であり、曲のクォリティの高さ、宇多田ヒカル自身の実力によるところが一番の要因です。ただかわいいだけで売れている人とは一線を画しているのは紛れもない事実でしょう。